編集部が女性500人に行った調査では、9割以上が何らかのオジサンの行動で不満を抱えていた! 女性たちの怒りの声とともに、オジサンの行動の謎を解き明かす!
コロナ禍で厚生労働省が「咳エチケット」という言葉を広めようと躍起になっているなか、その言葉がまったく届いていない生き物もまた多く存在している。今回はそんな「マイクロ飛沫オジサン」ともいうべき男性に対する、女性たちの嘆きの声を取り上げていきたい。
「咳やくしゃみをするときに口元を押さえないオジサンが多い。混雑した電車内だと逃げ場もなく、本当に不快」(40歳・女性・会社員)
「夫のくしゃみの音が大きすぎてビクッとなる。手で覆ったりしないので汚いし、飼っているネコも驚いて逃げる」(42歳・女性・専業主婦)
「くしゃみをしそうになると急いでマスクをはずしている人がいた。マスクの内側が汚れるのが嫌なのだと思うが、正直、意味がわからない」(46歳・女性・会社員)
マスクをずらして大声で話している
女性500人への『不快な行動アンケート』で、歩きタバコ・痰・唾の次に多かったのが、咳やくしゃみにまつわる迷惑行為。飛沫感染という言葉が浸透した今だからこそ、目に見えない飛沫に不安を覚える人も増えているのだろう。関連して、次のような非難の声も上がっている。
「電車内でマスクをずらして大声で話している。迷惑だし声がデカくてうるさい」(58歳・女性・専業主婦)
「電車内での仕事の電話。さすがに小声でという意識があるのかもしれないが、相手が聞き取りづらくないようにわざわざマスクをはずして通話しているので、本末転倒」(48歳・女性・会社員)
「マスクで息苦しいのか、フシューフシューという口呼吸の音がやたら大きい人がいて気持ち悪い」(40歳・女性・自営業)
「わざわざ声を出しながら大あくびをしている。なんのアピールなのかわからない」(52歳・女性・専業主婦)
●Komatta-OJISAN図鑑
くしゃみ爆発オジサン
生態
「ハッ…ハッ…」という身震いが爆発の合図。ハンカチでガードしないから、マイクロ飛沫どころか、目に見える飛沫も出しまくるよ!
飛沫だけじゃなく愚痴も飛び出す!?
オジサンの口元から出るものは、声も音もすべてがムダにデカくて不快……そんな女性たちの声に対して、オジサン側の反論を聞いてみた。
「くしゃみは生理現象。女性が不快かどうかは関係ない」(47歳・男性・会社員)
「自分の意思でどうこうできない。咳やくしゃみを無理に抑えると、こっちの身体にダメージが大きい」(55歳・男性・自由業)
「腹から声を出すのは仕事の基本だと教えられてきたし、そもそも会話の声がうるさいのは女性や若者も同じでは」(42歳・男性・会社員)
たしかにオジサンたちもやりたくて飛沫を飛ばしまくっているわけではない。とはいえ、「マスクをはずして大声でしゃべらない」「くしゃみをするときにはハンカチで口元を押さえる」など、最低限の配慮はできないものだろうか。
「迷惑行為をする人に、ルールを守ってくださいと伝えても、その行動が変わる率というのはあまり高くないんです」
と教えてくれたのは、公認心理師の塚越友子さん。
「調査によると、日本人がマスクをつける理由の1位は『ルールを守りたい』でも『感染を予防するため』でもなく、『他人の目が怖いから』でした」
ということは、周囲の迷惑目線で困った行為は減るの?
「残念ながらそうではなく、他人よりも自分の気持ちを優先してしまうのが、迷惑行為の難しいところですね」
オジサンの迷惑行為は一筋縄じゃいかないようだ。
お話を伺ったのは…… 塚越友子さん●公認心理師、臨床心理士、産業カウンセラー。2008年に東京中央カウンセリングを開業し、個人カウンセリングを行うほか、自殺予防や家族心理学、産業心理学、コミュニケーション論などの知見を生かし、メディア等でも多数活躍。
(取材・文/吉信 武)