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 コロナ禍になり、他人と会うことがめっきり減った現在だが、感染を恐れずに不倫をする人たちがいる。いわゆる「コロナ不倫」の調査や相談ケースが多い総合探偵社株式会社MRでは、今回、不倫をしている35歳から60歳の男女180人にアンケートを行った(※2020年12月現在不倫をしている35~60歳の既婚男女180名に対し、アンケート回収方式を実施。株式会社マーケティングアプリケーション協力)。

「ホテルに直行直帰」がコロナ不倫の特徴

 いつ不倫を始めたか、どこで相手と出会ったか、不倫を始めた理由などがアンケート項目。MR代表取締役社長の岡田真弓さんは言う。

「アンケートによると、コロナ禍でも不倫をしている人の男女比は4対6で女性のほうが多く、彼らの平均年齢は48歳。私が探偵を始めた約20年前から比べると平均年齢は徐々に上がっています」

 現在アラフィフ世代の不倫数がダントツに多いのだ。リスクを冒してまで、なぜ人は不倫をするのか?

「コロナ禍になってからの不倫は、夫婦で家にいる時間が長くなり、些細なことでケンカをしたりすることによるストレス発散が原因。また、仕事を失ってやることがなく、寂しいといった単純な理由も多いです」

総合探偵社株式会社MRが行った不倫をしている35歳から60歳の男女180人にアンケート結果より(※2020年12月現在不倫をしている35~60歳の既婚男女180名に対し、アンケート回収方式を実施。株式会社マーケティングアプリケーション協力)

 コロナ禍になってから不倫を始めた人は、全体の29%で約3割にも及ぶ。コロナ禍の不倫の特徴は「探偵の不倫調査の時間が短くなったこと」と岡田さん。

「以前は、まず飲食店で食事をしてからラブホテルへというケースがほとんどでしたが、現在多くの飲食店が営業を自粛したり、お店に行って感染することが気になったりするためか、ラブホテルやシティホテルに直行することが多くなりました。なので、調査時間が短くなってラクになった部分もあります(笑)」

 時間もお金も節約できる“エコ不倫”ともいえる。

 次に紹介するコロナ禍でパートをクビになった主婦A子も、“エコ不倫”を始めた1人だ。

●50代主婦A子の不倫事例

 不倫調査の依頼者はA子の夫。パート勤務のA子は、コロナによる人員削減で失職し、暇を持てあますようになった。そのうち休日も携帯を手放さず、誰かと、やりとりしているA子の様子に異変を感じた夫が調査依頼をした。調査結果はクロ。

 A子は出会い系サイトに登録し、そこで出会った複数の男たちと関係を持っていたことが判明。夫がA子を問い詰めたところ「仕事がなくなって私にはやることがない。それなのに、あなたは忙しくて私を構ってくれない。寂しくてついサイトに登録して……」と、涙ながらに語った。夫がいない間に近所のホテルにサクッと直行していた“時短不倫”だったので、バレないと思っていたらしい。

 50代の女性が出会い系サイトやアプリで男性から求められるのかと疑問を持つ人もいるだろうが、ちゃんと需要はある。

総合探偵社株式会社MRが行った不倫をしている35歳から60歳の男女180人にアンケート結果より(※2020年12月現在不倫をしている35~60歳の既婚男女180名に対し、アンケート回収方式を実施。株式会社マーケティングアプリケーション協力)

 そうはいっても不倫相手との出会いはやはり職場が断然多い。50代女性の不倫相手も、パート先を含む職場の同僚が1位だ。同僚とは長く一緒にいることで恋心が芽生え、心も許せるので不倫に発展しやすい。この点は、コロナ禍前もコロナ禍も変わらない。

ひとり暮らしの女性が配達員と不倫!

 一方、コロナ禍ならではの不倫の傾向といえば、オンラインイベントやオンライン飲み会での出会いがグンと増えたこと、そしてなんとテイクアウトなどの宅配サービスの配達員と不倫をしている強者もいるそうで……。

「某デリバリーの配達員はエリアが決まっているので、毎回同じ人が家に来ることが多い。そこでルックスのいい男性と何度も会って親しくなり、不倫してしまうケースがあるようです」(岡田さん、以下同)

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 配達員とコトを起こしてしまったのは、夫と別居しているなどひとり暮らしの女性に多く見られた。

 このひとり暮らしの女性というのがなかなか厄介な存在だ。

 孤独を訴える女性の罠にはまったのが次の既婚者のB男のケース。

●40代夫B男の不倫事例

 依頼者はB男の妻。B男はホテルマンのため、コロナには人一倍敏感。看護師をしている妻は、職場で陽性者が出て濃厚接触者になってしまったので、感染を恐れたB男は勤務先のホテルに2週間泊まることにした。その後、妻はPCR検査を受けて陰性だったので、夫に安心して帰宅するように伝えたが、彼はホテルでの泊まりを続けた。

 不審に思った妻がB男の車にGPSをつけると、毎日とある住宅街に行っていることが判明。調査を進めると、同じ職場の独身女性の自宅にしけこんでいたのがわかった。相手に「1人で寂しい……」と泣きつかれ、その気になってしまったそうだ。それまで不倫などしたこともないまじめなB男だったのに、コロナで誰にも会えない孤独な女の誘惑に負けてしまった。

