直撃取材を受ける宮迫博之('20年7月)

このクマのせいで“宮迫クスリやってる疑惑”が、もう、ずーっとあったんです

 6月27日、お笑いコンビ雨上がり決死隊の宮迫博之(51)が自身のYouTubeチャンネル『宮迫ですッ!』で、昔からコンプレックスだったという“目の下のクマ”を除去する美容整形手術をしたことを告白した。 

 宮迫は「オカンもすごいですし、遺伝です」と話し、何度かチャームポイントだと思うことにしたというが、'19年の「闇営業」騒動のストレスから、目の下のクマだけでなく、ほうれい線も深くなり自らの顔を見て「びっくりした」という。

 宮迫が芸人としてブレイクし、その後“俳優”として数々のドラマや映画で活躍をしていた約20年前を振り返ると、肌こそ30代特有のハリがあるものの、目の周りは全体的に老けている印象が強い。また似顔絵にも、クマは宮迫の特徴のひとつとして、必ずと言っていいほど描かれている。

『東京ラブ・シネマ』制作発表での宮迫博之('03年)

 50歳を過ぎてもコンシーラーでクマを隠し続けてきたが、年齢を重ねるにつれて目立つばかり。次第に「頑固なクマだけど、取れるものなら……」と思うようになった宮迫は整形手術を決心し、ついにその顔にメスを入れたという。

 宮迫を執刀した、横浜TAクリニック院長・前田翔医師に話を聞いた。

執刀医が語る宮迫の美容整形手術

──宮迫のクマを見た第一印象は?

実際に拝見すると、コンシーラーを落としているということもあって、動画やテレビで見ていたときよりも、かなりくぼみがあり、脂肪のふくらみも500円玉大くらいある状態でした。

 お肌はとても綺麗でハリがあり、ぱっと見た印象では切除が必要なほど皮膚が余っていないように見えました。しかし、詳しく診察させていただくと、皮膚の余りがあることがわかりました。皮膚の余りがある場合、ふくらみの原因となっている脂肪を切除しても下眼瞼の皮膚がたるんだ状態で残ってしまう可能性があるため切開が必要となります。

 私が数多く行ってきたクマ取り手術の中でも宮迫様はかなり重い症例でした。切開するとダウンタイムが長くなってしまうため大変悩みましたが、ご本人の希望も汲んだ上で手術方法を決定いたしました

──クマを取る具体的な方法を教えてください。

「主に脂肪の切除や移動、注入をして凹凸を改善する治療と、皮膚の色味や余りに対する治療に分けられます。手軽に受けられる“ヒアルロン酸注入”はメスを入れる今回のような施術と違って軽い凹凸を整えるものですが、いずれ体内に吸収されてしまいます。 

 どうしてもダウンタイムが取れない方や程度の浅い方は、“ヒアルロン酸注入”で一時的に改善することは可能ですが、根本的な治療を望まれる場合や、症状の重い方は手術されることをおすすめしています

──宮迫はどのような施術をしたのですか?

ご本人の希望もあって“下眼瞼切開術(ハムラ法)”という術式を採用しました。ハムラ法はふくらんでいる部分の脂肪をくぼんでいる部分に移動させる、クマ取り手術の中でも技術が必要とされる術式です。それに加え、より細かな目の下の凹凸を整えながら、宮迫様が気にしていたほうれい線も同時に改善できる"脂肪注入術"も併せて行いました。

 ダウンタイムが長いことや術後の合併症等でほかの術式と比べると患者様への負担が大きく、心苦しいところもありました。経過が長い施術になるため、お仕事に制限をかけてしまう可能性もありますが、ご本人と二人三脚で経過を追っていきたいと思います

前田医師が“下眼瞼切開術(ハムラ法)”を用いて執刀した患者のビフォーアフター(提供/TAクリニック)

──当日、宮迫はどんな様子でしたか?

人生初の整形ということもあり緊張されているようでしたが、撮影になると明るく振る舞いさすがプロといった感じでしたね

 2時間30分に及ぶ手術で、長年のコンプレックスを解消した宮迫は現在ダウンタイム中ということもあり、術後の下まぶたは赤く腫れ上がり痛々しい様子。およそ2,3か月の経過期間を経てようやく完成形となるそうだ。

 昨今は新型コロナで強いられるマスク生活の影響か、整形手術を受ける人が急増している。中でも、クマ取り手術は希望する患者が多いという。

「マスク生活が続いている中で、顔の出ている部分として目周りに注目が集まりがちです。スマホやパソコンを長時間見ることで悪化するケースも多いことから現代病のひとつとも言えるでしょう。

 TAクリニックでもエイジングケア目的でご来院いただく方が増え、お化粧や皮膚科治療だけでは難しい問題(クマ、たるみ)に対する意識が高まってきていることを実感しています。

 “クマを取る”という言葉の印象的にも簡単な手術と思われがちですが、実は医師の技術が必要な手術です。美容整形でクマ取りをされる場合は、手術の腕はもちろん、しっかりとしたカウンセリングやアフターケアをしてくれる医師かを見極めることも大切です」

 抜糸を済ませた宮迫は、自らの顔を見て「クマ、全然ないな〜すごいな〜」と感慨深い様子だったという。テレビ界を離れ、YouTubeで活躍の場を広げ、若い世代とのコラボも注目されている宮迫。顔だけでなく、心身ともに“若返り”を見せている。

横浜TAクリニック院長・前田翔医師
お話しを伺ったのは……●前田翔(まえだ・しょう)●TAクリニックグループ統括技術指導医。香川県出身。日本形成外科学会認定専門医。香川大学医学部卒。社会保険中京病院形成外科、神戸大学病院、淡路医療センター等、計6年間、形成外科に勤務。顔面骨骨折治療や創傷外科、再建手術等を経験。2018年に国内最大手の美容クリニックに入職し、骨切りなどの大掛かりな手術からデザイン性を要する細かな手術まで、幅広く担当。現在は横浜TAクリニック院長兼グループ統括技術指導医を務める。