「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。有名人の言動を鋭く分析するライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。
飯島直子

第66回 飯島直子

 バツ1のタレント・スザンヌが2017年12月26日に放送された『明日は我がミーティングSP』(TBS系)に出演し、再婚についてこんな発言をしていたことがあります。「バツ2になるのが怖すぎて、結婚とか考えられないなって思う」「バツ2だったら、私に問題があるって思われない?」

 バツ1は珍しくないし、相手に問題があったで済まされる。けれど、バツ2になったら、そんな相手を選んでしまった自分にも原因がある、もしくは自分がヤバいから2回も離婚したと思われてしまうという意味でしょう。

 確かにバツ1の芸能人なら多数思い浮かびますが、バツ2となると少数派な気がします。しかし、たとえバツ2の芸能人でも、私はヤバいと思いません。強いていうなら、結婚が向いていないんだと思うだけです。女優・飯島直子が離婚を発表してバツ2となりましたが、彼女も結婚そのものが向いていないタイプなのではないでしょうか。

好きな男に尽くしすぎてしまう飯島直子

 飯島の最初の結婚相手は、TUBEの前田亘輝でした。人気者同士のカップルでしたが、結婚して間もないのに、前田が家に帰りたがらないというような不仲説が頻繁に出回るようになります。前田は太りやすいのに、飯島がイタリア料理ばかり作るから家に寄りつかないとか、前田が祇園遊びにハマっているなど、どちらかというと前田が結婚生活に背を向けたような記事が多かったと記憶しています。『アサ芸plus』(2017年8月30日配信)によると、離婚理由は前田の女グセの悪さと夜遊びグセのせいと報じています。人気絶頂の飯島直子を妻にしておきながら、浮気するってどういうことなんでしょう。

 結婚後は前田のために仕事をセーブしていたと言われる飯島ですが、離婚。次の恋の相手は13歳年下のホストで、かなりのお金を使ったと報道されています。その後に会社経営者の一般男性と再婚したわけですが、飯島はこの男性について2017年8月9日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)で、「最初は別の人とつきあっていたんです。その人がすごいワガママだったんです。けっこう尽くしちゃうタイプで、尽くしすぎちゃって自分が疲れちゃったんですね。そこにたまたまいたのが今の旦那さん」と明かしていました。『女性セブン』(2013年1月24日号)によると、飯島のお母さんが再婚相手を気に入って、結婚相手として推したとも報じられています。

 つまり、自分からいい! と思ったわけではなく、消去法もしくは理性的に選んだのが2度目の夫だったのかもしれませんが、その夫も1年以上、舞台女優と不倫をしていたことが『週刊女性』によって明らかになるのです。元夫よ、女優なら家にいるでしょうよ……。

2019年、飯島直子の元夫・A氏と不倫相手のB子さんの“路チュー”を捉えた

 そんなこんなで2度目の離婚をすることになった飯島ですが、結婚に向いていない人の特徴の1つとして「刺激を好む」ことが挙げられると思います。

結婚に向いていない人は芸能界向き

 具体的に言うと、

(1)コツコツ努力するより、一発当てたい、一獲千金願望が強い
(2)モテていても、もっとモテたいと思ってしまう(目移りしやすい)
(3)順位をつけられること、注目を浴びるのが好き

 の3つが上げられます。

 上記の性質を持つ人が結婚すると、仕事が続かないとか、投資で大損するとか、不倫とか、他人に一目置かれたるためにブランド物を買って家計が火の車など、安定とはほど遠い結婚生活になってしまう可能性があります。

 このように書くと、なんだか「刺激を好む」ことがいけないことのように聞こえるかもしれませんが、実はこれらは芸能人として売れるために大事な資質と言えるのではないでしょうか。

