「伝説の家政婦」タサン志麻さんが絶品レシピを伝授!

 昨年放映され、話題を集めた『NHKプロフェッショナル 仕事の流儀 プロのおうちごはん』。その6回の放送が一冊の本として出版された(アスコム刊)。中では21名の食のプロがおうちでもできる名店のレシピを大公開。自宅で料理を作る機会が増え、毎日の献立に頭を悩ませている人も多い中、簡単にプロの味が家庭で再現できると大評判だ。

放っておけるレシピは、実は手間いらず!

 今回は、その中からタサン志麻さんのレシピとワザを紹介する。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でその仕事ぶりが放映されるや、年間最高視聴率を記録。出版したレシピ本は続々ベストセラーとなった志麻さん。彼女が提案する「ラクをしてごちそうを作る方法」のポイントは次のとおり。

タサン志麻さん

■ポイント1
「ラク=時短」と考えてしまいがちだが、簡単な仕込みで後は煮込むだけ。放っておけるレシピは、実は手間いらず。リモートで仕事をしながら手軽にごちそうが作れる。

■ポイント2
 在宅で、毎日3食家族全員のご飯を作る人も多い。たくさん作れるものは作り置きして、アレンジでラクをする工夫をしよう。

■ポイント3
 肉や魚の入った容器をそのまま使って調理したり、はかりの目盛りを工夫して、牛乳やはちみつをパックごと量ったり、洗い物を減らす工夫をするだけで、調理がずいぶんラクになる。

フライパンと鍋でやわらか!
オーブンいらずのローストビーフ

オーブンいらずのローストビーフ

<材料(4~5人分)>
*ローストビーフ
牛モモ肉(かたまり。アンガスビーフなど高価でないものでOK) … 400~500g
塩、こしょう … 各適量
サラダ油 … 適量

*ソース
赤ワイン … 100ml
コンソメキューブ … 1/2個 水 … 50ml
バター … 30g

*付け合わせ
インゲン、ブロッコリー、アスパラガス、たまねぎ、バター ※すべて適量

●志麻さんのメモ
「肉を休ませている間に、野菜スープ(記事内でご紹介)などもう一品作りましょう!」

<作り方>

1.肉を冷蔵庫から出して1時間以上置き、室温に戻す。

肉を冷蔵庫から出して1時間以上置き、室温に戻す

2.肉の表面の水分をふき取り、塩、こしょうを全体にすり込む。

☆ワザ
(1)肉の入っていたプラスチック容器の水分をふき取り、容器の上で塩、こしょうをすると洗い物減。
(2)肉のうまみを感じるために、塩味をしっかりめにつける。

3.フライパンに油を多めにひく。

☆ワザ
油の量が少ないと焼き色がきれいにつかないので注意。

4.肉の1面ずつに強火で焼き色をつけていく。まず、両端を手で押さえながら焼く。フライパンはソース作りに使うので、そのまま置いておく。

肉の1面ずつ強火で焼き色をつけていく

☆ワザ
なるべく肉を動かさず、強火で30秒~1分間ずつ全面にきれいに焼き色をつける。煙が出すぎたら、ときどき火からフライパンを離すとよい。

5.焼き色がついた肉をラップで二重にくるみ、厚手の密封袋に入れ、できるだけ空気を抜いて口を閉める。

焼き色がついた肉をラップで二重にくるむ

☆ワザ
ラップは水分が入らないよう二重に。

6.大きめの鍋に(5)がかぶるくらいの湯を沸騰させ、(5)を入れる。肉が浮いて湯から出ないように、皿などで重しをする。

肉が浮いて湯から出ないように、皿などで重しをする

7.再び沸騰させて3分たったら火を止めて、湯に入れたまま15分間置く。湯から出して、さらに15~20分間休ませる。

☆ワザ
肉を切るのが早いと肉汁が出てしまうので、十分に休ませる。

8.肉を焼いたフライパンを熱し、たまった脂を捨てる。

9.火を止めて赤ワインを入れ、余熱で火を入れる。

☆ワザ
フライパンに残った肉のうまみがワインに溶け込む。

10.再び火をつけ、コンソメ、水を加えて煮詰める。

11.分量が1/3くらいになるまで煮詰め、バターを加える。

12.肉を袋から取り出してそぎ切りにし、ソースをかける。

●付け合わせ

1.インゲン、ブロッコリー、アスパラガスを適量の湯でゆでる。

2.ゆで汁を少し残して捨て、バターを入れ、絡めるように軽く(1)を煮詰める。

3.仕上げにたまねぎのみじん切りを加える。

炒めた野菜の甘みがおいしい
具だくさんの野菜スープ

具だくさんの野菜スープ

<材料(2~3人分)>
たまねぎ … 1/2個
にんじん … 1/2本
キャベツ … 1/8個(または大きな葉 2.5~3枚)
じゃがいも … 小1個
ミックスビーンズ … 適量
ベーコン(薄切り) … 2~2.5枚
コンソメキューブ … 1~1.5個
塩 … 適量
オリーブオイル … 適量
※好みでこしょう

●志麻さんのメモ
「じっくり炒めた野菜は、年齢問わず食べやすく、好まれます。ミックスビーンズは、サラダに入れるのは嫌いな人でも、スープやみそ汁に入れると、よく食べてくれますよ」

<作り方>

1.鍋にオリーブオイルをひき、角切りにしたたまねぎを入れ、塩をひとつまみ加えてじっくり炒める。

2.炒めている間に、にんじん(たまねぎと同じ大きさの角切り)、キャベツ(少し大きめ)も切って、炒める。

野菜を炒める

☆ワザ
野菜は炒めてからゆでるとおいしい。

3.野菜がしんなりしたら、しっかりかぶるくらいの水を加え、強火にかける。

4.沸騰したら、アクを取って弱火にし、コンソメを加える。軽く沸騰するくらいの火加減で20分くらい煮込む。

沸騰したら、アクを取って弱火にし、コンソメを加える

5.にんじんがやわらかくなったら、じゃがいもの角切り(たまねぎと同サイズ)、ミックスビーンズを加える。

☆ワザ
じゃがいもは、水にさらせばさらっとした食感、そのままだと少しぽってりした食感に。お好みで。

6.じゃがいもに火が通ったら、1cm幅に切ったベーコンと、お好みでこしょうを加え、ひと煮立ちさせて完成。

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タサン志麻◎フランスの調理師学校を卒業。ミシュラン三つ星レストランの研修を修了後帰国。老舗フランス料理店などに15年勤務し、結婚を機にフリーランスの家政婦に。本格的なのに家庭で作れるレシピを提案。

【『週刊女性PRIME』MSNニュース限定配信記事】