※写真はイメージです

<店がどうぞって置いてくれてるんだから、好みで入れたらいいじゃない>
<適量というか常識の問題だよな>
<無料だからと山盛りに入れているのを見ると…嫌になる>
<別によくね?>

 定期的に話題となる「牛丼に紅ショウガかけすぎ」問題。多くの牛丼チェーンでは、紅ショウガや七味が卓上に置かれ、客が自由に盛り付けるセルフスタイルを取り入れているが、その“量”を巡ってSNSではたびたび論争が巻き起こっている。

 そんな牛丼の紅ショウガについて、11月28日のラジオ『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(日曜20時〜)内で放送された、有吉と「デンジャラス」安田和博のやりとりが再び話題となった。

 経緯としてはこうだ。

 この日のテーマは「パンの話」。コストコで売っているホットドックに「(ホットドックが)見えなくなるまでトッピングの玉ねぎをかけてしまい、いつも何を食べているのかわからなくなる」というリスナーからの投稿に対し、そういう人を見かけると「“そういうヤツなんだなぁ”と思う。適量ってもんがあるじゃない」と有吉。

 これに安田が「牛丼に紅ショウガをドンってかけちゃうやつとかね」と乗っかると、有吉も「ゴンって入れたりねぇ! 食べ放題で吐くまで食うヤツとか」と、冗談交じりに苦言を呈したのだ。

 これが『有吉弘行、牛丼に紅ショウガをドバドバ入れる人に苦言「適量ってものがあるじゃない』というタイトルでネットニュースに取り上げられると(スポニチ報道)、賛否両論の声があがり、SNSには肯定派・否定派の意見が相次いだ。冒頭はその一部だ。

 この「紅ショウガかけすぎ」について話題になったのは、前述どおり、今回が初めてではない。

 例えば昨年、とあるバラエティー番組で、女優・飯島直子が牛丼店でのテイクアウトで紅ショウガを10袋ほど持ち帰る様子が放送されると、これが「持ち帰りすぎでは」という否定的な意見から、「タダなんだからいいじゃん?」「何が問題かわからない」と擁護派まで、賛否の声が続出。

スガシカオのSNSに投稿されたネギ盛り盛りのラーメン('17年スガシオカのインスタより)

 2016年には、シンガーソングライター・スガシカオが、持ち帰りの牛丼に紅ショウガを“4袋しか”もらってこなかったスタッフへの不満をSNSに投稿。

 こちらは紅ショウガの量うんぬんよりも、それをスタッフにお願いしていたということに批判が集まった。ちなみに、スガは何でもトッピングをかけすぎるという、いわゆる「かけすぎ部」の部長でもある。

 しかし、“かけすぎ”というのはネガティブなように聞こえるが、一定数の肯定派の意見が見られるのも事実。むしろ多めが好きという人も多く、中には牛肉が見えなくなるほど紅ショウガを乗せるのが好みという人も入る。人によっては、これが「適量」ということなのだろう。肯定派と否定派、その両派の“論争”は、これからも続きそうだ。

紅ショウガはあくまでも脇役

 そんな紅ショウガについて、肝心な牛丼チェーンはどう捉えているのか。そこで、「牛丼に紅ショウガ」を初めて取り入れた吉野家に聞いた。

「紅ショウガはあくまで牛丼を召し上がっていただくための脇役ですので、お客様のお好みに応じて召し上がっていただければと考えております」

 そう話すのは吉野家の広報担当者。紅ショウガも企業にとってはタダではない。中には、かけすぎ問題に関して「企業としてダメージはないのか」という心配も上がっているが、そういったことに対して、何か対策が練られたことは特にないという。

 そもそも紅ショウガのセルフスタイルは、いつから取り入れられたものなのか。

築地市場にあった吉野家の一号店。現在は閉店

「正確な情報がないのですが、築地1号店にはすでにあったと聞いています」

 とのこと。今や紅ショウガは牛丼に欠かせない“名脇役”だが、何でこんなにも牛丼と相性がいいのか。これにはこんな秘密が。

「吉野家では、繊維質が少なく、柔らかい“ガリ”をメインに使用しています。辛すぎず、漬け込んだ特性梅酢のほどよい酸味が特徴。牛丼に合う味を追求しています」

 こだわり抜いた味。紅ショウガに魅了されるファンが多いのも納得だ。これだけ紅ショウガファンが多いようであれば「紅ショウガ丼」という新たな商品が考案されてもいいような気もする。

 最後に広報担当者のオススメの量と食べ方について聞いてみると、「あくまで、わたくし個人の好きな紅ショウガの食べ方ですが」と前置きしたうえで、2つの方法を提案してくれた。

(1)牛丼の半分にトング一つまみ分の紅ショウガを乗せ、牛丼本来の味と、紅ショウガと牛肉がいい具合に混ざり酸味のきいた味を交互に食べる 

(2)牛肉を少しどかし、紅ショウガをご飯の上にのせ、その上に牛肉を乗せ、ご飯と牛肉の間に紅ショウガを挟んで食べる

 そして量については、

「繰り返しになりますが、紅ショウガは脇役。ですので、トングひとつまみ分がわたくし個人の好きな量です。お客様にお好みの量を、食べ残しがないよう、おいしく召し上がっていただければと思います」

 とのことだった。

 結局のところ「正解」はなく、利用者の“モラル”の問題といったところか。牛丼の紅ショウガだけじゃない。回転寿司の「ガリ」、うどん屋の「天かす」、さらに言えばスーパーのビニール袋やコンビニの箸に言えることなのかもしれない。今後も、ただただ美味しい牛丼が食べられることを祈るばかりーー。