2020年11月、『天国と地獄』に臨んだ高橋一生

《体調が悪そうだった……》

《重い病気かな。幕を下ろした方がよかったかも》

 5月28日、SNS上で多くの心配の声が上がった。いったい何があったのかというと、その4日前からスタートした舞台『フェイクスピア』の本番中に、観客の目を疑うようなことが起こったのだ。

出演している白石加代子さんが突然、セリフを言えなくなり棒立ちになってしまって……。本番中なのに台本を持って演技したりと様子がおかしかったんです。カーテンコールにも現れませんでした」(舞台を観劇した女性)

白石加代子

 白石といえば今年80歳を迎えるベテラン女優だ。

「1970年代から鬼気迫る演技で“狂気の女優”と称され話題に。近年は'19年の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』にも出演。舞台関係者なら知らない人はいない“生きる伝説”です」(芸能プロ関係者)

『フェイクスピア』は、共演者も豪華だった。

「主演は高橋一生さんで、ほかにも前田敦子さんや橋爪功さんなど名のあるキャストが脇を固めており、演出は人気劇作家の野田秀樹さん。直近の公演チケットはすでに売り切れています」(演劇関係者)

 注目を集めていただけに、多くの観客が白石の異変を目の当たりにしたようだ。“重病説”まで囁かれ始めているが、彼女に何が起きたのか。6月上旬、真相を確かめるため舞台を終えて出てきた白石を直撃した。

直撃を受ける白石加代子

─先日、セリフが飛んでしまったり、台本を持って芝居をしたりしたそうですが?

大丈夫です!

─ご病気ということはありませんか?

元気です!

 笑顔を見せると、小走りでタクシーに乗り込み去っていった。本人は問題がないことを強調するが、はたして……。所属事務所に聞いてみると、

かかりつけ医にも診ていただきましたが、疲労とのご診断で、取り立てて異常はなしとのことでした。ご心配おかけしました。現在は回復しております

 実際、様子がおかしかったのは28日だけで、それ以外はいつもの演技力を発揮していたようだ。

コロナ禍でスケジュールがずれ込み、舞台が始まる数日前までテレビドラマの撮影があったそうなんです。加えて次の映像作品のための準備など、いろいろ立て込んでいて……。だからあの日は体力の限界を超えてしまい、セリフが出なかったと聞いています」(前出・演劇関係者)

 どうやら、本当に過労が原因だったようだ。

白石さんは“イタコ”の役なんです。なので、セリフが出なくて沈黙したりするのも逆にイタコらしくて、観客からのアンケートには“迫真の演技だった”という声も。アクシデントすら名演と感じさせてしまうあたりはさすがですよね」(同・演劇関係者)

 もしかして、すべて彼女の“フェイク”だったのかもしれない!?