清い戸籍のまま、アラフィフと呼ばれる年になった美女3人。そんな彼女たちがやっているのは“婚活アプリ”! ビギナーから10年選手の猛者まで、婚活アプリ体験を語ってもらった♪」
【ヤス子の場合】アラフィフ独女が知識ゼロで同世代アプリ男子と会ってみた!
わたしヤス子、47歳。絶賛婚活中☆ 40なかばを越えてめっきり出会いも減ったうえ、コロナで大打撃。重い腰を上げて、話題の婚活アプリを始めてみました。
まずは40歳オーバーで入れそうなマッチングアプリに登録! 知人が出会い、結婚した『Omiai』や40歳以上限定の『東カレロマンス』、デート目的アプリ『Dine』の3つに絞る。さぁカップル成立せねば! 翌日、自分のプロフィールに「いいね!」がいくつか来た。
その中に、黒肌とオールバックがひときわ目立つ47歳男性・年収5000万が。うさんくさ〜い、と思いつつもその年収に目がくらみ、「ありがとう!」ボタンをポチリ。これでカップルが成立だ。メッセージのやりとりもそこそこに、銀座のレストランで会う流れに。ドキドキ☆
当日、黒肌から“やっぱり新宿でもいい?”と連絡が。なんでも行きつけのすし屋があるという。もちろんおすし、だーいすき。新宿駅で待ち合わせ、柱の陰からそれらしき人を探していると、ええっ。昭和のホスト感満載のちっさいおじさんが登場だ! やべぇな……とりあえず合流。
黒肌とオールバックの男性、正体は「ホスト」
「ここが、ボクの贔屓です」
案内されたのは、まさかの回転ずし! 銀座がよかったな~。ひとまず入店。おもむろに“コレどうぞ”と紙袋を差し出す黒肌。中には容器が2つ? 開けてみると白身魚の南蛮漬けと貝の煮物が……
「僕、料理が得意なんですよ!」
イヤイヤ〜ごめん! 初対面の人の手料理なんて、気持ち悪いでしょ! ひきつった笑顔で受け取り、しばし無言。
「ボクこれから仕事なんですよね」
「あ、お店に出勤ですか?」
シレッと聞いてみた。
「そうです。同伴します?」
うん、ガチでホストの営業じゃん! 動揺しつつ“おごりですか?”と聞いてみる。
「いえ、1時間1万円です」
あーね……。ソッコー帰宅し、いただいた手料理は食材に謝りつつゴミ箱へ捨てた。
「ヤス子さんは素敵ですね。後をつけて帰りたいな……」
次は落ち着いた大人の男性にしよう、と59歳男性とマッチ。男性が指定してきたのは、GINZA SIXの高級鉄板焼き。いいね♪ 到着すると、そこには花柄ジャケットが強烈な、芸術家風おじさんと、テーブルの上にはなぜか大きな一眼レフカメラが。存在感を放つ黒いボディーを横目に食事開始。
男性は大手ホテルの経理を早期退職、コンサル会社を経営しているという。場を盛り上げるべく話題をふれど、口下手なのか一切盛り上がらず。沈黙のなか、彼はシェフが料理をしている姿をパシャリ、料理がくるとパシャリ。おそるおそる写真が趣味なのか聞いてみると
「まだ買ったばかりなんですけどね……。お店を出たら、ヤス子さんを撮ってもいいですか?」
え、絶対イヤです、と即答。さして盛り上がりもせず閉店時間に。このときばかりは時短営業に感謝した。食事のお礼を言い、帰ろうとすると
「ヤス子さんは素敵ですね。後をつけて帰りたいな……」
ひ~~、それはやめてください! (怖いから)男性が駅に行くのを見届け、買うものないのにスーパーに立ち寄り、何度も後ろを振り返りながら帰宅。その夜、男性からこんなLINEが。
《今日は本当にありがとうございました。心ときめくひと。時をまた与えてくださいね。それではおやすみなさい》
“心ときめくひと”って……。
マッチングアプリは、確かに出会いを増やすことはできるツールだ。でもさ、普通の人っていないの? それとも私のセレクトが間違っているの?? まだまだヤス子の婚活旅は続きそうである……。
●ヤス子的・このアプリはこんな感じ!
