「印象に残っている夏のヴァカンスって、そんなにないんです。夏休みが活動期間みたいなところもあったので」
NHK教育テレビの人気番組だった『天才てれびくんMAX』が開催したオーディションによって '09年に誕生したユニットDream5のダンサーとして芸能界にデビューした高野洸。当時、大旋風を巻き起こしていたアニメ『妖怪ウォッチ』のエンディングテーマ曲『ようかい体操第一』をグループが担当。その後の『ダン・ダン ドゥビ・ズバー!』『ようかい体操第二』と大ヒットし、 '14年の『第65回紅白歌合戦』への出場も果たした。
「ダンスが好きでオーディションを受けて、小学校6年生から7年間、Dream5でダンサーとして活動しました。当時、歌うことにも興味があってグループ活動で歌ってみたいなという気持ちもありましたが、その難しさはボーカルを見て知っていたので。簡単なことではないなと思っていました」
転機は、 '16年のグループ活動終了。俳優業に挑戦する中で、ミュージカルへの出演が増えていく。『スタミュ』、ミュージカル『刀剣乱舞』『ヒプノシスマイク』などの大人気2・5次元作品に出演する注目の俳優となった。
「ミュージカル作品に声をかけていただけるようになってから、本格的にボイストレーニングを始めました。だんだん歌うことに自信がついていったのは、舞台を見てくださったお客さんの反応がものすごく大きかったです。“今日はよかった”、“今日はちょっとダメだったな”という経験を積み重ねることで、たくさんのことを学ぶことができたと思います」
いつかと思っていたソロアーティストに
俳優としてソロファンミーティングを開催したことで、ソロアーティストという肩書が近いものになった。
「役に気持ちをのせて、独特の発声方法で歌うのがミュージカル。ソロアーティストは、どれだけ高野洸を出せるかというところにあります。ただ、舞台でもソロアーティストとしてステージに立つときも、歌詞を大切に、心をのせて歌いたいという思いは変わりません」
'19年にソロアーティストとしてデビュー。今年3月には初のアルバムをリリースし、初の全国ツアーもスタートさせている。表現者として活躍の場を広げている高野は、ニューシングル『Vacances(ヴァカンス)』を発売したばかり。
「“夏”という季節をテーマにした3曲を収録したシングルになっています。リード曲で夏の始まりを予感させるアッパーチューンの『サマービーツ』はツアーのアンコールで歌わせていただいたことがあって。コロナ禍でみなさん声が出せない環境ではあったんですが、大きな拍手で喜んでいただいている雰囲気を感じました」
歌詞は実体験から?
3曲すべての作詞をみずから担当しているのは、表現者として言葉を大切にしたいから。特に歌詞の制作で苦労した曲を聞くと、
「しいて言えば『tinylady』です。日本語よりも英語のほうがハマるなと思う部分があって、英語の歌詞を作るのが難しかったですね。でも、どの曲の作業も楽しいです。目をつぶって、メロディーを鼻歌で歌いながらどんな景色が浮かぶか1日中考えているときもあれば、ふとしたときに歌詞を思いつくこともあります」
『tinylady』は「飲み会の席で出会った女性と夜、ドライブデートをする」というイメージで作ったという。実際に体験したことか聞くと、
「違いますね(笑)。でも、少し願望は入っているかな。もし、僕がドライブデートするとしたら、歌詞みたいにアクセルを踏み続けることはなくて安全運転です(笑)。今でも東京で運転するのは怖くて。以前、家族旅行で沖縄に行ったんですけど、そのときは僕が運転を担当しました。でも、東京にいるとペーパードライバーになってしまいますね」
Dream5のときに1度。そして、 '18年にミュージカル『刀剣乱舞』のメンバーとして紅白歌合戦に出場している。次は、ソロアーティストとしての参加が期待されるが、
「2度の紅白出場は、運がよかったなと思います。どちらも作品の力をお借りしているので。3回目は、高野洸というアーティストとしてか、俳優として審査員席に座るか、どちらかで参加したいというのが目標です。
いろいろな役を演じることができる役者になりたいですし、アーティストとしても歌もダンスもピカイチでみなさんの心に響くものが発表できる人になりたい。だからこそ、いろいろな経験をして表現の幅を広げていきたいです。今の僕に圧倒的に足りないのは、恋愛経験かもしれないですね(笑)」
アーティストとして尊敬している人は?
三浦大知さんやNissy(AAAの西島隆弘)さんのようなパフォーマンス力を見習うべきだなと思っています。三浦さんは、以前、ご挨拶させていただいたことがあって。AAAさんは、中学生ぐらいのときにDream5としてライブのオープニングアクトをやらせていただいたことがありました。そのときに西島さんと少しだけお話しさせていただいて。いつか、おふたりに並べるように、もっともっと努力が必要だと思います。
コロナが落ち着いたら、どこに行きたい?
国内だったら、どこでも。できれば関東から離れたいです。海より山がいい。自然を感じられるように思うので。夏だと、花粉も気にならないのでいいですね(笑)。海外は、少し長い休みが必要な気がするので国内旅行から始めたいです。
5枚目のシングル『Vacances』発売中
【CD+DVD A盤】、【CD+DVD B盤】各2090円、【CD C盤】1320円 ※すべて税込み
『高野洸 1st Live Tour “ENTER”』開催中
◯たかの・あきら◯1997年7月22日生まれ、福岡県出身。B型。