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 アウトドアブームに加え、コロナ禍で密を避け、大勢の人がキャンプ場に押し寄せている。最近では今までに考えられなかったトラブルも。キャンパーたちの驚愕体験をご紹介する。

 コロナ禍の影響もあり、キャンプ人口が増え、トラブルも増えている。キャンプコーディネーターのこいしゆうかさんに話を聞いた。

キャンプ場では直火が禁止

「年に数回“思い出づくり”をしたい人たちがトラブルを起こすケースが多いように思います。たき火も炭を放置したり、地面を焦がすなどマナーが悪い人が増えたため、ほとんどのキャンプ場では直火が禁止になりました」

 キャンプの行われるイベントやフェスなどでは、イスなどの盗難やテントに穴をあけられるといったトラブルもあるという。

「例えば炊事場の排水口にゴミを放置してしまうと詰まって、みんなの迷惑に。小さいことですが、人や自然への配慮があってこそのキャンプです

 ソロキャンプをする女性の間でよく話題になるのが、「おせっかいおじさん」だという。何かしら「手伝おう」と話しかけてきて、交流を図ろうとする男性キャンパーのこと。

「下心あるなしにかかわらず、こちらとしては距離を置きたい存在。話しかけられても愛想をよくしないように、対処しています」

 管理人さんに女性1人で行くならばそのことを伝え、そういった男性が少なそうな場所を教えてもらうのも手。区画サイトの決まったキャンプ場もおすすめだ。

キャンプにまつわるトラブルNews

【テントで炭、4人搬送】

 北海道紋別市にあるキャンプ場で、「家族が一酸化炭素(CO)中毒のようだ」との通報があり、テントにいた4人が搬送された。テント内で炭を使っており、一酸化炭素中毒になったとみられる。

【キャンプ中の女性が熊に襲われケガ】

 長野県松本市にあるキャンプ場で食料をあさろうとしたツキノワグマが、宿泊中のテント4か所を次々に襲い、テント内にいた女性が右足を爪で引っかかれ、10針を縫うケガをした。

【迷惑行為で一時閉鎖も】

 ゴミの放置や路上駐車などキャンプ場でのマナー違反は全国的に増加傾向にあるという。各地の無料キャンプ場は自治体やNPOが運営していることが多く、有料化や予約制導入などの対策を余儀なくされている。

【キャンプ場で「たき逃げ」横行】

 たき火の片づけをしないで帰るマナー違反「たき逃げ」が増加。完全に消火しないと炭を捨てたときに火事になる可能性が。バケツの水に30分つけて消火させたら燃えるゴミとして捨てる。

危険が身に迫る! うっかり事故編

▲ガスボンベが爆発!

 ソロキャンプをしていたとき、近くでテントを張っていた家族連れのガスボンベが破裂! 幸い大きなケガ人はいなかったものの、ひとつ間違えば大事故に。(37歳男性)

▲燃え盛るテント!

 栃木県のキャンプ場を利用したとき。朝、起きたら隣のサイトの調理場からテントに火が燃え移り、大火事になる寸前。(56歳男性)

▲起きたら水没の危機!

 海岸線にテントを張って寝ていたら、潮が満ちてきて水没寸前。(52歳男性)

▲子どもの川遊びは絶対に目を離さない!!

 山梨県の道志川に友人家族とキャンプへ。大人はBBQの準備、子どもたち5人で川遊びをしていたときのこと。川のほうが騒がしいので目を向けると当時5歳の長男が流されていた。幸い別のグループの1人が助けてくれて無事だったが……。(69歳男性)

▲車上荒らしに遭遇!?

 道の駅で車中泊をしていたとき。誰かが車のドアを開けようとしたらしくガチャガチャと音が。寝ていたが「誰だ!」と叫ぶと走り去っていった気配。危険を感じたので、別の場所に即移動した。(53歳男性)

気になるコロナ、密は大丈夫? 編

★解放しすぎはダメ!

 GW中に在住県のキャンプ場へ行ったところ、都内ナンバーの車が多数来ており、緊急事態宣言の対象外の土地だからか、マスクもせず密になって大騒ぎをしていた。自然の中とはいえ、ここまで無法地帯なのはマズイなと。(49歳男性)

★避けたのに……

 キャンプ場であえて、ほかの人を避けて不便な場所にテントを立てたのに、すぐ隣に設置された。離れてほしかったけど、区画が決まっているわけでなし、クレームは言えず……。次からは区画サイトを予約できるキャンプ場にしようと決意。(42歳女性)

楽しいキャンプが台無し、マナートラブル編

 今年、家族で神奈川にある予約がいらない、フリーサイトのキャンプ場に行ったところ、真夜中にも爆音で同じ音楽をリピートで流しているテントがあり、眠れずじまいに。(41歳女性)

 隣のテントの人たちが、水風船を投げて遊んでいて、こちらのテントを直撃。謝りもせず、ゴミを片づけることもなかったので不愉快な思いに。気分転換で来たつもりが台無し。(42歳女性)

キャンプマナーをおさらい!

●たき火●
 近年はほとんどのキャンプ場で直火が禁止に。地面や草が焼け焦げてしまい、枯れ草が山火事の発火源にもなることがあるためだ。必ずたき火台を使用すること。小さいものであれば灰が落ちるので、下に防火シートを置いて利用を。

●音楽●
 キャンプ場にもよるが音楽を流すことはマナーを守ればOK。ただし、スピーカーの音は案外遠くまで聞こえるので音量に注意を。だいたいのキャンプ場は21時以降、静かにするようにとルールを設けているので、それ以降は控えたほうが。

●ゴミ●
 本来キャンプ場はゴミの持ち帰りが推奨されており、ゴミ捨て禁止のところも。キャンプ場のルールにのっとって分別し、引き取ってもらうか、自宅に。たき火でゴミなどを燃やすのは絶対NG。

番外編! 体験してしまった怪現象

■人間だったと思いたい……

 夜遅くにテントで寝ようとすると足音が。こんな深夜にサイトを歩き回る人がいるのかと思いましたが、私のテントの前で音がピタッと止まる。「なんだろう?」と思いながらもじっとしているともうひとつの足音……。案の定、テントの前で止まり「あーそーぼー」。(48歳男性)

■避難小屋での霊現象

 晩秋の〇ヶ岳登山で、とある避難小屋にベースキャンプを置いたときのこと。雪が降る深夜に「おーい」という声が聞こえ、外に出ても誰もおらず。しばらくして「おーい、9人目が見つからないぞ! 辺り見回せぇー!」との声が。慌てて外に出てみたものの、やはり誰もいなかった。その小屋が遭難遺体の一時安置場所になっていることは知っていたので、出発時には泊まらせてもらったお礼を言って帰った。(ブロガーjyunntarouさん)

●こいしゆうかさん●イラストレーター・キャンプコーディネーター。女性が自立してキャンプをする「女子キャンプ」を提唱。著書に『そうだ、キャンプいこう!』(standards)など。

(取材・文/山田 恵)