《『ふざけんな』という気持ちです》
7月8日、RADWIMPSのボーカル野田洋次郎が、大規模野外フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL2021」の中止発表を受け、ツイッターで心境を明かした。運営者側が茨城県医師会の代表者から要請書を手渡されたことが中止のきっかけだという。
今回、同フェスに出演予定だったアーティスト「ONE OK ROCK」のTakaや「King Gnu」井口理、「サカナクション」山口一郎、そして「ASIAN KUNG-FU GENERATION」後藤正文なども同様にコメントを発表している。そのなかでも野田の文面はすさまじく、東京オリンピック・パラリンピックについても言及。
《有観客、無観客に関わらず五輪開催による感染者数の増加はすでにたくさんの専門家の意見でも明らかな中、開催は既定路線として進みました。その裏でこういった国内の産業やイベントが犠牲を払う図式にやりきれない思いです。(中略)五輪中、五輪後のイベント開催の中止を今要請するというのは、あまりに横暴に感じます。極めて個人的な想いとしては『ふざけんな』という気持ちです》
要請を出した茨城県医師会事務局は、医師会自らが「東京五輪に要請を出すステージにはない」とし、五輪開催の判断はあくまでもIOCや政府の問題だと主張。いっぽうで野田のツイートに集まった「いいね数」は16.3万まで伸び、大きな反響を呼んでいる。
ここまで野田が熱くなっているのには、ある人物が関係しているのではと夕刊紙デスク。
「言葉を選びながらも国に対する疑問をぶちまけている彼ですが、菅義偉首相と浅からぬ縁があるんですよ。実は、菅さんの息子さんと野田さんは中学・高校の同級生。部活動も長らく同じで、音楽仲間でもあったのです。過去に野田さん本人がそうしたツイートをしています」
2019年3月31日。まさに令和の幕開けを前に野田は、
《新元号の発表は菅官房長官なんだね。菅さんは俺の中学、高校時代の友達のお父さん。菅の家に泊まりに行くとお父さんが帰ってきてあれこれ酔っぱらいながら話をしてくれた。少し目が怖いけど優しい人だった。菅はずっと同じバスケ部だった》
といったツイートをしている。菅首相には3人の息子がおり、長男は総務省幹部への接待問題で話題になったばかり。野田と同級生だというのは三男にあたるのだろう。
「酔っ払いながら話をしていたとはいえ、当時の自民党中堅議員は今では内閣総理大臣。中学高校という多感な時期に、野田さんが政治について考えるようになったひとつのきっかけになっているのでは。
野田さんは以前から政治に関連するトピックについて、自分の意見を表明し続けているんですね。たとえば2017年には国会運営のあり方について、2019年6月には日本政府が大量のステルス戦闘機を購入したこと、そして消費税が10%にあがることなどについて国政への不満をツイートしています。
菅さんが首相になってからはしばらく政治関連の発信は見られませんでしたが、この4月に行われた3回目の緊急事態宣言に対して、ついに“行き当たりばったりの政策のように感じ気が滅入る”と発信。今回のツイート内容には、これまで溜めていた政治への不満が前回以上に色濃く反映されているようにも見えます」(前出・夕刊紙デスク)
野田の文面はこう締めくくられていた。
《僕は五輪に対して反対の立場ではありません。安全に無事開催されることを願っています。ここまで明らかで大きな矛盾の上で、僕たちはどう生きたらいいのでしょうか。いい加減『違う』ことは『違う』と声をあげていい時だと思います》
僕たちはどう生きたらいいのでしょうかーー。今回、野田が綴った想いを、“少し目が怖い”菅首相はどう受け取っているのだろうか。