9月下旬、背筋をピンと伸ばし、ハッキリとした口調で直撃に応じた山崎努

《いちばん楽しいのは、夕食をすまして、これからの生活についてあれこれ相談するときです》

 妻との結婚生活について過去に『週刊女性』で語っていたのは、山崎努。当時は結婚10か月で、新婚ほやほや。時を経て、再来年には結婚60年を迎えるふたりは、今もゆっくりと愛を紡いで─。

「最近ドラマや映画で姿を見ないので、もしやご病気……と思ったら、奥さんが階段で転んで骨折し、山崎さんが献身的に介護しているというのでビックリしました」(テレビ誌ライター)

『女性自身』7月13日号で、骨折を機に弱った妻を支える山崎の姿が報じられた。2019年公開の映画出演を最後に、俳優活動を休業し、はや2年。

「山崎さんといえば、黒澤明監督の映画『天国と地獄』の誘拐犯役はすごい迫力だった。ただ、この映画の後に誘拐事件が多発して、国会でも取り上げられる社会問題に……。それだけ真に迫った演技をしたということでしょう」(舞台関係者)

 演技については、俳優たちからの評価も高く、

「あの渡辺謙さんは彼を“師匠”と仰いでいます。また、若手の林遣都さんや蒼井優さんらも、山崎さんの著書『俳優のノート』を“役者のバイブル”だと言っています」(スポーツ紙記者)

元宝塚女優の妻との夫婦生活

 実力派俳優たちの尊敬を集める彼は、ひたすら演技向上に邁進してきた。それを支えたのが妻の黛ひかるさん。

元宝塚女優のひかるさんは、朝は山崎さんを見送ってから仕事に向かい、夜は先に帰宅できるよう、結婚後は仕事をセーブしていた。山崎さんは自分の演技を見直すために、一時は一切の仕事を断っていたこともあるとか。でも、ひかるさんは何も言わずに働き、家計を支えていたそうですよ」(芸能プロ関係者)

ヘルパーに付き添われた妻のひかるさん(右)に寄り添い、杖をつきながら散歩に向かった山崎(左)

 ただ、時にはひかるさんが仕事で遅くなることも。

「そんなときは、山崎さんがお風呂を沸かし、布団を敷いて待っていてくれたんですって。昭和の男ってイメージなのに、意外ですよね」(同)

 互いを思い、歩んできた夫婦生活。しかし、今年で85歳になる山崎は、妻のため、このまま俳優活動を終えるのか。

 9月下旬、都内の自宅を訪ねると、ヘルパーに付き添われた妻に寄り添い歩く山崎の姿が。声をかけ、復帰について質問すると、

「復帰はしますよ。身体も元気ですから。これ以上は妻もいるので勘弁してください」

 そう話すと、妻を見守るようにゆっくりと歩いていった。

 実は復帰へのプランは着々と進んでいて、

来年放送されるスペシャルドラマで復帰予定です。主演ではないため、撮影期間も短く、介護との両立も可能です。“夫婦の時間を大切にしたい”という思いからの選択だったと思います」(テレビ局関係者)

 演技一筋だった男が、今は妻とこれからの生活について話す日々が続いている。