現在、アメリカのLAを拠点にしている桃井さん。2015年に結婚した夫と暮らしているが、コロナ禍に突入すると、生活は激変した。
“つながること”の大切さを知る
「最初、LAは撮影もストップし、街から車が消えてレストランも閉まってしまって。自由に外出ができなくなり、旦那と家で食事をとるしかない日々に戸惑いました」
インスタは2017年から始めていた。誰にも会えず、撮るものもないので、ただ食事を載せることしか思いつかなかったという。
「でもインスタにアップし始めたら、日本からも『桃井も作ってるなら私も頑張ろう!』とか、『家も今夜はそれにする!』ってレスポンスがあって、どんどん同志ができたの。投稿を誰かが見てくれていることで、桃井も支えてもらっているというか……」
友人や仕事から切り離された桃井さんは、「明日のご飯、何にしよう」と思っているような主婦とつながりたいという思いもあったと話す。
「今まではあんまり人とつながりたいなんて思っていなかったの(笑)。コロナ禍だからこそ手にしたうれしい感触ですね。インスタに関しては、まあ、強いて言えば“無駄な発信”を心がけています(笑)。今は無駄話ができる友達ができた感じですね」
実は料理が得意な桃井さん。いつ見てもインスタには野菜たっぷりの料理が投稿されている。そんな彼女には食に関するセオリーがある。
「基本的にフードロスは出しません! もともと日本とLAを行き来していたので、よく野菜が余りそうになることが多くて。そんなときは、お漬物やスープにしたりして、頑張って食べ尽くしますよ」
食べたいものは自分で作る
さらに「食べたいものを食べる」というのが絶対のセオリーだ。
「桃井たちはその日のご飯がおいしければ幸せ。桃井は『桃井屋』のオーナー兼コックだと思って毎回作っているんですよ。それもうちは今、常連さんがたった1人(旦那です)なんで、同じ料理を出すときはお皿やテーブルクロスを変えたり、提供の仕方を変えて必死で営業しています(笑)」
特に日本食は自分で作る。インスタをまとめた書籍『かおり的家ご飯』でも、渡米前に習ったワザを披露している。
「基本、日本食は外食ではなく家で食べるというのがわれわれ夫婦のスタンス。特にお蕎麦が好き。おいしいお蕎麦が食べたくなると、どうしてもホームシックになるので、こっちに来る前に、蕎麦を習ってきたんですよ。ついでにお寿司も握ります」
最近は夫婦で食事をとる回数が1日2回に。
「1日3回、ご飯を作るというのは結構な労力と愛情も必要。いつも『あと何年生きられるんだろう』『10年くらいだと思っとこうよ』って2人で話しているのよ(笑)」
いつまでも若々しい桃井さんに、食生活で気をつけている点も聞いてみた。
「ゴボウやひじきとか、日本では見向きもしなかったし、サラダも一切、食べなかったけどLAに来てからはすごく食べるように。あと、料理するときは油と塩は少なめです。健康のため、バターと砂糖はうちには置いてないです」
生活にメリハリをつけることも心がけている。
「何もない日も7時にはとにかく起きて1日を始める、って感じでしょうか。あとは、旦那と屋上でストレッチをしています。最近始めたのはスペイン語の勉強。前にメキシコ映画に出たんですが、断捨離してたらその台本が出てきて。あのときは意味をほとんどわかっていなかった(笑)。今、やり直しているとこです」
インスタでも好評だった料理とコメントをご紹介。「作ったことないものを作ってみるのも飽きなくて楽しいの」(桃井さん)
夫のリクエストに応えてみた!
ロックダウンになってから、桃井さんは夫の「あそこのアレが食べた~い」に挑戦。試行錯誤をしながらも“絶対舌”を持つという夫のリクエストに応えるのはさすがです!
