福原愛と大谷主水(夢多)

 元卓球日本代表の福原愛は7月初旬、江宏傑(ジャン・ホンジェ)との離婚が成立すると、すぐに東京五輪の現場で、解説者としての仕事に復帰した。そんな五輪開催中、福原は卓球女子団体戦の決勝当日に、中国の大手メディア『看看新聞』のインタビューに応じていた。

「同メディアの取材では、卓球女子代表の伊藤美誠選手や自身の現役時代について、また東京五輪の展望など、話はさまざまなテーマに及びました。

 ところが、不倫疑惑や離婚などが起きたこの1年間の出来事について、記者から質問を受けると、涙目で《キツかったです》と心のわだかまりを吐露していました。そうしたインタビューのなかで、特に議論を呼んだのが“これまでやってこれたのは中国人の皆さんのおかげです”という、発言内容でした。

 中国ではこのコメントに賛同するネットユーザーが多く見受けられましたが、台湾では“中国に媚びている”などと批判する声が相次ぎました」(スポーツ紙記者)

 福原の変わり身の早さに、日中台ではさまざまな反応が見受けられていた。

 こうしたなか、彼女に対して《見苦しいですね》とついに口火を切ったのは台湾で活躍する日本人タレントの大谷主水だ。テコンドーの元日本代表としても知られる大谷は2006年ごろから渡台。台湾のテレビ番組などで『夢多(MONDO)』の芸名で司会者・タレントとして活躍し、現地で有名な日本人のひとりでもある。
 
 大谷が自身の公式YouTubeチャンネル『夢多TV』に動画をアップロードしたのは、8月12日夜のこと。発言に政治的な意図はないとしつつも、福原の身の振りかたに言及。

《彼女は小さいころからスポーツばっかりやってきたから、恋愛になると真っ直ぐになっちゃうんでしょうかね。でも見ていて、気持ち良いものじゃない。いずれにせよ、あなたの前の夫(江宏傑)は台湾人ですよね、それにあなたにはスポンサー企業もいる。ここには責任があると思うんです

 と台湾における福原の立ち位置について説明すると、

《ここじゃ稼げない、しかもみんな批判してくる。それがわかったとたんに謝りもせず、いきなり東北弁(中国東北部の方言)かい? 台湾にいたとき、台湾語のマネしてませんでした?》と、中国メディアでの一連の発言内容をけん制。

 さらに、その直後『台湾版アップル・デイリー』(香港版は廃刊)の独占取材に応じ、福原が“東京五輪の解説ではいっさい台湾に言及しなかったこと、そして応援すらしていなかったこと”にも違和感を表明しながら、《台湾から離れてすぐに中国の番組で“ここまでやってこれたのは中国人の皆さんのおかげです”といった話をするのは、(台湾で自身を支持してくれていた)ファンやスポンサー企業を含めて傷つける行為ですね》ともコメントしている。

 2020年に台湾で発売されたフォトエッセイ『不管怎樣的哭法,我都準備好了(どんな泣き方だって、私は準備ができている)』で、福原はメディアとの付き合い方について《公の私と、プライベートの私を切り分けて自分を保っている》とも語っていた。

 自身の不倫疑惑を機に、メディア上での公私の棲み分けが難しくなってしまった福原。こういうときにこそ周囲がしっかり支えてくれていると良いのだが。