・マリッシュ
上半身裸など気持ち悪い自撮りプロフィール画像多め、年収も低めな印象
・Dine
面倒なメッセージ交換がないのが楽。ただヤリモクやママ活も多く注意が必要
・ペアーズ
婚活というよりは恋活や友達づくりなどのライトなノリ。初心者も始めやすい
・Omiai
年齢層も幅広くマッチしやすい印象。じっくりメッセージ交換したい人向き
・東カレロマンス
年収高めの男性が多いのに、なぜか無料会員が多くメッセージ交換がしづらい
※ヤス子個人の感想です
【アキ子の場合】アプリ婚活歴10年。恐怖体験から学ぶ危険回避の心得!
続いては婚活コラムの連載も持つ、自称「見た目はキレイなお姉さん系」アキ子のアプリ体験を直撃! アプリでのマッチング人数は1000人超えと、もはや婚活のプロ! とはいえ、匿名性の高いアプリの世界には、やはり不審な男性も多いらしい!?
「よく聞くのは国際ロマンス詐欺。私が怪しいと思った男は自称・米軍勤務の軍医。50歳で結婚歴なしだというけど、名前の綴りが『Logann』。エヌが2個って変だし、英語も怪しい。常にGoogle翻訳のコピペみたいなメッセージだし。
最終的に“会いたい”といったら音信不通に! どこの国の人だったのかな~。でもこの話をすると、友達の半数は“本物だったかもよ”っていうの。まさに肩書マジック!」
ちなみに国際ロマンス詐欺とは、ネット上で恋愛関係を築いたのち、家族や仕事のトラブルを理由に金銭を要求する詐欺のこと。プロフ写真はだいたいイケメンで、肩書も医者や弁護士などリッチな職業を名乗ることが多いので、浮かれずに判断を!
マスクをはがされて……
アキ子は3か月ほどやりとりして見極めているが、ヤリモク(ヤリ目的)男も少なくない。
「メッセの段階でにおわせてくる男は論外だけど、会った途端にキャラ変する男も時々いる。最近では1回食事してナシと思ったのがこのタイプ。“君の誕生日を祝いたい”とディナーに誘われ、初めて会った帰り道、彼が豹変!
「路地裏で壁ドンされて、私のマスクをはがしてキスされそうになった。彼いわく“食事代が2万円。ギブアンドテイクだろ”だって。即座に押しのけて猛ダッシュで逃げたけど、そのまま犠牲になった女性もいるんじゃないかな」
婚活アプリにも“恋活”(恋愛活動)という大義名分をかざして、肉体関係だけを楽しむ男性がまれにいる。
「でも、この手の男がいるのは、女性側にも問題がないとも言い切れない。私の知るリッチな男性陣は口をそろえて“アラフィフ熟女って性欲が強いよね”と言うんです」
彼女らがすぐに自分の肉体を差し出すのにはワケがある。お金も先行きもない熟女たちは既成事実をつくってでも結婚にこぎ着けたい、と考えているからだ。でも、
「彼らには金のかからないセフレとしか映ってない」
そんな婚活、切なすぎ! カラダを許すのは、互いの気持ちが伴ってからにしよう。
日常生活では巡り合えない人と会える
「あとは女性蔑視男。いきなりタメ口とかマウントとるとか。年齢問わず“女は格下。しかもアプリやってる女は最悪”って思う男も多い。自分もやってるくせに! 中でも印象的だったのが、酒乱の広島男。彼とはメッセのやりとりだけだったけど、内容がいささか女性蔑視。ある日“失恋したから愚痴を聞いてくれ”と連絡があって、それは失礼ですよ、と注意したの」
すると急に、中国語の長文メッセージが打ち込まれた。
「“え、文字化け?”と返すと“いまや世界の共通言語とも言える中国語も使えないのか、低能女が”ときた。さらにその後、英語でも長文の罵詈雑言メッセージが。さすがに頭にきて、アプリの運営会社にそのやりとりを全部訴えました。その後、彼は運営から注意喚起を促されて退会したみたい。ザマアミロです」
こういった詐欺師、ヤリモク男、変人などと出会ってしまう危険があるのは事実。その反面、日常生活では巡り合えない人と会えるのもアプリだからこそ。
「アプリで出会って結婚したアラフィフの友人もいる。私も過去に素敵な恋愛を楽しみました。踏み出さないと、得られない経験もある。私はこれからもマッチングして、出会いますよ☆」
●アキ子の【アプリ格言】
・アプリは修行、メッセージのやりとりは最重要と心得よ!
