「国民のほうを見て、政治をやっていただきたいなと思います」
9月30日、出演するラジオ番組で岸田文雄自民党新総裁について私見を語った、俳優の石田純一。最終的に断念したものの、'16年には都知事選出馬を表明するなど、政治に関しても何かと“お騒がせ”な人物だが、昨年11月にはある計画を語って話題を呼んでいた。
「一部週刊誌の取材に対して“映画監督をやりたい”と発言。脚本を執筆中で、出演交渉をしてOKをもらっているキャストもいると話しました。全貌を語ることはありませんでしたが“撮影は、来年早々には取りかかりたい”と口にしていて、かなり意欲的な様子でした」(スポーツ紙記者)
キャストの具体的な名前は伏せながらも“すごい楽しみな配役”“あっと驚くような俳優さんもいっぱい”など、意気揚々と語った石田。息子のいしだ壱成も、直後のワイドショーで自らもオファーを受けたことを明かしていたが、計画に対する世間の風当たりは強く……。
「石田さんは、コロナ感染が判明した昨年4月に沖縄でゴルフをしていたことに加え、その後も外出する姿がたびたび報じられていて“危機意識がなさすぎる”と何度も批判を受けてきました。そんな中での“監督デビュー宣言”には、ネット上で《静かにしていればいいのに》《映画をナメんな》などの否定的な声が殺到。その後、作品についての情報はいっさい報じられていません」(同・スポーツ紙記者)
石田純一、映画の計画を語る
いまだ謎に包まれたままの監督計画。実は、石田が映画製作を口にしたのは今回が初めてではなかった。
「'07年、トークショーで“脚本を執筆中で、来年には映画の監督と演出に挑戦したい”と語っていました。'16年にも映画のイベントで“監督をやりたい”と発言。しかし、いまだ実現しておらず……今回の発言も、どこまで本気なのか不確かなところです」(映画ライター)
世間からの強い逆風を受けて、またまた頓挫してしまったのか……。10月上旬、プロジェクトの現状について尋ねるため、自宅付近で石田を直撃した。
─映画の計画は順調ですか?
「ええ、まあなんとか」
─資金集めはうまくいっていますか?
「大丈夫です。うまくいっております」
─内容はアクション映画?
「いや、スパイ映画です」
─息子の壱成さんにもオファーしたとのことですが、ほかの出演者は?
「…………」
─撮影は始まりましたか?
「…………」
詳細を尋ねると、途端に言葉を濁す。
─実はボツになったとか?
「いえ! 順調に進んでいますので」
─公開時期などの詳細は?
「まだ、そこまでは決まっていないですね。とにかく、映画は進行していますので!」
そう話すと、そのまま立ち去った。
息子・いしだ壱成にも話を聞いてみると
あくまでも計画は進んでいると主張した石田。さらに詳しい話を聞くため息子の壱成に尋ねると、製作現場の現在地が見えてきた。
「撮影は、実は全然まだなんです。現場の動きは止まったままなんですけど、少し前に父から“スポンサーがどうにかなった”という説明は受けました。なかなか直接は会えていませんが、たまに電話で映画の話をすると、一応進んではいるようです。今は撮影の一歩手前、台本ができあがりつつあるところかなと思います」
製作に向けた資金調達は順調な様子。壱成も出演するという話だが、役柄などは決まっているのか。
「具体的な配役はまだ聞いていません。主役だとか脇役だとか悪役だとか、細かい話はまだですね。“俺が撮るんだから出てくれよ”みたいな感じで(笑)。オファーは単純にうれしかったですね。“壱成には芝居をしていてほしいから”と言ってくれました。アジアのマーケットも意識しているみたいで、韓国の俳優さんを雇ったなんて話も聞きましたよ」(壱成、以下同)
直撃に対して内容は「スパイ映画」だと語ったが、いったいどのようなストーリーを思い描いているのか。
「コンセプトはもう決まっているみたいなんですが、そのあたりの話になるとギリシャ神話がどうとか、わりと宗教的・哲学的な話も入ってくるようで……。父は昔からかなりの読書家なので、いろんなところから着想を得ているんだと思いますが“最終的にはエンターテイメントにするよ”と言っていました」
なんとも重厚な作品ができあがりそうな雰囲気。ただ、“不倫は文化”発言などプレーボーイとして知られる石田には、ラブストーリーの印象が強いのでは?
「そういう世間のイメージを打ち破りたい……という思いがあるかまではわかりませんが、話を聞いていると、それとはだいぶ違ったものだなと感じました。“聖書から題材を拾ってきているんだよ”なんて話も聞きましたね。聖書だったかな? けっこう話が深かったので、そこは曖昧なんですけど(笑)」
かなりこだわっている様子だが、本人は出演せず、あくまで監督に徹するという。そこには、学生時代から抱き続けた長年の夢があった。
「ぼくが生まれたころ、まだ大学生だった父はアメリカに渡っているんですけど、最初は映画監督になりたくて行ったそうです。俳優としての活動は、向こうで演劇学校に入ってから。その後、トレンディードラマなどで活躍したことで間はあきましたけど、実は昔からそういった夢を持っていたみたいです。今回の計画も、少年のような目で楽しそうに話していましたよ」
野望に向け、ついに始動した石田。俳優としては長いキャリアを持っているが、息子から見て監督としての腕はどうなのか。
「パッと思った印象で言うと、すごく怖そうだなと(笑)。演技に関しては、厳しいと思います。自分も俳優としてやってきているし、ものづくりに対する情熱はすごいだろうなと。撮影現場では、ワンカットごとにこだわって粘りそうなイメージですね。エンターテイメントなんでどっちに転ぶかわかりませんけど、最近はちょっとネガティブな報道が続いてましたから、本当に応援したいなと思っています」
息子の言うとおり、近年は思わぬかたちで世間を騒がせてしまっている石田。一世一代の大プロジェクトを成功させて、夢の達成とともに汚名返上となるか。