綾瀬はるかが新型コロナに感染し入院していることが分かった。
所属事務所の発表によれば綾瀬は8月26日に抗原検査を行ったところ新型コロナの陽性反応が出て、一時は呼吸もしづらかったのだという。仕事が立て込んでいた綾瀬は、副反応の影響も考えてまだワクチン接種をしていなかった。
それにしても、芸能界で新型コロナ陽性者が続出しているのには驚かされる。複数で飲食をしたり旅行していた芸能人が週刊誌で報じられるたびに非難の声が集中、お詫びのコメントを出したりとその対応に追われることになる。そのため、ほとんどの芸能事務所が所属タレントに飲み会など「不要不急の外出はしないように」と通達していると聞く。
そんなことからスーパーやコンビニに食料品を買い出しに行くくらいで不要不急の外出をしている芸能人は本当に少ない、と写真週刊誌のカメラマンも話していた。
感染リスクの高いテレビ局のスタジオ
それでも、芸能人の陽性者が増えるのは、仕事現場で感染するリスクの高さにあると思われる。
スタジオで収録されるテレビ番組の場合、本番直前まで出演者はマスクをつけているが、本番でつけている人はいない。スタジオの出入りにはアルコールで手を消毒したり、出演者のあいだにアクリル板を立てたりなど、どの局でも感染対策をしているが、どこまで有効かは定かではない。
テレビの制作会社の関係者は“現場の空気”についてこのように語る。
「まずテレビ局のスタジオですが、天井は高く広さもかなりあります。ですが、コロナ感染対策で重要だと言われている換気に関しては完全とは言えません。演者自身は大勢のスタッフと接触しますし、たとえば窓のないメイクルームでお化粧なんかをするときはマスクをつけられませんからね。感染リスクは高くなると思います」
その点、ドラマの撮影現場ではある程度、意識の高さが保たれているという。ドラマ制作に携わる関係者は次のように語る。
衝撃の発言「PCR検査を受けるな」
「あるドラマの制作現場ではテレビ局が予算から費用を捻出し、『PCR簡易検査キット』を配布し、その場で検査をさせるといいます。それは演者だけでなく、制作会社のスタッフやメイク、スタイリストなど全員です。それも撮影期間中に定期的に行っています。演者もなるべく演技が終わればマスクを着用し、不用意な会話は控えるようにしていますし、綾瀬さんの現場もきっちりやっていると思います。
また、テレビ局サイドは現場に出入りするスタッフたちには“できるだけワクチンを打ってくれ”とお願いしていますね。とくに東京五輪の開催前はそういう働きかけが積極的にあった」(テレビ局員)
「制作しているすべての番組関係者に3週間に一度、必ずPCRを受けてもらっている」(別の局員)という現場もある。ただし、その局においても1ヶ月に数人のペースで感染者は出てしまっているという。
前出の局員は「クラスターが出ない限り大々的に発表はしない」と声をひそめていた。しかしながら、こういったルールはすべての局、すべての番組で同じように適応されているわけではない。
なかには、切羽詰まった制作現場の“劣悪”な実態も聞こえてきた。さる制作会社のディレクターはこう証言する。
「バラエティー・情報番組の制作会社のなかには、テレビ局サイドから“PCR検査を受けるな”との命があったところもある。理由は、ごく少人数のスタッフで番組を作っているところだと、人員が欠けると制作が回らなくなるから。“無症状で陽性者”が出て、その濃厚接触者のスタッフも自宅待機なんてことになると立ち行かなくなるんですね……。そんな常識外れの現場もあるんですよ。
そこのスタッフとドラマ班が局内で “すれ違う”、“エレベーターで乗り合わせる”なんてことはよくある。綾瀬はるかさんの感染経路もどこだかわかったもんじゃないと思います」
こんなカオスな状態では芸能人の陽性者が出るのを防ぐのは難しいと思われるが、重症者が出てこないことを願うばかりだ。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。