アルバム『THIS IS WHERE WE PROMISE』のリリース、全国で開催するトークショーとアリーナツアー、AAAとしてのドーム公演の振替をもってアーティスト活動を休止する與真司郎。ポジティブな言葉と明るい表情に満ちた彼も、過去には「人と比べてばかりいた」と振り返る。人生の半分以上をAAAのメンバーとして活動してきた彼が、過去、現在、未来、そしてグループのことから自身の恋愛観まで、すべてを語ってくれた。
~過去~
'05年のメジャーデビュー後、男女混合ダンスボーカルグループとして不動の人気を獲得してきたAAA。最年少メンバーである與真司郎は「男女メンバー全員が歌って踊るオンリーワンなスタイルが魅力」とグループ愛を語る。
「男女混合で大変だったことは特にないです。取材では女子メンバーが“着替えが面倒くさい”とか言ってたけど、俺は気にしてなかった(笑)。むしろ女子がいてよかったなと思う。衣装や写真選びなど、女の子の意見を聞けるのはありがたいです」
14歳でavexのオーディションに合格し、AAAとしてデビューしたのは16歳のとき。
「ただがむしゃらに頑張っていた」という10代のころは活動の規模がグレードアップするいっぽうで、精神的なストレスも大きかったと語る。そんななか海外の魅力にハマって英語の勉強を始めると、みるみる上達しメンバーを唸らせた。
「英会話を習いに行く時間がないから、ツアーの移動中に独学で勉強してました。当時は時間がなくて、海外旅行は年に2回行けたらラッキー。ある年のツアー最終日に、会場でシャワーを浴びてハワイ行きの飛行機に飛び乗った記憶があります」
デビュー10周年で渡米を決意した理由
末っ子ポジションでありながら、実は大の努力家。そんな與はAAA10周年イヤーを機に単身渡米を決意する。
「留学を決めたのは、いずれ海外に住みたいと思っていたし、もっといろんな人と出会いたいという気持ちがあったから。
10周年ツアー後の展開として、メンバーそれぞれソロ活動に力を入れるという話になったので、それなら自分は留学したいとマネージャーに相談したのが、ちょうど9周年のころ。反対する人もいたけど、グループ活動以外のところで時間を与えてもらえるなら、海外で人生の役に立つことをしようと思ったんです」
この決断が人生の大きな転機に。
「10代から20代前半のころは、人と比べてばかりいました。メンバーとかほかのアーティストさんと自分を比べて苦しかった。芸能界はわかりやすく数字が見える世界だし、上には上がいるから、そこに行けないことが悔しくて、もどかしかった。
でもアメリカに行ったら、誰もAAAのことを知らないし、フラットに俺のことを見てくれる。そういう人たちの考え方にふれて、比べる必要なんてないんだなと思えるようになった。LAでの生活がなかったら、こんなポジティブな人間にはなってなかっただろうし、ここまで人に優しくもなれなかった。LAにいる友達がいなかったら、今の自分はなかったと思います」
そして'20年、ドームを埋めるトップアーティストとなっていたAAAは活動休止へ。
「メンバーとスタッフとみんなで話し合いを重ねて出した結論だったので、心境としては冷静でした。自分の思いだけで進めることはできないし、自分の考えがすべて正しいわけでもないので、決まったことは受け入れて、違う楽しみを見つけていこうという気持ちでしたね」
~現在~
アメリカに渡って5年半。LAを拠点に、ライブやプロモーションなどの際には帰国。健康志向な生活を送りながら「自由に楽しく生きる」をモットーに仕事もオフも充実。今ではそのライフスタイルに注目が集まっている。
「ルールに縛られるのが嫌なんです。人に迷惑をかけてるわけじゃないので、否定的な意見があってもまったく気にしない。俺は自分の人生を楽しんでいるし、それに共感してくれる人がいてくれるから、出会ったことに感謝しながら、今すごく幸せに生きています」
音楽はもちろん、その率直で明るいキャラクターとともに與真司郎の生き方に憧れる人は多い。そんななか、アーティスト活動の休止が発表された。
AAAの活動休止で強くなった思い
「ソロ活動をどうしていくかというのは、AAAの活動休止が決まったときから考えてました。初めてソロでアリーナツアーをやらせてもらったときは、すごく達成感があったし、貴重な経験ができたなと思ったんです。でも、それはAAAという看板があったからできたことという思いがずっと頭にあった。
14歳で事務所に入ってから人生の半分以上を“AAA、與真司郎”として活動してきて、俺はやっぱり音楽活動は“AAA”としてやっていきたいという強い気持ちがある。グループが活動休止をするということは、目標がないまま音楽を届けるということに近い。それが、アーティスト活動の休止を決めたいちばんの理由です」
また、戻ってくる
約束する意味の作品
8月11日、アーティスト活動休止前ラストとなるアルバム『THIS IS WHERE WE PROMISE』をリリース。“僕たちの約束の場所”と題した今作に込めた思いとは。
