「香淳皇后の命日である6月16日、眞子さまは皇族代表として『武蔵野東陵』を参拝されました。皇居以外での公の行事に臨まれるのは1月の『昭和天皇山陵の儀』以来5か月ぶりとなりました」(皇室担当記者)
くしくもこの日、首相官邸では安定的な皇位継承策を議論する有識者会議が行われ、その内容に注目が集まった。
「会議では、現在の皇位継承順位を変えないことを前提に議論を進めることが決まりました。これに伴い、『女性天皇』と『女系天皇』の実現は見送る可能性が高まりましたが、皇族の人数を確保するための『女性宮家』の創設については今後も議論されていきます」(皇室ジャーナリスト)
女性宮家創設の賛否については、専門家の意見が真っ二つに分かれている。象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の准教授・河西秀哉さんは、拮抗する理由をこう説明する。
「議事録に載っていませんが、眞子さまと小室圭さんの結婚問題が女性宮家創設の議論で話題に上がっていたようです。創設に反対する方々の中には“国民は小室さんに不信感を抱いている。彼が皇室に携わるなんて考えられない”と声を上げている人もいます」
一部では“議論次第では小室さんが皇室入りを果たし、圭殿下が誕生する”との報道も。これに対して世間からは反対の声が相次いだが、実は「現実的ではない」という。
「昨年の秋篠宮さまのお誕生日会見でのご発言や眞子さまが出されたお気持ち文書から、おふたりの結婚はそう遠くないように感じられます。
仮に結婚後に女性宮家の創設が決まっても、皇籍を離脱した眞子さまが再び皇室に戻られるということはありえません。混迷を極めている女性宮家の議論が結婚までに着地するとは思えないので、眞子さまは女性宮家の対象にはおなりにならないでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
国民の杞憂をよそに“悲願”の達成に向けて走り続けているおふたりだが、小室さんが帰国しなければ具体的な話は進まない。一般の結納にあたる『納采の儀』もそのひとつ。
「『納采の儀』は、小室家の使者が秋篠宮邸に出向いて納采の品を渡し、その後、秋篠宮家の使者が小室家に出向いてお返しの品を渡します。そのため、両家の打ち合わせが必要なのです」(宮内庁関係者)
納采の儀の懸念点“小室家の使者”
大きな課題として考えられるのは小室家の使者について。
「戦前に施行された『皇室親族令』では“使者は親族が務めること”と定められていました。戦後に法令が廃止されてからも“親族かつ社会的にある程度の地位を築いている人物”が務めることが慣例となっています。小室さん親子は親族と長らく疎遠のようなので使者にふさわしい人物がいるのかどうか……」(同・前)
だが、宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんは「問題ない」と語る。
「現在の『皇室典範』が施行されて以降、女性皇族の結婚は8例ありますが、『納采の儀』における使者が、嫁ぎ先の親族ではなかった例が1つだけあります。三笠宮家の次女・容子さんと結婚された千政之(16代千宗室)さんの場合、『伊藤忠商事』元会長の越後正一さんが使者を務めました。越後さんは茶道裏千家の重要な役職である“老分”という、お目付役のような方だったので、三笠宮殿下も了承されたのだと思います。この前例もありますので、小室さんの場合も使者が親族でなければならないということはないでしょう」
そうなると“最後の障壁”は国民からの視線。結婚関連の儀式を執り行うことで批判の声が集まるのは間違いない。
「小室家の使者が決まった場合、その方に取材が殺到し、“社会的ステータスが足りない”などと指摘する人も現れると思います。また、小室家が用意する納采の品や結婚式の費用についても“秋篠宮家から援助を受けたのでは”といった憶測が飛び交うことになるでしょう」(前出・皇室担当記者)
前代未聞! 国民に開示されない“隠れ婚”
儀式ひとつ行うこともままならない逆風を受けて、“新計画”が浮上しているという。
「前例どおりであれば儀式に取材が入り詳細が報道されますが、批判から逃れたいおふたりは“国民の目に触れないようにひっそりと行う”と考えてもおかしくありません。そうなると『納采の儀』の内容はおろか、結婚当日の様子すらも国民に開示されないという前代未聞の事態となりえます」(前出・宮内庁関係者)
例えば、'18年8月に執り行われた高円宮家三女、絢子さまと守谷慧さんの納采の儀について、当時の朝日新聞は《12日午前10時ごろ、守谷さんの使者として親族の男性医師が宮邸を訪れ、絢子さまや母の久子さまの待つ応接間に入った。絢子さまの父、故高円宮さまの肖像画が飾られた部屋に、納采の品である鮮タイの代金、清酒、洋服地が並べられた。絢子さまは薄い水色のワンピース姿だった》
と報じていた。このような前例があるなかで、結婚関連の儀式について、いっさい明かさないことなど可能なのだろうか。
「『納采の儀』などの儀式は秋篠宮家の私的なことなので、秋篠宮殿下が写真撮影などの取材をお断りになることは可能です。結婚式や披露宴が行われるなら、宮内記者会は宮内庁に取材を要望するでしょうが、最終的には眞子内親王殿下が受けるかどうかの判断をされると思います。
ただ、ご自身の結婚に対する国民感情や新型コロナウイルスの感染状況を鑑みると、いっさいの取材をお断りになる可能性が高いでしょう」(山下さん)
そうはいっても「あるまじき行為だ」と苦言を呈するのは宮内庁OBのひとり。
「30年前、眞子さまは上皇ご夫妻の初孫としてお生まれになりました。以来、国民はプリンセスの成長を見守ってきたため、皇族とはある意味“日本国民の親戚”ともいえる存在なのです。それなのに、立派に成長された眞子さまの“晴れの日”を見届けられないとしたら、非常に残念です」
国民への裏切りとも受け取れる“目隠し婚”。それだけではなく、皇室の未来を揺るがす事態にもなりうる。
「皇室は、公と私という境目が微妙であり、今までは曖昧な部分を積極的に公開されてきました。それによって“皇室の方々も、私たちと同じ人間なのだ”ということを国民が実感するとともに、尊敬の心が育まれてきたのです。
結婚の詳細すらも隠すことになれば、今まで積み重ねてきた皇室の姿を根本から覆すことになり、国民の心はどんどん離れていくと思います」(河西さん)
“禁じ手”を使って叶える結婚は、おふたりにとって幸せなのだろうか─。