《2021年8月13日(金)より販売を開始しております「ポメラニアン柄のルームウェア」に関して、当社と契約のない方の作品と酷似したデザインであるとご指摘をいただきました。》
《なお、事実が明らかになるまでは当該シリーズの販売は中止とし、今後の対応については協議の上決定させていただきます。》
10月11日、女性向け下着や靴下、ルームウェアなどを販売する『チュチュアンナ』の公式HP上で、同社商品に関する謝罪と販売中止を知らせるアナウンスがなされた。同社は、有名イラストレーターらとのコラボアイテムも販売。最近では『3時のヒロイン』とのコラボストッキングも制作している。
そんな『チュチュアンナ』に何が起きたのか。問題となった商品はポメラニアンのイラストが散りばめられたルームウェアのようだが、騒動の経緯をウェブライターが説明する。
「ツイッターで、とあるイラストレーターと思われるアカウントが《突然すみません!こちらのポメラニアンの部屋着シリーズの柄が私の描いたポメラニアンと酷似している件についてご連絡くだされば幸いです》と、チュチュアンナの公式アカウントにリプライしたことが発端です。
このアカウントは2019年5月に《ポメラニアンのトーンセット 作りました!》とデザインを先にツイートしていています。このデザインを“トレース”したかのような比較画像が拡散されると、“後者”であるチュチュアンナに対して“盗用”“パクリ”などと疑いの目が向けられて、ネット上で炎上したのです。この手の騒動はしばしばネット民の“燃料”になりますからね(苦笑)」
かつて『東京2020オリンピック』の公式エンブレムをデザインした、佐野研二郎氏に盗作疑惑がかけられたのが2015年のこと。「模倣や盗作は断じてない」と最後まで事実無根を主張した佐野氏だったが、自らデザインの取り下げを申し出た経緯がある。
「佐野さんのような有名デザイナーから“絵師”と呼ばれるネット上で活動する書き手まで、作品が発表されると必ず誰かが似たようなデザインがないかと“パトロール”するわけです。もちろん、中には“たまたま似てしまった”ものもあるのでしょうが、明らかなトレースとわかるものやソックリなデザインには盗用・パクリ疑惑がかけられて一斉に攻撃されます。
イラスト関連のほかにも、2020年12月にローランドさんとGACKTさんが立ち上げたファッションブランドでも、ドレスのデザインがネット上で他ブランドのものと“酷似している”と指摘されました。すると、ローランドさんはわずか4日間でブランドとの契約を解除することに」(前出・ウェブライター)
他のデザインにも“パクリ”疑惑が
インターネットの発展によって世界中のイラストやデザインに触れることができるようになり、一方で画像検索によって類似デザインを特定できやすくなった環境がある。そしてひとたび火がつくと、前述の佐野氏のように過去の作品までもが発掘されてしまう事態に陥るのだ。
現在、『チュチュアンナ』も同様に疑われている。問題となった“ポメラニアン”のほかにも、別商品に用いられた人物や犬、ウサギなどのデザインの“元ネタ”とされる画像が、同社のツイッターアカウントに次々と寄せらているのだ。
「『チュチュアンナ』は《現在、当該シリーズに関しまして、社内外関係者と事実関係の確認、及び今後の対応に関する協議を進めております。》と、ポメラニアン柄については調査しているようです。“パクられた”デザイナーには同社から返事があったようですが、納得のいく説明ではなかったようですね。ツイッターで《この件について終わったわけではないらしいですので様子を見ています》と、新たに投稿しています。
デザインの“盗用”があったのか、それとも“似てしまっただけ”なのか、対応次第ではさらなる炎上を招きかねないだけに動向が注目されます」(前出・ウェブライター)
今後はデザインの“見直し作業”をさらに徹底する必要があるのかもしれない。
※10月12日未明、『チュチュアンナ』公式HPにおいて、《商品デザインに関するお詫び、および返金のお知らせ》として調査結果と今後の対応を知らせた。デザインが酷似したことについては、同社デザイナーが担当したとして、
《参考とした作品については記録は残っておりませんでしたが、ご指摘を受けている当該作品が含まれていた可能性は高く、またデザインの類似の程度から当該作品の影響を受けて当社商品が作成されたものと判断いたしました。》
と、作品から“影響を受けた”と判断。“ポメラニアン柄”や指摘された別アイテムを含む対象商品を購入した消費者に対しては代金の払い戻しをするとしている。