映画『燃えよ剣』で剣豪、沖田総司役に挑んだ山田涼介。人気アイドル&俳優としても活躍する矜持を初インタビューで!
驚愕の減量法
「僕は短期集中型。体質が変わりやすくて1週間で8キロ減量しました」
映画『燃えよ剣』で本格的時代劇に初挑戦した山田涼介。新選組を率いた早世の天才剣士、沖田総司役を演じたが、病に侵される役作りの減量法には驚嘆する。
「毎日サウナに行き、サラダを1日1食。ラスト3日間は食べず飲まず。気づいたら倒れていたこともあったけど大丈夫だったからここにいます(笑)。減量より体重を1日で5キロ戻すために油っぽいものをたくさん食べたことのほうがつらかったです」
沖田は幕末志士のなかでも人気が高い。
「オファーをいただいたときは時代劇の経験が少ない僕が?という思いはありました。でも役者として一度はやりたい役でした。
新選組はカッコよく描かれることが多くてファンも多い。その魅力が何なのか。完成した映画を見てわかりました。仲間に対する熱い思いと、その一方で組織におけるルールの厳しさや冷徹さがあって、そのコントラストが色濃く描かれているのが魅力的だと思いました」
主役の土方歳三を演じる岡田准一(40)は事務所の先輩。
「事務所の先輩というより、いち俳優としか見ていません。今回、共演してみてそのすごさに気づきました。撮影開始が朝5時、6時でも、その前にジムに行ったりして必ず身体を動かしてくる。(宿舎から)現場まで走ってくることもあって大変なスケジュールなのに、ちょっと考えられないくらい超人(笑)。
ストイックな方ですが、休憩時間におせんべいやチョコレートを食べているのを見たときは親近感が湧いてうれしかったです」
人気アイドルグループのメンバーとして活躍しながら、役者としても領域を広げている。
「芝居が好きなのでチャンスがあれば、また時代劇をやりたいし、どんな役でもチャレンジしたいです。
ただし自分でどんな作品に出たいとか役を決めちゃうと、そこにしか目が向かなくなります。いただいた作品に対してどうやってアプローチしていくのか考えている時間が好きなので自由でいたいと思います」
殺陣の練習で足袋を5、6足ダメにした
夢や目標も同様だという。
「Jr.のときはデビューしたいという明確な夢や目標があったけど、デビューしてからはそういうのは立てずに生きようと決めました。性格かもしれませんが、夢とか目標に引っ張られてしまい、そこしか見えなくなって自由が利かなくなるからです。
グループで成功したいというざっくりとした夢はあっても個人の夢や目標はないですね。いただいた仕事に全力を傾ける。そのほうが自分のスタイルに向いている。長期的に目標を達成するために何かをやるのは性に合わないみたいです」
自由でフラットな状態、さらに短期集中型は今回の減量や役作りに反映された。
「普段からジムに行ったりしてトレーニングはしていません。筋肉を落とすのは大変な作業なので、何もしない身体でいるほうが体重を増やすことも減らすことも楽です。食事もまったく気にしないので恵まれた体質だと思います。この先も続くとは思わないけど、そのときに考えればいいことじゃないかな。
殺陣の練習は撮影の3か月前から始めましたが、普通は破れないといわれた足袋を5、6足ダメにするほど練習しました」
その成果はスクリーンでチェックを!
京都でのオフの過ごし方
撮影は京都の世界遺産の神社仏閣で行われた。
「本物の場所での撮影は貴重な経験で、脚本に描かれた時代を生きている感覚にもなり身が引き締まりました」と山田。
京都でのオフは?
「四条通の街並みを歩くのが楽しかったし、お茶漬けがおいしかったです。(京都には)ジャージしか持っていきませんでした。マスクもしているので全然、気づかれませんでした」
模造刀をプレゼントしてくれたのは?
岡田はじめ鈴木亮平、伊藤英明ら大先輩と共演した。
「芝居に対する熱い思いがヒシヒシと感じられ、みんなが同じ方向を見て集中している緊張感のある現場で充実していました。伊藤さんには模造刀をプレゼントしていただき、それを使ってホテルの部屋で殺陣の練習をしていました」
『燃えよ剣』
司馬遼太郎原作の不朽の名作を映画化。幕末の変革期を疾走した新選組の土方歳三を主人公に男たちの生きざまを描く/10月15日(金)全国公開
配給:東宝 アスミック・エース/(C)2021「燃えよ剣」製作委員会