サンドイッチ
「昨夜食べすぎた! ので“なんか野菜で、トーストみたいなさ~”なるオーダーなのでキャベツとブラックフォレストハムの温かサンド。十分ガッツリ“トマトスープお付けしますか?サービスですけど”“だったらトマトつけて~い”だってさ。」(2020年6月8日)
キドニーパイ
「“ロンドンパブ行きたいな~”って唸ってる旦那。だからステーキ&キドニーパイ作ってみました。スジ肉のビーフシチューにマッシュドポテト+キンピラ下に敷いてみたら最高です!!」(2020年7月21日)
お茶漬け
「お茶漬けでといわれ。メインは朝取れの茄子の塩もみなんて予定。でも浮かれて写真撮るの忘れた人~誰だあ~!!」(2020年6月24日)
毎日、元気!しっかり朝食メニュー
「その日のご飯が美味しければ一日どうにか幸せなんで……」と桃井さん。バラエティー豊かな朝食が元気の源。
贅沢な朝食
「炊きたてごはんでトロの刺身、生ウニ、いくら、椎茸、さやえんどうのお吸い物。“朝から贅沢だね?”“まだまだがんばれ! 自分だからね”美味しい家ご飯で乗りきろう!」(2020年4月5日)
旅館風の朝食
「自主的に2週間籠る気であと5日と思ってたら、今日から外出制限ですと、、、なのに5時に起きるのはなに? 朝食は鮭でーす。気分だけでも出掛けよ~旅館で朝御飯いただきまーす。」(2020年3月21日)
なべ焼きうどん
「時差のせいもあって、一日一食になっちまってるんで朝からなべ焼きうどん、生姜たっぷり花巻蕎麦。出前の感じで“毎度!”なんて出してみる。主婦も大変だあ。」(2020年3月24日)
必ず好評! 桃井家の人気メニュー
「誰かがインスタを見ててくれている。ご飯作りを頑張る同志ができて、自分も支えてもらっていた」と桃井さん。書籍の中から、特にインスタで人気だったメニューを集めてみました。
手作りピザ
「初めてピザ生地からやってみました。大セイコー。旦那は明日も食べる~!!って。明日は庭のチムニィ~で焼いてみる~」(2021年1月17日)
桃井風中華定食
「花山椒いっぱいの激辛麻婆豆腐。春巻き、おこわ、ヨモギのゴマ和え。」(2020年6月28日)
ローストビーフ
「スモークドローストビーフ~!! ツマミで楽しんだら握ってみました(ホースラディッシュorわさび柚子、辛子紫蘇ちょいのせ)」(2020年11月23日)
オープンサンド
「サンドイッチとトマトスープ、ゆっくりお庭でいただきまーす。皆どうしてる? まだご飯作ってる、繋がってるかな?」(2020年7月6日)
餃子の皮ピザ
「今日の桃井BAR。餃子のかわでプチピザ作ってみました。仰せの通りもっとも好むピザ生地です。やるべし。」(2020年6月21日)
楽しんだもん勝ち♪イベントメニュー
クリスマスにお正月、結婚記念日など、特別な日は大事にしたいもの。桃井家では、腕によりをかけたスペシャル料理が登場。まるでレストラン!なメニューをご覧あれ。
《サンクスギビングデイ》いなりずし
「Thanksgiving dayはありがた~いことにお友達のカメラマンの家で過ごします。桃井家からお持たせ寿司稲荷も今年はラップに包んで。」(2020年11月27日)
※サンクスギビングデイは11月の第4木曜日に行われる、アメリカでもっとも重要なイベント。日本語では感謝祭と呼ばれる。
《結婚記念日》ステーキ
「出かけられないんで、旦那さんがステーキ焼いてサラダも作って結婚記念日致しました! もうステーキなら一番美味しい!となると、どこにも行かなくなる。じゃないか。」(2020年6月5日)
《お正月》おせち
「今年は二人だけなんで。マス技駆使してちょこっと多種類。」(2021年1月2日)
《クリスマス》カニ&ローストビーフ
「今年だからこそXmas Dinner~!! 蟹~!! 他にもいっぱい有るよ~。ローストビーフもいいできです。」(2020年12月26日)
桃井流おうち時間の楽しみ方
LAがロックダウンしたことで、おうち時間が増えた桃井さん。屋上を改装したり、自分好みのカバーを作ったりとできることをしながら全力で楽しんでいるのはさすがです!
「以前は、八ヶ岳で本格的な畑を作ってみたことも。LA畑では、根付きほうれん草の根っことかをお庭の隅に植えていたら、ドンドン増えて。今、桃井家の畑には、シソ、あさつき、バジル、トマト、みょうが、ナス。そのあたりが育っています」
屋上のBAR
屋上雨漏り工事が終了し、スタンディングバーが完成!
畑
知らない間にトマトが育っていたり、育つのを見ているのも楽しみだという。
手作りカバー
LAにいると何か作りたくなるという桃井さん。ソファカバーをカーペット6枚で縫い上げた。
(取材・文/鈴木晶子)
初出:週刊女性2021年11月2日号/Web版は「fumufumu news」に掲載