「“倖田來未=キューティーハニー”のイメージを持っている方も多いと思いますが、23歳のときの楽曲で15年以上たちました。そこからいまでは結婚して母になり環境や心境も変わり、音楽やエンターテイメントに対する思いもアップデートしています。新しい角度で倖田來未を知ってもらえる1冊になったらうれしいです」
2000年にデビューし“エロかっこいい”と一世を風靡、アーティストとして第一線を走り続ける倖田來未がデビュー20周年を記念したフォトスタイルブック『WALK』を39回目の誕生日を迎える11月13日に発売する。
30時間以上に及ぶロングインタビューは幼少期から芸能界入り後の下積みと大ブレイク、突然の結婚発表に子育てなど公私にわたる秘話や妹のmisono(37)との対談などを収録。さらに30体の衣装と100枚以上を撮り下ろしした中からの厳選ショットをはじめ、手料理など家庭生活も垣間見られるプライベート写真を大公開している。
『倖田式』『倖田來未流 美ボディの習慣』などの著書があるが、それらを越える力作だ。
「プライベートを明かすことやいろんなことを掘り下げていくことに葛藤もあったけど、20年を総まとめする濃厚な本になりました」
タイトルに込められた“想い”
タイトルには原点回帰が込められている。
『walk』はファーストアルバム('02年)の収録曲で、コンサートツアーではライブを締めくくる定番ソングとしてファンに支持されている。
「ツアーでファンに感謝を伝えるための曲として作りました。デビューから4、5年後にツアーができるようになって一度だけ最後に歌わなかったときにファンの方から“walkで終わってほしい”というアンケートが多くて、私だけでなく一緒に成長して、歩んでくれているファンの方にとっても原点に返ることができる楽曲だと感じました。
デビュー当時は1曲ヒットさせて10年歌わせてもらえれば最高と思っていたけど、気づいたら22年目に突入。これからも音楽とともに歩き続けていく気持ちと、ファンの方への感謝を込めてタイトルにしました」
大先輩の姿に感銘を受けて
30代最後を迎える心境は?
「サンキュウ(感謝)ですね。思い描いていた39歳は、もっと大人っぽくて仕事もセーブして家でゆっくりしているものかなと思っていました。でも実際は、想像していた以上に活動的。コロナ禍になっても自宅のスタジオでレコーディングして、アルバムを1枚完成させました。(ツアーがコロナの影響で)延期になるかもと言われて逆にもっと音楽に携わりたい、音楽が好きということに改めて気づくことができました。
先日、(松田)聖子さんのコンサートに行かせていただいたのですがファンの方を魅了する美しさと歌唱力に圧倒されて、すごく感動しました。大先輩の姿を見て1日でも長く愛されるアーティストでいたいし、気づいたら10年たっていたと思えるような年齢の重ね方ができたら素敵だと思いました」
デビュー日の12月6日にリリースするベストアルバムとあわせて20周年を集大成する。
ゲームとプロレスにハマった!
ステイホーム期間中にガーデニングを始めたほか息子に影響されてゲームとプロレスにハマり、緊急事態宣言明け後にはプロレスを初観戦した。
「派手にやられて派手にやり返している姿は、ある意味でスポーツ界のエンターテイメントだと感じました。旦那さんに以前から“倖田來未とプロレスは似ている”と言われていて、打たれ強さが共通しているみたいです。人がやっていないことをやりたがる。だからこそ新しい世界を見せられると信じて音楽づくりをしていきたいです」
息子に不評のスタイルとは……
撮り下ろしの中から5点をセレクト。「赤い衣装の写真は“ザ・倖田來未”。濃いメイクや露出の多い衣装は息子(9歳)には不評です(笑)。三つ編みにしたドレス姿は“(本名の)來未子さん”のイメージで、ふんわりとやさしい写真をリクエストしました。正面のカットは、濡れたシャツを着た撮影で寒かったけどセクシーできれいな1枚かな。タンクトップにデニムはプライベートでのスタイルに近い。もう1枚はナチュラルな表情が撮れたと思います」
フォトスタイルブック『WALK』 11月13日発売
(KODA KUMI/2420円/主婦の友社)
撮影/TISCH、TOMMY、Takashi Yoshida