「今回のお話をいただいたとき、五代さんという存在とのすごく不思議な、時空を超えた縁を感じました。偉大な先輩を再び演じさせていただけるのは非常に光栄なことだなと思いましたし、率直にとてもうれしくて興奮しました」
朝ドラの“五代”に固執しすぎないよう意識
朝ドラ『あさが来た』で世の女性たちに“五代さまロス”現象を巻き起こしてから6年。今度は『青天を衝け』で再び五代友厚を演じるディーン・フジオカ。大河ドラマは今回が初出演となる。
「ずっと大河は経験しておきたいなと思っていたので、念願が叶ったのはすごくうれしいですね。
しかも、五代さんと再会という形でできるのはなおさら。撮影現場は、みんながちゃんといい仕事をするために、人間として必要な休憩とかが、スケジュールにちゃんと組み込まれているんです。やはり質の高いコンテンツを作るには、こういう基本的な部分がすごく大切なんだって改めて気づかされました」
脚本は朝ドラと同じく大森美香が手がけているが、演じる上でこんなことに気をつけている。
「大森さんの脚本ということで個人的な感慨は深いんですが、まったく違うプロジェクトだと思って、朝ドラの五代さんに固執しすぎないということを意識しています。なので、衣装も今回のイメージに合わせて新たに作ったり、方言も朝ドラのときは関西弁が多かったと思うんですけど、今回は薩摩弁が基本で、そこに外国語をしゃべったりという感じです」
演じる中で、朝ドラとはひと味違う五代の魅力にも気づいた。
本当にいいんですか? ディーン自身も驚き
「撮影が始まって現在までの感想は、大河の五代さんって意外とワイルドだなと(笑)。特に囲碁を打ったいちばん最初の登場シーンが、野性味あふれる型にはまらないキャラクターとして描かれていて。
演じていても、立ち居振る舞いとか“本当にいいんですか?”って僕自身聞いてしまったくらい(笑)。朝ドラのときはこういう演技はなかったし、ここまで身も心も解放していいんだと気づかされてワクワクしました」
薩摩藩士としてパリ万博に参加し、のちに実業家となる五代。そのセリフに自身もハッとさせられることがあるそう。
「例えば、最初の登場シーンの“捨小就大”というセリフ。これは小を捨てて大に就くべしという意味ですが、仕事とか限られた時間の中で何かを達成しようとするとき、おのずと優先順位が発生すると思うんです。時にはリスクを伴っても、現実を真正面から受け止めて、前に進まなければならないときもある。
ほかにも、大森さんが書かれた脚本には素晴らしいセリフがたくさんありますが、五代友厚の今後を暗示させるような素晴らしいひと言だなって思いましたし、この先、どんな展開が待っているのか僕自身も楽しみです」
僕の癒しの時間
「水風呂に入っているときですね。サウナや湯船に浸かったとき、激しい運動をしたあととかによく入ります。20度よりは低いほうがいいですね。クールダウンすると身体の疲れとかが違うんですよ。あとは格闘技をやっているときか、この季節は乗馬もいいなって思います」
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合 日曜 夜8時〜ほか