2005年3月、市村との結婚を問われてはにかむ篠原涼子

《親権に関しましては父の背中を見せて育てていきたいとの市村氏の希望と、父のようにたくましく育って欲しいとの私の願いが一致し、市村氏が持つことを子供たちとも話をしまして決定致しました》

 7月24日、篠原涼子と市村正親が離婚を報告。最近では連名による共同コメントが多い中で、それぞれがコメントを出す形式となったが、意外に思えたのが冒頭の篠原の文面。2人の子どもの親権を市村に渡したというのだ。

「たしかにこの数か月、主に子どもと暮らしていたのは市村さんのようです」とはスポーツ紙芸能デスク。

「昨年8月に2人の別居を報じた『女性自身』によると、篠原が都内の自宅から離れて高級賃貸マンションに移り住んだとのことでした。彼女の事務所は別居の事実こそ認めるも、不仲が原因ではなく、“撮影で大勢と接する機会が多いことから、家庭内感染を防ぐことが目的”だと。

 若々しいとはいえ、市村さんは72歳の高齢者だけあって、コロナ感染による重症化のリスクが高いのは事実。それでも納得のいく説明ではありませんでしたが、今回の離婚発表で“やはり”でしたね」

 同じく7月に離婚が成立した福原愛と江宏傑の2人も、子どもたちは夫ともに台湾に残ることに。「共同親権」という形をとりながらも、実質は夫への“譲渡”なのだろう。ただ、福原の場合は“不倫疑惑”が協議において何らかの影響を及ぼしたとも考えられるが、篠原も?

浮気の気配は今のところはありませんが、彼女に関しては“仕事を優先的にしていた”といった報道も多く見受けられます。一方の市村さんは子煩悩で、習い事も自ら自転車を漕いで送迎することも多かっただけに、親権は自然の成り行きだったのかも」(前出・スポーツ紙芸能デスク)

元は“略奪愛”カップルだった

 離婚原因はともあれ、2005年12月の結婚から約16年間で夫婦生活にピリオドを打った篠原と市村。24歳の年齢差ながら“おしどり夫婦”とも称されたが、もとはと言えば“略奪婚”とも囁かれていた。

 ふたりの出会いは2001年、舞台『ハムレット』で共演すると間も無く親密交際が報じられたのだが、13歳年下の舞台女優・八重沢真美を妻としていた市村。すると翌2002年に別居、翌2003年には離婚とトントン拍子に事は運んでいく。当時を取材した芸能ライターによると、

「市村さんは舞台のゲネプロ後に集まった取材陣に再婚報告をしたのですが、“彼女は神様からの贈り物です”とのろけていたのを覚えています。当時、八重沢さんが潔く身を引いたこともありますが、業界内外でも好感度が高い市村さんと篠原さんだけあって“結婚できてよかった”という雰囲気が作られていました」

 しかし、彼らの結婚に「反対」していたのが、2010年に71歳で他界した篠原の実父・勝雄さんだった。

「結婚は、反対だよ」

 2005年3月、篠原の結婚情報をキャッチした『週刊女性』が訪れていたのが、群馬県桐生市にある彼女の実家。

 篠原のポスターがいたる所に貼られた玄関。室内まで通してくれた勝雄さんは、愛娘の活躍ぶりには目を細めて嬉しそうに話すも、市村との結婚については頑なに口を閉ざしていた。ところが、長い沈黙を破って《結婚は、反対だよ》とこぼしたのだった。

 その理由を《まだ時期じゃない》と答えると、続けて堰(せき)を切ったように思いを明かし始めたのだった。

《やっぱり市村さんの年齢がちょっとね……。世間から見れば“年齢の差なんて”っていうかもしれないけど、いざ自分の娘のことになるとね……。25歳も離れてるんだよ。あと10年もすれば、今の自分と同じくらいになっているんだよ》

 勝雄さんとは10歳と違わない市村。「娘さんをください」と挨拶に来た彼のことは《男としてはしっかりした方だし、人間的にも誠実》と評しながらも、それでも夫婦となる行末には不安を覚えていたようだ。

《今はまだふたりともアツアツだし、お互い、周りが見えてないよ。結婚して2〜3年はいいかもしれないけど、先々のことを考えるとね。やっぱり、反対だな》

 改めて“反対”を主張していたが、結局は《最後には認めざるを得ないでしょう》と娘の気持ちを慮り、そして自身は体調を崩して入退院を繰り返していることも明かしていた。

2017年、子どもの習い事教室で送迎する市村正親

 早くに妻を亡くし、幼かった子どもたちを男手ひとつで育てた勝雄さん。パートナーに先立たれる気持ちと大変さを知っていただけに、「24歳差」を案じて娘を思って反対していたのだろう。

「それでも2008年に孫が生まれると、それはもう可愛がり、市村さんへの信頼も厚くなっていたそう。そして2010年に5年越しの披露宴を開くと、その3日後に勝雄さんは亡くなったのです。花嫁姿を見届けて、涼子ちゃんの幸せを願って眠りについたのでしょう。

 ただ、結局は勝雄さんが心配した通りの結果になってはしまいましたが……」(前出・芸能ライター)

 そんな夫婦の破綻を招いた原因は「やはり歳の差にあったのでは」と、指摘するのはテレビ局プロデューサー。

「ドラマの役柄の影響もあってか“デキる大人のオンナ”というイメージがありますが、本来の涼子ちゃんは奔放でどこか“隙”を感じさせる女性。独身時代は異性へのスキンシップも多く、勘違いしてしまう共演者やスタッフも結構いましたよ。

 今年で48歳になるとはいえ、まだまだ魅力的で女盛り。市村さんのことは俳優として尊敬できても、もう“男”として見ることができなくなったのかも。これも年の差婚の“弊害”とも言えますが……」

 亡き父への報告はもう済ませたのだろうか。