 まず(1)。芸能界は一発当てたらリターンが大きいと言われていますが、挑戦しなければ成功する可能性はゼロなわけですから、一発当てたい願望が強い人のほうが芸能界向きと言えるでしょう。次に(2)。芸能人は人気商売なわけですから、一人でも多くの人に愛されるのがお仕事。まだモテたい、もっとモテたいと思うことは、仕事のモチベーションのようなものですから、悪いことではないのです。最後に(3)。人気商売は数字(売り上げや視聴率など)を持っている人の扱いやギャラがよくなるのが原則ですから、序列を気にするのは当然のことです。

 こうやって考えてみると、売れている芸能人というのは、実は男女問わず結婚に向いていないと言えるのではないでしょうか。

TUBEの前田亘輝との結婚式(1997年)

 しかし、飯島自身の発言によると彼女は“尽くす女”。一般的に言えば、家庭向きなはずです。そんな彼女がなぜ結婚に向かないのかと思う人もいるでしょう。飯島との交際が噂された男性を考えてみると、答えが見つかるかもしれません。飯島の元カレとしてあげられるのが、天才漫才師・横山やすしさんの息子で俳優の木村一八やミュージシャンのダイアモンド☆ユカイです。

 俳優として人気ドラマに出演していた木村一八ですが、暴力事件を起こし、警察のお世話になっています。ダイアモンド☆ユカイは2009年に発売した『成りさがり』(光文社)で「モデル、タレント、女優など日本中の名立たる美女たち」とベッドをともにしたことを明かすなど、二人ともやんちゃなタイプです。

 浮気をせずに、飯島を一途に愛してくれる人は星の数ほどいることでしょう。交際イコール結婚ではありませんが、元カレ達の行動から推定するに、彼らは結婚に向いたタイプとは思えません。こういう男性が好きな女性は「オトコを見る目がない」などと言われたりしますが、飯島は「見る目がない」のではなく、「浮気をするオトコ」に代表されるような「結婚に向かないオトコ」が好きなのではないでしょうか。

浮気されることで恋の醍醐味を味わえる

「浮気をするオトコ」を好きな人なんているわけがないと思う人もいるでしょうが、恋愛や恋人に求めるものは、人それぞれです。恋愛に安定感を求める人であれば、パートナーには誠実さを求めるでしょうから、浮気オトコは選ばないでしょう。

 けれど、恋愛に刺激を求める人にとっては、浮気をする男性というのは実は悪くない相手です。なぜなら、恋愛ドラマを見てもわかるとおり、ライバルの出現や浮気というのは恋を激しく盛り上げるから。

「こんなに尽くしているのに、浮気するなんて」と泣いたり喚いたりし、ときに相手の女性と争い、でも、やっぱり彼が好きだから別れない……というように、浮気はハラハラドキドキを提供し、恋の醍醐味を存分に味わわせてくれると言えるでしょう。刺激を好む女性が浮気しない男性と交際したら、毎日が単調に思えて、かえってイライラしてしまうもしれません。

デビュー当時の飯島直子

 一般人の世界にも、刺激を求める女性というのは一定数います。私は婚活中の女性から相談を受けることがありますが、「相手といてもドキドキしない、ときめかない」というお悩みを聞くことは結構あります。そりゃ、胸ときめく人と出会えて、結婚できたらいいとは思いますが、現実問題、結婚生活にドキドキやときめきのような刺激は必要ありません。結婚は恋愛とは反対で、相談もなしに仕事をやめない、勝手に借金をしたり、高いものを買わない、他の女性と必要以上に親しくしないというように、ドキドキする要素がないほうがいいのです。「でも、やっぱりドキドキさせてくれる人じゃないと、つまらないし……」と思ったあなた! 刺激を求めるタイプ確定です。

 刺激を好む女性は結婚こそ向いていないかもしれませんが、恋愛向きと言えるでしょう。一般論で言えば、年を取ると人は新しい事柄や挑戦が億劫になるものですが、刺激が好きな人は新しいものも抵抗なく受け入れることができると思います。飯島直子の場合、衰えを知らぬ美貌もあります。これからは形にとらわれず、自由に恋愛を謳歌してほしいと思います。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」