藤井聡太竜王(王位、叡王、棋聖)

「11月21日に千葉の『幕張メッセ』で行われた、将棋日本シリーズJTプロ公式戦の決勝では、藤井クンが負けましたが、それでも彼の一挙手一投足には、日本中が注目しています」(ワイドショースタッフ)

 2016年に、史上最年少の14歳2か月で将棋の四段に昇段してプロ入りし、“中学生棋士”として話題になってから5年。藤井聡太がまたも大記録を打ち立てた。

「2020年に初タイトルの『棋聖』を獲得し、すぐに『王位』も奪取。今年はこの2つのタイトルを防衛したうえで『叡王』になって三冠達成。続いて行われた『竜王』も獲得して、ついに四冠になりました。もちろん史上最年少記録です。『王将』戦の挑戦者決定リーグで5連勝して挑戦権を獲得しましたから、今年度内に五冠となる可能性も出てきました」(将棋ライター)

『竜王』戦は七番勝負で戦ったが、藤井は4連勝してストレート奪取。いくら天才と呼ばれる棋士でも、さすがにこの結果は驚きだった。

「相手は将棋界四強の1人とされる豊島将之竜王。しかも、藤井さんが唯一苦手にしている棋士と言われていたんです。なにしろ、初対局から6連敗していましたからね。それが、今年は王位戦で挑戦されるも4勝1敗で退け、『叡王』戦は逆に挑戦者となって3勝2敗で獲得。『竜王』戦の4連勝で、今年の通算成績は藤井さんが勝ち越し、立場が逆転しました」(前出・将棋ライター)

“第5戦”が幻となった倉敷市

 藤井の快挙を喜びながらも、複雑な思いを抱く人々も。

「タイトル戦は、日本全国の観光地で行われることが多いんです。藤井さんが『竜王』を獲得した第4戦は山口県の宇部市でした。第5戦は岡山県倉敷市ということになっていたんですが、勝負が決まってしまったので、キャンセルになったんです。鹿児島県指宿市の第6局、山梨県甲府市の第7局も中止になりましたが、どちらもタイトル戦の常連なのでさほどダメージはありません。でも、倉敷は初めてでしたからショックが大きかったでしょう」(スポーツ紙記者)

 舞台となるはずだったのは、“良寛さん修行の寺”として知られる『円通寺』。住職は万全の準備をしていたという。

「もしかしたら、こういうことがあるかと言われてはいました。藤井さんが勢いあるなとは思っていたのですが、まさか4連勝するなんて……。檀家さんが半年前からピカピカになるくらい一生懸命、掃除をしていたんですよ。仕方ないのですが……。対局者の2人が写ったポスターもできとったんですが、そろそろ剥がさないといかんですね。“幻のポスター”は永久保存版です (苦笑)。関連事業の『高校生将棋大会』決勝の会場が11月28日、こちらに決まりました」(円通寺の住職)

 倉敷市では以前からタイトル戦誘致を働きかけていた。

「3年前から動いていたので、ショックですね。うちは初めてだから、第4局になると聞いていたのですが、結果は第5局。将棋連盟さんが決めることですから、仕方ないです。やるからには街をあげて地元をアピールするべきと思い、青年会議所や市に協力をいただいていました。観光誘致のいいきっかけになればいいなと思ったんです」(倉敷市玉島の倉敷西ライオンズクラブ大会誘致担当者)

 4000枚刷っていたチラシは無駄に。ポスターや記念グッズなどで、300万円近い経費がかかっていたという。

前夜祭が行われるはずだった11月25日に、『藤井聡太・竜王誕生を祝う会』を開催することになりました。藤井さんに来ていただいて、報道もしていただけると思います。来年は再挑戦したいですね。ただし、“第4局より前に限る”という条件付きで(笑)」(前出・担当者)

 来年も藤井竜王が4連勝すると、第5局以降の開催を引き受けてくれるところがなくなってしまうかも!