妻に不倫された夫の苦悩を描くドラマ『サレタガワのブルー』(TBS系)もいよいよ佳境に。主人公・田川の怒りも絶頂に。壮絶な復讐が期待されるが、現実にシタ妻、サレ夫はどう不倫を処理したのか。ドラマよりもえぐい? 現実のサレ夫4人に登場してもらいました!
本当にあったゲス不倫と復讐
女性向け漫画アプリで累計3億PV超えの大人気不倫漫画『サレタガワのブルー』が、7月より深夜ドラマで放送中。
誰もが羨む幸せな結婚生活を送っていた夫婦・田川暢と藍子。しかし、愛する可愛い妻が職場のエリート上司と不倫をしていることが発覚。さらに、相手のエリート上司も既婚者で、まだ幼い子どもがいるというゲスっぷり。不倫相手にのめり込み、どんどん本性を現し始める藍子に対し、不倫“サレタガワ”の暢が、復讐を決意し実行していくストーリーだ。
漫画やドラマの中であれば一種のエンターテイメントとして楽しめる内容だが、こういったドロドロの不倫・復讐劇は現実でも少なくないという。
「私の元へ相談にくる方は男女の割合でいうと半々くらいです。ドラマと同じように、“サレタガワ”である旦那さんからの相談も、最近は増えていますね」
そう話すのは男女問題研究家として、これまでに7000件を超える相談を受けてきた露木幸彦さん。その中から4つ、ドラマと同じく妻が不倫“シタガワ”のエピソードを紹介する。
性行為の動画を間違って子どもが……
職場は、不倫関係を持ちやすい場所として上位にランクインする。30代半ばの夫婦は、携帯の操作をうっかり誤ったことで妻側の不倫が発覚。
「市立病院に勤める看護師の奥さんが、同じ職場の医師と不倫していたケースです」
2人は外科で、同じ手術に入ることも多かったとか。
「不倫男性は行為中のハメ撮りが好きだったようで、卑猥な写真を自分の携帯端末に残し、看護師とも共有していました。その写真データを奥さんが誤って、子どもに使わせているお古の携帯と同期してしまったんです」
そんなものを見てしまった子どもの気持ちは、察するに耐えない……。わが子の携帯で自分の妻の不倫を知った会社員の夫は、すぐさま病院の職員課に相談。
「事の経緯を説明し、別れてくれないので困っていると。その際、“うちの妻は断っているのだが、相手がしつこく誘ってくる”というような言い方をしたと聞いています」
市立病院ともあれば、そこで働く職員は地方公務員。事態を重く見た病院側と市が、不倫相手の男性を別地方の病院へ異動させた。2人の接点を完全になくすことで、夫の復讐は成功したそう。
子どもを連れて不倫する妻
休みの日に出かけるには口実が必要。その口実に使ったのは大切なわが子だった。
「40代前半の夫婦でした。コロナが流行する前であれば、女子会やママ友の集まりなどと言えばよかったのですが、今のご時世それを理由にすることは厳しい。そこで奥さんは“子どもと買い物に行く”と、子どもを連れて不倫相手の元へ通うことを始めたのです」
6歳の子どもを連れて歩く男女は、はたから見れば平和な家族だろう。しかし父親に見える男は、赤の他人。
「奥さんが派遣社員として働いていた会社の直属の上司でした。同じ目標を持ち一緒に働いているうちに、男性的魅力を感じたそうです」
男性上司からすれば、自分の部下である彼女は手っ取り早く口説ける相手。男女の仲になるのはそう難しくなかったそうだ。
不倫に気づき、露木さんの元に相談してきた“サレタガワ”の夫には、
「謝罪をさせて慰謝料をもらうことをすすめたのですが、相手男性からお金は振り込まれたものの、不倫関係は継続中。さらには、奥さんは不倫相手に夢中で目がハート状態で、“親権は夫に”とまで言い出しています」
デートに連れ出していた子どもよりも、不倫相手をとった母親。現在、この夫婦は離婚協議中だという。
“母性”より“女性”を選んだ妻
どうも妻の行動が怪しい……そう思った夫は、探偵に妻の尾行を依頼。
「共働きの30代後半で、10歳の子どもがいる夫婦のケースです。基本的には定時で帰宅する妻が、ある時を境に特定の曜日だけ帰りが遅くなることが増えたそう。曖昧な理由を繰り返す妻を不審に思ったことがきっかけでした」
そのほか、子どもに接する厳しい接し方や通っているスイミングスクールへの送り迎えが疎かになるなど、子どもへの態度が雑に思える場面も。
探偵が妻の職場からの尾行を始めたところ、予想は的中。ラブホテルへ入る妻と男の姿が捉えられたのだ。そのほか証拠として、妻のIC履歴を駅の券売機で照会。普段使うはずのない目的地は、まさにラブホテルの場所だった。
いざ不倫を問い詰めると、反省や動揺を見せるどころか、“コソコソと探偵を雇うあなたのことが信じられない!”と激高したという。
「結局、このご夫婦は離婚されました。もともと夫は子煩悩な方で、離婚する際に出した条件は親権を自分がもらうこと。話し合いで、無事に親権をゲットしています」
母親であることより、独身気分に戻ることを選んだ妻。
「よく“母性”より“女性”が強い妻は不倫をすると言いますし、私の元に相談に来るケースもほとんどがそうです。
不倫相手となかなか会えないいら立ちを子どもにぶつけるケースは、聞いていても悲しいですね」
露木さんの元には、定年退職を迎えた男性からの相談も。50代の妻がパート勤務している介護施設で起こった話だ。
暴走する不倫相手
「相手は40代の介護施設の所長で、一緒に仕事をする時間が長かったそうです。仕事の合間、奥さんから夫に対する不満や愚痴を聞くうちに恋心を抱くようになりました」
恋愛経験が多くなかった所長は、年上の女性が自分を頼ってくれていると勘違いし、どハマり。男性の妻に「離婚して僕と一緒になってくれ」と迫るようになったという。
「さらには自宅へ押しかけ、夫に“僕のほうが幸せにできます。奥さんを僕にください”と直談判もしています」
そこまで突っ走るほど、所長にとって奥さんが魅力的だったのだろう。だが実は肉体関係は持っておらず正確には不倫とはいえないのだが、結末はどうなったのだろうか?
「当然、夫はその申し出を断りました。もともと夫婦仲は決して良好とはいえなかったようですが、奥さんが最終的に薄給の介護施設職員より、退職金や年金がしっかりもらえる夫の安定を選びました」
奥さんもそこまで自分のことを思ってくれる男性に悪い気はしなかっただろうが、現実的な選択をした。
「その後、夫はパートを辞めさせ連絡手段を断ち、フェードアウトさせています。ストーカー化を危惧していましたが、今のところ被害相談は受けていません」
ドラマもいよいよ佳境へ。不倫がバレても悪びれた様子を見せない藍子に対し、暢はどんな復讐を果たすのだろうか──。
最後に露木さんは、
「不倫できる女性は、お金と時間と体力に余裕がある人。今は女性の社会進出が進み、男性の草食化が進んでいます。このドラマのように、独身気分に戻って恋愛を楽しみたいと思う女性が増えてくるかもしれませんね」
(取材・文/高橋もも子)