コロナがきっかけでマンネリ不倫を解消

 一方、コロナがきっかけで終わってしまった不倫もある。

 ズルズル続いた関係を清算したのがC子だ。

●50代主婦C子の不倫事例

 既婚女性50代のC子はスポーツクラブのインストラクターをしている。容姿端麗で明るい性格のC子は、スポーツクラブに来る年下独身男性と不倫関係を続けていた。コロナ禍になってからは、クラブで会えなくなったうえ、相手が異常にコロナ感染に怯えるようになり外で会うのも拒否される。付き合った当初は新鮮だった関係も、長く続くことで飽きてきたこともあり、C子から別れを告げた。「コロナが収まっても会うことはないと思う。いい機会になった」とサバサバと言う。

 コロナで終わる不倫関係はこのように遊び程度の軽い不倫が多いと岡田さんは言う。

「男性の場合なら、キャバクラやラウンジ勤務の女性と浮気していたのに、店が自粛要請で休業してしまうことも。しばらく会わないうちに、店の女の子との不倫関係は自然消滅というケースが多いようです」

不倫をする人間はどんなときでもする

 しかしコロナがきっかけとなって不倫をやめたとしても、油断はできない。

「不倫をする人は、震災後であろうがコロナ禍であろうが、どんなときでもします。不倫はある種の麻薬。経験した人ならわかるようですが、不倫の高揚感や楽しさは、一度味わったら忘れられないものなのです。秘密の出会いをしている後ろめたさがスパイスとなり、ますます燃え上がってしまうのですから厄介です」

 今は感染が怖くておとなしくしている人でも、ワクチン接種がさらに進んでコロナ禍が収まれば、また相手を探してさまようかもしれない。─不倫はいつの時代も蜜の味なのだ。

50代既婚ライターの
「はじめての出会い系アプリ」

 婚活のためにアプリを使うのは一般的になったが、不倫相手探しにも有効なのか? そこで五十路既婚の女性ライターが自分自身の鮮度を確かめるべく、アプリで相手を探してみた!

(1)不倫専門アプリでは名前と年齢を入れただけで「いいね!」が次々と……

 まずは不倫専門アプリ「P」にニックネーム、年齢、住んでいる地域を入れて初期登録してみると、写真も出していないのに「いいね!」が次々とくる。世の中にはこんなに不倫を求めている人間が多いのか……。下心丸出しなのが怖くなり、まじめな人が多い(といわれる)出会い系アプリ「M」にしようとアプリを変更。ここは基本的に独身者向け。早速スマホでアプリを入手し、自分のプロフィールを打ち込む。

(2)少し“盛った”プロフィールと写真を掲載

 全くのうそではないとしても、客観的に見て男性ウケするように“盛り”要素を加えてみた。例えば、趣味は料理で、性格は明るくて快活など。そしてできるだけ若く見え、可愛い雰囲気の写真をアップした。すると、実年齢を公表しているにもかかわらず、想像を上回るレスポンス、つまり「いいね!」があったのだ。思わず「モテ期到来か」と勘違いするほど。何歳になっても男性から称賛されるのはうれしいものだ。

(3)アプローチはほとんどがシニア世代から。もしや既婚者という相手も……

 ただし「いいね!」をくれた相手は玉石混交。50代後半から70代のシニア層からのアプローチが多かった。その中からよさそうな人を選んで、まずはメッセージのやりとりをしてみる。「(自分の)写真はメッセージをいただけたら送ります」とか、「平日だったら会えます」と言ってくる相手は、既婚者のような気がする。かくいう私も既婚者。アプリのやりとりだけなら、罪の意識が起きないのが不思議だ。

 ちなみに相手からはすぐにメッセージの返信がくることが多かった。シニアならばコロナで暇を持て余している、会社員ならばリモートワークで自宅にいるので比較的時間の制約がないのかもしれない。

(4)あまりにも年下の男性はメンヘラ傾向があった

 自分のモチベーションを保つためにも、好みの年下男性と数人メッセージのやりとりを継続したのだが、中にはめんどくさい男も。会ってもいないのに「ほかの人間とやりとりしないでくれ」と圧をかけ、私のアプリ使用履歴を監視する“束縛系”、メッセージの言葉尻をつかまえて私の人格否定をしてくる“モラハラ系”など。これではいくら年齢が若くて多少顔がよくてもうまくいかないだろう。

(5)現れたのはマスクイケメン、その素顔は……?

 そんな中、なんとなくよさそうな出会いはあった。家が近所で、マスクをかけた顔写真がアメリカ人俳優のジョニー・デップに似ている年下の男性からアプローチがあり、メッセージのやりとりを経て、会うことに。はたして待ち合わせに現れたのは、マスクを取ったら半魚人のような顔の男性……。

 私のテンションはダダ下がりし、話も弾まないので「人混みにいるのが怖いから」と言い訳をして約1時間で解散。確か彼は「デート費用は男性が払うべき」とプロフィールに書いていたが、私の反応の悪さからか割り勘となった。マスクイケメンが多いのもコロナ禍ならではか。

 メッセージの送受信などの面倒なやりとりを厭わず、写真とは別人が待ち合わせに来てもそれほど気にしないなど、こまめでおおらかな性格の人がアプリ不倫向きといえる。えり好みさえしなければ、不倫道を進むのは簡単かもしれないが──。

株式会社MR 代表取締役社長 岡田真弓さん
探偵歴は約20年。50人以上の探偵やカウンセラーを統率し、探偵学校も経営する。近書に『探偵の現場』(KADOKAWA)など。

(取材・文/楊美釈)