「多肉植物が注目を浴びはじめたのは20年くらい前。村上隆さんをはじめとするアーティストや、アパレル業界の方々に好まれてきました。村上さんのところには学生のころ、よく配達に行きましたよ」
と、語るのは、多肉植物専門店『鶴仙園』3代目、鶴岡秀明さん(※鶴岡秀明さんの「鶴」は正しくは「雨冠に鶴」)。NHK『趣味の園芸』では講師も務めている。現在、芸能界で多肉植物ブームが起こっているという噂を直撃した。
芸能人もハマる「多肉植物」の世界
「うちの常連は俳優の滝藤賢一さん。永山絢斗さんを店に連れていらしたことも。木村拓哉さんが多肉植物を購入されたというSNSも拝見しましたね。男性人気が強いイメージがありますが、ここ3~4年は女性客もすごく増えています」(鶴岡さん)
たしかに店舗での取材中、客足が一切途切れない。
「インテリアっぽく見られがちですが、本来は外で育てるもの。雨よけのあるベランダがあれば、簡単に育ちますよ」
水やりも少なく初心者にも簡単。その魅力を深掘りだ!
愛情めて込めて大切に育てる
NHK『趣味の園芸』メインMCを務めた俳優の三上真史さんも、多肉植物の虜になった“多肉男子”のひとりだ。
「花のような形、宝石のようにきらめく葉……多肉植物は種類がとても豊富で癒されますし、飽きません!」
そもそも多肉植物とは、葉や茎、根などに水分をたくさん含み、ふっくらと多肉質になった植物。代表格はサボテンだが、現在はさまざまな種類が出回っている。上手に育てるコツは?
「時期を間違えずに水やりを。あとは日当たりと風通しが大事」(三上さん、以下同)
多肉が育つ時期(生育期)は土が完全に乾いたら、水をたっぷり。休眠期は水やりを控える。三上さんのオススメは
「春と秋に育つ“春秋型”種です。僕の大好きなエケベリアやハオルチアも春秋型。種類が多く育てやすいし、いまの時期は休眠期なので、あまり水やりしなくていい(笑)」
自宅のベランダには100種以上の植物があり。そこに多肉ゾーンがあるそう。
「多肉植物は伸びた枝や葉で簡単に増やせる。増えたものを寄せ植えのアレンジにして楽しんでいます。例えば100円ショップにもアレンジに使えるものがたくさん。何を見ても“寄せ植えできるか”って考えてしまう(笑)」
フラワーデザインの資格をもつ腕前はプロ級!
「多肉は家族の一員。なのでおしゃれにしてあげたくなるんです」
さらに愛は深い。
「多肉植物が好む環境を、いつも考えています。基本的に屋外で育てていますが、家の中でアレンジを楽しむときは、日の当たる窓辺に置き、窓を開けて風通しをよくしています。多肉植物も人間と同じで、外に出ないと弱ってしまう。しばらくアレンジを楽しんだら、植え替えて屋外に出していますよ!」
自宅では2歳の子どもも一緒に楽しんでいる。
「花育といって子どもと一緒に植物を育てています。僕の親も植物が大好きで、一緒に多肉植物を育てていました」
三上さんのようなイケメンが育つ(?)かもしれない多肉植物で花育。お試しあれ!
いろいろ謎だらけ! 教えて多肉先生
Q.基本の育て方って?
→A.光、水、風のバランスが大事!
屋外で日当たりと風通しがよく、雨よけがあるベランダなど雨があたらない場所で育てましょう。水やりは生育期に合わせて行い、1~2年に1度植え替えを。
Q.必要な道具は?
→A.鉢、土、ハサミとピンセットが基本です
(1)鶴仙園オリジナル培養土(2L)[418円]
(2)鶴仙園オリジナル軽石[275円]
(3)飾り砂 サーフェイスサンド[1100円]
(4)プラスチック植木鉢スクエアーポット
(7cm角・4個入り)[1320円~]
(5)鶴仙園オリジナルピンセット[ロング2530円、ショート1650円]
(6)外山刃物×鶴仙園オリジナルハサミMini[3850円]
Q.変な形に育っちゃった! どうすれば?
→A.仕立て直しをしましょう
例えば、ヒョロヒョロに伸びたエケベリア。葉がブヨブヨで日焼けをしているのは、関東なのに冬、簡易温室に入れたため。仕立て直しで元気になるだけでなく、2鉢に増え、葉挿しでもっと増えるかも。
(1)まずは先端をカット→間延びしていないロゼット型になっている先端部分を清潔なハサミで、いっきにカット
(2)下葉をはずして切り口を乾かす→土に植えたときのバランスを考えて、茎の葉を数枚落とす。2~3週間、空の植木鉢に逆さに置いて切り口を乾かす
(3)乾いたら新しい植木鉢に→切り口が乾いて根っこが出てきたら、植木鉢に軽石を敷き、新しい培養土を入れた植木鉢へポンと置くだけ
(4)はずした葉も横に置く→エケベリアやセダムははずした葉を土の上に置くだけで芽が出る。切り口を土につけないのがポイント
■鶴仙園 西武池袋店■東京都豊島区南池袋1-28-1 西武池袋本店 9階屋上グリーンショップ TEL 03-5949-2958
初心者向け多肉植物5選
【パキポディウム 恵比寿大黒】……幹に水分を蓄えるコーデックス(塊根植物)の仲間。夏が生育期なので、冬は屋内か温室へ入れる。
【セダム ダシフィルムマジョール】……小さく丸い葉が集まって群生するタイプ。モコモコとした形と淡い色合い。寄せ植えには欠かせない。
【ハオルチア 光オブツーサ】……葉の一部が透き通った「窓」といわれる部分から、中の水分が光って見える。宝石のように美しい多肉植物。
【エケベリア 桃太郎】……バラの花のようなロゼット型の葉が美しく人気。育てやすく、南か東向きのベランダなら冬越しも可能。
【セダム オーロラ】……プクプクとした葉がかわいいセダムの代表格。丈夫で冬は屋外でも栽培可能。秋の紅葉が美しく、寄せ植えにも◎。
(取材・文/山崎ますみ 撮影/吉岡竜紀)
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