男性とのやりとりのために朝は1時間早く起き、夜は1時間遅く寝るべし
・プロフは写真が命!
男が見るのは写真だけ。文章は読まない。アプリごとのニーズを読んで写真のチョイスを変えるべし
・シングルマザーはモテる。が、ニーズの方向性に注意が必要!
「家事の達人」認定され、家政婦扱いになることも! マザコン男にも注意!
・失敗しても恐れない!
私のマッチング数は1000人、会ったのは200人。数うたないと当たらない。
【アサミの場合】婚活有名人が提言「意外とバレない」恐れず、毎日バッターボックスに立て!
最後は顔出し・実名で婚活コラムを執筆するアサミ。某出版社の管理職にも就いている“婚活業界有名人”だ。
「大勢の登録者がいるアプリで、自分好みの人を探し出すのはひと苦労ですよね。無駄な時間をとられないよう、私がしていることが2つ。まずは、自分をしっかりアピールすること。
写真掲載は絶対条件で、ヨリ、ヒキ、最低でも3枚はアップを! プロフは簡潔に自分の情報や理想の結婚スタイルを伝えて。アラフィフ男性であれば“一緒に楽しめる趣味”のアピールを。特にゴルフや、最近では自転車も男ウケします」
まずは毎日アプリを開くことが大切!
次に実践しているのが相手の見極め。顔写真のない男性は論外! 表情がしっかり見える写真の人だけ選ぼう。
「年を重ねた人間は顔に人柄が出るし、何より本気度がうかがえる。そして、すぐLINE交換をしたがる人はダメ。課金を抑えたいのはわかりますが、セコイ! それさえ払えない人が真剣に婚活しているとは思えませんね」
メッセージのラリーが1か月続いたら、実際に顔合わせ。アプリ歴は長いが、実際に会った数は少ないというアサミ。
婚活事情を実名で公開していても、アプリの中でバレたりしないの?
「アプリ内でも意外とバレないし、たぶんこういう仕事してなければ周囲の人たちも一切気づかない。安心して登録して始めてみて!」
まずは毎日アプリを開き、続けることが大切!
「継続することで審美眼ならぬ審“人”眼が鍛えられる。恐れず怖がらず、毎日バッターボックスに立つことを目標に頑張ってみてください」
コロナ禍以降は人との接触が制限されたこともあって、アプリ婚活はもはやスタンダード。これからの婚活、あなたもアプリを始めてみては?
●アサミ式・正しいプロフ写真の撮り方
・トップスは白でレフ効果
・首元や腕を上品に肌見せ
・大ぶりアクセで地味回避
・自然光が重要!
・背景は白、もしくは緑のある場所で
・大人は過激な加工NG!
「長年、女性誌の美容担当をしていた撮影テクを駆使して盛ってます!」(アサミ)
●清葉アキ子・フリーライター。女性誌時代に担当した恋愛企画で知識だけは豊富な46歳。それでも結婚を夢見てアクティブに婚活に勤しむ日々。数々のエピソードはウェブサイト『Suits woman』の「婚活サバイバル」で連載中。
●浅見悦子・ウェブサイト『OTONA SALONE』編集部長。サイト内で自らの婚活をつづった『40代編集長の婚活記』が話題となり、婚活コラムニストとしても活躍。『40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活』(小学館)がある。
〈取材・文/安川ヤス子、三輪順子〉