小倉優子(37)の出身地は千葉県だ。こりん星ではない。ただ、このネタのおかげで彼女は売れた。
小倉優子は「ウソ」で売れた人
そんな小倉が9月17日放送の『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)に出演。ぶっちゃけ話が売りの番組なので、ここに呼ばれること自体「いろいろあった」(小倉)証拠だ。この日はアンタッチャブルの柴田英嗣もいて、いろいろあった者同士、面白おかしくいじられていた。
小倉の場合の「いろいろ」は男性関係。最初の夫とは不倫された(しかも相手は彼女と同じ事務所の後輩タレント)のをきっかけに、5年半で離婚した。現在の夫とも、結婚から1年後の2019年末から別居中。先方から離婚を求められているが、彼女は復縁を希望しているという。
ちなみに、2度の結婚で生まれた男児が3人。事実上はシングルマザー状態である。
番組では復縁のために『やめたら幸せになる妻の習慣』という本で勉強中だと告白。そこには「男の人が帰ってきたら、小走りで玄関に行っておかえりと言う」などと書かれているらしい。が、別居中ではなかなか実践できないのではないか。
とまあ、相変わらずどこか抜けた感じの小倉だが、こんなことも言っていた。
「週刊誌とか定期的に載っちゃうじゃないですか。でもやっぱり、ウソもすごい多いからそれはイヤだなと思いますね」
スキャンダルのある芸能人としては、これも本音だろう。ただ、ちょっと違和感も覚えてしまう。彼女はある意味「ウソ」で売れた人だからだ。前出の「こりん星から来たりんごももか姫」という設定のことである。
実際には、千葉県から来たわけだが、この設定が不思議ちゃんキャラにつながった。同じころ、DAIGOも「星から舞い降りたロック王子」という設定の「DAIGO☆STARDUST」として活動。しかし、パッとせず、ブレイクできたのは“元総理の孫”という「事実」を公表したおかげだ。
DAIGOはのちに「ゆうこりんさんの設定にはかなわなくて」と語ったが、たしかに、こりん星ネタにはいじられるだけの面白味があった。肝心の本人がどこか抜けているので、ツッコミを入れて困らせるにはちょうどよかったのだ。有吉弘行に「ウソの限界」というあだ名をつけられたのも、その一例である。
ただ、本人も「ウソの限界」を悟ったのか、2009年の末に「こりん星は爆発しました」としてキャラ変してしまう。しかし、『ツマミになる話』でも、このネタはしぶとく生き残っていた。
彼女が「親に実家をプレゼントしたことがあるんです」と言うと「こりん星に?」と水を向けられ「あ、そうです」とリアクション。すかさず「こりん星は爆発したって言っていたのに」とツッコまれていた。
不毛なやりとりとはいえ、彼女にはこういうものが大事だ。この番組でも「今は自分の記事とか見ないようにしている」と発言したら、柴田から「面白いことが書いてあるから。それをネタにしていくくらいじゃないと」と言われていた。「そうですね。仕事につながればね」と答えた彼女だが、賞味期限切れに思われたこりん星ネタでも、まだ笑いはとれるのである。
むしろ、スキャンダルでしみついた生活疲れの印象をごまかす意味でも、面白くいじってもらうことが必要だろう。芸能人にとって、メディアは嫌うより利用するもの。そこで役立つのは、笑えない事実より、笑えるウソなのだ。