「中学生みたいな気分で楽しい。生まれて初めて誰かのファンになったかも」
こう話すのは小泉今日子。
BTSの勢いと人気が止まらない。5月21日にリリースしたシングル『Butter』は、YouTubeで公開されてから約21時間で1億回再生を超え、自身最速記録を達成。米国3大音楽授賞式『ビルボード・ミュージックアワード』では4冠に輝き、世界中から注目を集めた。
そんな彼らのファンを『ARMY(アーミー)』と呼ぶ。英語で“軍隊”の意味を持つほか、『Adorable Repre sentative MC for Youth』の頭文字をとって、“若者を代表する魅力的なMC”という意味が込められている。今、日本の芸能界でも、ARMYであることを告白する有名人が後を絶たない。
香取慎吾も「将来の夢はBTS」
冒頭の小泉今日子はメンバー全員が好きな“箱推し”であることを告白。2020年にリリースされた『Dynamite』をきっかけに、家ではBTSの曲が1日中流れているのだそう。周りもARMYだらけで、親交の深いタレントのYOUは、マンネ(最年少の意味)のジョングクの可愛さに魅了され、1年ほど前からBTSにハマっていることを明かした。
入手困難なライブチケットに関して「全員が必死なので、興味とかの段階でチケット取るのやめてください!」とテレビ番組で話すと、ファンからは共感の嵐。インタビューでは、7人の存在は“命でありすべて”と答えるほどの熱っぷりを見せている。
磯野貴理子は、部屋にポスターを張っているのだとか。アイドルに夢中になったのはマッチ(近藤真彦)以来で、「この年齢でハマることに恥ずかしがることはないと思う。嫌なことがあっても、BTSの動画を見ると元気になれるの」と、特にメンバーのジミンに夢中。「こんな気持ちにさせてくれることに感謝。ファンになれてよかった」と、テレビ番組で熱く語り同年代のARMYから支持を受けている。
同じく、椿鬼奴もファンであることを公言。バラエティー番組で『Dynamite』のダンスを披露すると、SNSでは「本気すぎる」「最高だった」などの声が多く寄せられていた。
BTSに夢中になっているのは女性ばかりではない。
新しい地図の香取慎吾は、ドラマの撮影中に『Dynamite』を流していたことを共演者に明かされ、その理由を聞かれて「将来の夢、BTSだから」と発言。「いい曲だよね」と楽曲性を評価していた。木村拓哉も、自身のラジオ番組で「聴いていて一切ストレスにならないし、ノリもいい」と、ビルボードでの首位獲得を絶賛。
ロックバンド・氣志團の綾小路翔は、BTSメンバーの愛用品を購入し「ジミンちゃんのリップ来た」とTwitterで報告。そのほかジョングクが飲んでいた飲み物を購入したりと、ARMYたちをざわつかせた。
Sexy Zoneの中島健人は、Vの髪色と同じにしたりソロ曲のパフォーマンスが丸パクリなのでは!?と、話題になったことも。公言こそしていないが、影響を受けているのは間違いなさそう。
メンバーと食事に行く芸能人も
共演者たちも、彼らの魅力をこう話す。
2016年に日本で行われたBTSのファンミーティングに出演したトレンディエンジェル・斎藤は、7人の気さくさに好印象を抱いた。「人懐こいし、日本語も上手」と話し、自身のラジオにBTSをゲストで呼んだことも。
主演ドラマの主題歌を担当してもらったことをきっかけに、交流をスタートさせたのは坂口健太郎。「カッコいいだけでなく、キュートで可愛らしい面もあってギャップもすてき」と、楽曲をよく聴くだけでなく、今ではメンバーと連絡を取り合う仲に。仕事で韓国に行った際にはJ-HOPEと食事に行き、その様子はBTSの公式Twitterにアップされている。
ファン名であるARMYが誕生したのは7月9日、今年で8周年を迎える。芸能人も魅了するこの追い風は、まだまだやみそうにない 。
ARMY芸能人・ドランクドラゴン塚地にインタビュー
「BTSを初めて見たとき、圧倒的な若さとパワフルさに何か感じるものがあったんです。7人が個々に高いスキルを持ち合わせていて、ビジュアルも相当よくて……これはもう衝撃的でしたね」
お笑い芸人・ドランクドラゴンの塚地武雅は、15年以上にわたるK-POPファンであり、生粋のARMY。デビュー直後のBTSに初見から心を奪われ、カムバック(新曲リリース)するたびに力をつける姿にたちまち夢中になっていったという。
「当時はヒップホップテイストが強めでありながら、華やかさも圧倒的。数あるK-POPグループの中でも、僕はSEVENTEENというグループも好きなんですけど、この2組だけは絶対に“生で見なきゃ死ねないな!”って思ったほどで(笑)」
塚地の推しメンは……?
BTSが世界的なアーティストに成長していく様子に、
「新人のときから異彩を放っていましたし、どんどんすごいグループになってるなと思っていました。昨年の『Dynamite』で、K-POPになじみのなかった方たちにも一気に知れわたったと思うんですけど、僕は同じ年にリリースされた作品でいえば『ON』のほうが好きなんです」
今でこそチケットは入手困難だが、2017年に開催されたBTSの日本ツアーには1人で参加し、関東だけでなく関西へ遠征もしたほど。
「タオルとペンライトは必需品。今であれば珍しくないかもしれませんが、当時は男1人で会場にいる僕は目立ちまくってました。太ったおっさんだから余計に(笑)。ライブ中の掛け声もちゃんと覚えていって、一生懸命メンバーの名前を叫んでたんですよ。女の子たちの声に混じっておっさんの声がするもんやから、前の席の子が振り返って“え!? 塚地塚地……”って。僕の周りはちょっとざわざわしてました(笑)」
実際に目の前に現れたメンバーを見て、念願の生ステージパフォーマンスには涙を流したと明かす。
「通訳をつけずに、自分たちの力で日本語のMCをしてくれたことも、日本のARMYとちゃんと向き合ってくれている感じがして、すごくうれしかった。そういう彼らの人間性にもグッときました」
7人の中でも、つい目で追ってしまうのはジョングク。
「最年少でありながら、センターに立つ責任感を持っているのを感じ取れますし、ビジュアルもダンスも、すべてのバランスがいいんです。僕にカッコいいとか可愛いって言われても……ってとこがあると思いますけど(笑)。もちろん全員を満遍なく見ていますが、誰推しか?と聞かれたら、グクと答えます」