野中美希を演じる峯岸みなみ

《私が演じる野中美希は一見ものすごく嫌なやつで「こいつムカつく~」となるキャラクターですが、見ているとだんだん愛着が湧いてもらえるようなかわいらしさも残るといいなと思いながらお芝居させていただきました!》(『TV LIFE web』より)

 視聴者へのメッセージをこう語るのは、峯岸みなみだ。

「日本テレビ系で放送中のドラマ『アンラッキーガール!』第4話にゲスト出演するんです。このドラマは、主演の福原遥さんを中心に、“世界一不運”な3人の女性たちが、幸せを掴むため奮闘する物語。峯岸さんは、素顔は性格に難ありな、清純派アーティストの野中美希役を演じます」(スポーツ紙記者)

まさかの名前被り

 ドラマのSNSでも、峯岸の出演が告知されたが……。

「実は、アイドルファンの間で、物議をかもしているんです。原因は、峯岸さんの演じる役名が、ハロー!プロジェクトの老舗アイドルグループ『モーニング娘。'21』に実在するメンバーの氏名と完全に一致していること。番組のSNSには、抗議のリプライが集まり、告知ツイートは削除される事態になりました」(同・スポーツ紙記者)

 モーニング娘。'21の野中美希は、'14年に加入した12期メンバーである。

「アメリカに住んでいた経験のある帰国子女で、英語が堪能。さらにピアノも得意で、自ら作詞作曲した曲も披露することも。

 近年は歌唱力もメキメキと上達していて、8月にテレ朝チャンネル1で放送された、ハロー!プロジェクトのメンバーがソロで歌唱して、歌やパフォーマンスを競う『ソロフェス!2』というテレビ番組では、MVPを獲得しています」(アイドルライター)

 実力派の中堅メンバーなだけに、ファンも複雑な思い。

「……配慮が足りないですよね。“性格の悪いアーティスト”という設定の役名で、元AKB48の峯岸さんが演じるなんて、制作サイドに悪意があったような気もしてしまって……。モーニング娘。'21の野中さんを知らない人に、誤解を与えるようなことにならないとよいですが……。それに、峯岸さんはラジオ番組でもハロプロについて語るほどのファン。名前がまったく同じだって気づいていてもおかしくないんですけどね」(ファンの女性)

 峯岸の出演告知から2日後、番組公式ツイッターとホームページに、次のように謝罪文が投稿された。

《10/28(木)放送の第4話に登場する女性アーティストの役名が、実在するアーティストのお名前と一致することが判明しました。番組では役名を変更せず放送いたしますが、双方のファンの皆様にはご心配ご迷惑をおかけいたしました。ここにお詫び申し上げます。》

 この謝罪も、結果的に火に油を注ぐことに。

「要するに“モーニング娘。'21の野中美希さんのことを知りませんでした”と言われているようなものですからね……。たしかに、今のモーニング娘。'21は、“黄金期”と呼ばれる後藤真希さんや辻希美さんなどが在籍していた時代に比べると露出は少ないです。

 それでも、昨日や今日に加入したメンバーではありませんし、ネットで検索すれば出てきます。制作サイドがここまで1人も気づかなかったなんてことがあるのでしょうか」(前出・ファンの女性)

テレビ局は「チェックミスが原因」

 次回予告からは“野中美希”の名前が削除されたが、4話は予定どおり放送される。

 エンタメ事情に詳しいフリーライターの大塚ナギサさんによると、このような“名前被り”は珍しいことではないそう。

「ドラマや映画であれば、原作の時点で被っているケースもあります。ただ、今回のドラマのようにオリジナルの作品であれば、撮影前に名前が被っていないか調べることが多いでしょう」

 とはいえ、防ぎきれない場合もある。

「フジテレビ系で今年1月から放送されていた『シンデレラはオンライン中』の主人公は“有沢(ありさわ)一花(いちか)”という役名でした。

 今年7月にハロプロ研修生から『Juice=Juice』に加入した有澤(ありさわ)一華(いちか)さんと、漢字は違いますが同姓同名です。グループへの加入が、放送より後なので、脚本を書いている段階では検索してもヒットしなかった可能性があるため、仕方ないケースと言えるでしょう」(大塚さん、以下同)

 それでも、対策は必要だという。

「事前に名前被りをしていないか、確認するのが普通だと思います。それは役名に限らず、バンド名やグループ名なども同じこと。一般の方なら、子どもにつけようとしている名前が、有名人や犯罪者とかぶっていないか、検索する人も多いのではないでしょうか。今回のように印象の悪い役柄の場合は、万が一、名前が被った相手に影響が出る可能性もあるので、気を配るべきだったと思います」

 なぜこのような事態が発生してしまったのか、『アンラッキーガール!』を制作している読売テレビに問い合わせると、

「番組に登場するアーティストの役名が実在するアーティストと同姓同名になったのは、弊社の事前のチェックミスが原因です。双方のファンの皆様および視聴者の皆様を混乱させることになり大変申し訳なく思っています。

 双方の事務所や関係者にご説明したうえで、弊社の判断で役名を変更せず放送させていただくこととしましたが、二度とこのようなことがないようチェック体制を強化いたします」(広報部担当者)

 との回答だった。

 峯岸、野中それぞれの所属事務所にも問い合わせてみたが、第4話の放送前までに回答はなかった。

 いちばんアンラッキーなのは、いらぬ反感を買ってしまった峯岸かも……。