「“アーティスト與真司郎としてまた帰ってくるよ”という誓いを込めて、最初にタイトルを決めました。1枚目のアルバム『THIS IS WHO I AM』 ('18年)は、自分のルーツである洋楽系の曲を集めた作品だったんですが、今回はジャンルも幅広く、日本語の歌詞を増やして、ファンのみんなに喜んでもらえるような曲たちを詰め込みました」
ファンへの思いを表現した表題曲は自身が作詞を担当。歌詞の“君のおかげで踏み出せるから”というフレーズが胸に刺さる。
「ここまで来れたのはファンのみんながいてくれたから。くじけそうになったときも支えてくれて、感謝しかないです」
AAAを彷彿とさせる『HONEY』のほか、プライベートでも親交のある青山テルマとコラボしたラブソング『好き好き好き』などを収録。つらい時期を乗り越えてきたからこそ届けられる音楽があるということを証明する今作。人生につまずいたときに、背中を押してくれるはずだ。
「『Follow Me』と『NEVER MIND』を聴いたらハッピーになれます。俺は落ち込んだときこそ明るい曲でテンション上げるタイプなので、みんなもこれを聴いて元気になってくれたらいいなって」
休止前最後のアリーナツアー(全国5都市9公演)が9月11日よりスタートする。
「ダンスも歌もズバ抜けてうまいわけじゃないけど、人を幸せにする自信はあります。感謝を込めて、みんながハッピーになれるライブにしたいなと思っていますので、ぜひ遊びに来てください」
~未来~
今年11月で33歳。気になる恋愛事情について聞くと、
「理想は、年をとっても手をつないで旅行に行けるカップル。昔はクールぶって“会うのは週イチでいい”とか言ってたけど(笑)、本当は毎日会いたいし、めっちゃ愛情表現したいタイプです。
イエス・ノーがはっきりしてて、好きなら好き、嫌なものは嫌って言う人間なので、相手もそういう人のほうが楽。自分を出せずに気を遣ったりして、後でバレてこじれるよりは、最初から素を見せちゃったほうがいいじゃないですか。お互いの価値観をシェアして、合わない部分は話し合って、ふたりでインプルーブ(改善)していく関係がいいなって思います」
気楽でオープンな付き合いを求めるところもまた、アメリカが肌に合っているのがよくわかる。
「うちに遊びに来て、洗面所を使った後に拭かなかったら「なんで拭かへんの?」って言いますよ(笑)。結婚? いい人が現れたらしてもいいかな、という感じです。子どもは好きだけど、甥っ子と姪っ子がかわいいから、それで満たされてる。今は結婚より、犬を飼いたい(笑)」
自分らしく楽しく
與真司郎という生き方
アーティスト活動休止後もグローバルな感性はさらに広がっていく予感。
「ツアーが終わったら、1年くらい世界を旅したい。行きたい国はほとんど訪ねたけど、クルージングとか楽しそうだから。自然も好きだから、メキシコとかも行きたいな」
それは“自分らしく楽しく生きる方法を探す旅”。美容や健康にこだわりが強く、潔癖な一面も知られているところだが、旅の荷物は意外にも少ないそう。
「洗顔や化粧水など、自分のルーティンのスキンケアセットがあればいい。旅先では短パンにタンクトップで過ごします。不衛生なのは嫌だけど、洗濯できる環境があればどうにかなるかな(笑)」
今後はSNSでの発信を継続しながら、自身のブランド『446-DOUBLE FOUR SIX
-』でアパレルやホームグッズなどを展開。ファンとの交流イベントも考えている。
「音楽とは違うかたちで、ファンのみんなに喜んでもらえるものを届けていきますので、楽しみにしててください」
これからも人生を楽しみながら軽やかに進化する與真司郎に期待したい。
「30代も楽しいけど、40代はいい感じで落ち着くらしいので、年を重ねるのが楽しみ。でも今すでにメンタルが安定しちゃってるから、40代は悟りの境地かも。そうしたら“與教”を開きます(笑)」
劣化しない秘訣!
こだわりの健康生活
10代のころから毎朝、青汁を飲むことは続けています。アメリカは健康志向の人が多いから、友達の影響で最近は乳製品をとらなくなって、ミルクはオーツミルク。あとは腸内環境を整えるプロバイオティクスのサプリ。
食事はシーフード中心+チキンで、牛と豚はなるべく食べないようにしています。でもトンカツとかチーズバーガーはたまに食べたくなるから、そういうときは我慢しない。もともとお酒は飲まないし、運動は毎日してるので、自分でも老けないなあと思います(笑)。
アーティスト活動休止前の最後のアルバム
『THIS IS WHERE WE PROMISE』8月11日発売
【AL+DVD(スマプラ対応)】初回生産限定盤 4400円、
【AL(スマプラ対応)】3300円 ※すべて税込み
●9月からアリーナツアーがスタート
『SHINJIRO ATAE ARENA TOUR -THIS IS WHERE WE PROMISE-』
詳細は公式サイト https://avex.jp/atae/
●AAA15周年ドームツアーの振替公演も決定!
『AAA DOME TOUR 15th ANNIVERSARY -thanx AAA lot-』
詳細は公式サイト https://avex.jp/aaa/