イラスト/倉持寛子

 相次ぐ光熱費や食料品、日用品の値上げ。寒くなるいっぽうの懐具合をほっこり温めてくれるのが「おばあちゃんの知恵」。何か買い足さなくても不便は解消されるし、地球にやさしい。慎ましやかなヒントは、まさにサステナブル!

〇〇使って効率的に!汚れ落とし・掃除の小ワザ

●アルミ鍋の黒ずみにりんごの皮

 焦げやすく、たわしでこすると表面の加工が剥げたり傷がついたりしやすいので手入れが大変なアルミの鍋。そんなときは、りんごの皮を使うと黒ずみがきれいに。黒ずんでいる位置までたっぷりと水を張り、りんごの皮を入れて15分ほど煮込みます。鍋を冷ましてからたわしで軽くこするだけで黒ずみがアララ、まるでなかったかのよう!さらに、米のとぎ汁や野菜のくずを煮立たせると次に鍋を使うときに黒ずみにくくなります @よしみ☆さん

●油性インクの汚れはみかんの皮でスルリ

 みかんの皮の表面に見えるブツブツにはリモネンという天然油が含まれています。これが、水では落ちない油汚れを落とすのにお役立ち。油性インクやクレヨンもゴシゴシこすらなくても汚れスッキリ。まずは目立たない場所で試してから、色落ちや色移り、傷がつかないかを確認してから実践してみて @かおりかおりさん

●掃除機とトイレットペーパーの芯の合わせワザ

 玄関と室内で同じ掃除機を使うのはちょっと抵抗が……かといって各場所専用の掃除道具を用意するのももったいない……。そんなときは“トイレットペーパー”。芯を斜めに切って掃除機の先に装着。使い捨てとして使用できるので、掃除場所ごとに替え芯を用意しておけばオッケー。掃除機が直接地面に触れないので衛生的なだけではなく、芯が柔らかいので床に傷をつけにくいのもマル@まりさん

●玄関掃除には乾燥させたコーヒーかす

 ほうきで玄関掃除をする際、コーヒーかすを併用するのがおすすめ。乾燥させたコーヒーかすをまいてから掃くと、ほこりが立たずコーヒーの香りで消臭効果も。半乾燥させた茶殻でも同様の効果を得ることができます@こきんじさん

コーヒー

●賞味期限が切れた小麦粉は油掃除に

 小麦粉の賞味期限が切れてしまったときは、掃除に使うのが正しいリユース。頑固な油汚れに振りかけ、しばらく置いた後お湯で絞った布巾で拭き取るとスッキリ。小麦粉は粒子が細かいため、油を吸着させるのに最適@みゃあちゃんさん

小麦粉

●歯磨き粉でドアノブもピカピカに

 歯磨き粉を布につけてドアノブを拭くと、研磨作用できれいに。ガラスや洗面台でも試せます。ただし、強くこすりすぎると傷がつくこともあるので優しく磨いて@ゆうこさん

●卵の殻は優秀な天然のクレンザー

 卵の殻を乾燥させ、粉々にしたものはクレンザー代わりとして大活躍。水筒や徳利のように注ぎ口が狭くなっているものは砕いた殻と水を入れて、注ぎ口を押さえてシャカシャカ振って。ミキサーの内部の汚れを落とすときにもこのワザで。卵の殻と少量の水を入れて回すだけで手の届きにくい刃の裏側までピカピカに。研磨剤代わりとして使うので、傷がついて困るものにはご用心@力さん

●じゃがいもの皮で鏡の輝きが増す

 じゃがいもの皮の内側でお風呂場の鏡を磨くと、ぬるぬると白っぽいものが出てきます。これに構わずひととおり磨き終えたら、ぬるま湯でザッと流して。すると、鏡がびっくりするほどクリアに!シンクや少し曇ってしまったグラスなどにも同様の効果が。このぬるぬるとしたものは「サポニン」という成分。いわば石けんのような役割をし、汚れを落としてくれるのです@あきこさん

●レモンでポットの汚れを除去

 電気ポットに付着した白いカス。マメに洗いたくても、入り口が狭くて洗いづらい……。そんなときには、輪切りにしたレモンを電気ポットに入れて沸かすだけ!切ったレモンがポンプに詰まらないようにお茶パックやガーゼに包んで@onちゃんさん

●包丁のサビはコルク栓でピカピカに

 刺身包丁や出刃包丁など、普段はあまり使わない包丁をいざ取り出すとサビが……。包丁を水で濡らし、コルク栓にクレンザーをつけて磨くと落ちるわ、落ちるわ!コルクがほどよい固さなので、力を入れて磨いても包丁を傷つける心配がありません。サビが落ちきったら、水で洗って乾いたタオルでしっかりと拭いてフィニッシュ。ステンレスに発生したサビも少しであれば同じ方法で落とすことができます@ひろしさん

〇〇使っておいしく!料理の小ワザ

●塩がガチガチ……は炒めた米粒で復活

 ファミリーレストランなどのテーブルに置いてある塩。よく見ると、お米が数粒入っていることが!これは湿気で塩が固まり、出なくなることを防ぐため。とはいえ、ただ生米を入れても意味がなく、フライパンでしっかりと炒り、薄黄色になったお米をインするのがコツ。乾燥した炒り米は湿気をよく吸収してくれます@タケトさん

●買えば高い燻製品。出がらしで自家製可

 緑茶や紅茶の出がらしを使えば燻製製品が簡単!作り方は…

(1)しっかりと乾かした茶葉の出がらしをザラメと混ぜ、アルミホイルを敷いた鉄製のフライパンで燻す 
(2)うっすら煙が出始めたらその上に網をセットし、その上にアルミホイル、お好みの食材の順でのせる 
(3)フタをして弱火で約10分加熱、というこの3ステップ。おすすめはチーズを燻したスモークチーズ。長く加熱するほど、あめ色に@椿さん

出がらし

●サンドイッチの作りたてキープ、2つの方法で

 朝作ったサンドイッチが昼にはパサパサしていたり、パンが野菜の水けを吸って湿気ていたり……。それを防ぐ、2つの方法をご紹介。1つ目は「乾燥防止」のワザ。作りたてのサンドイッチと一緒にオレンジなど水けのあるフルーツを入れておくと、パンのパサつきが抑えられます。そして時間がたってもパンが具材からの水けでしんなりしない方法は、野菜の水けをキッチンペーパーなどでしっかりと取ってから挟むこと。さらに具材の水分がパンに染み込まないよう多めにバターを塗れば大丈夫@知内いちごさん

●砂糖をサラサラに戻すには、甘~いアレ

 砂糖が固まってしまうのを避けるには、程よい水分を砂糖に与えること。霧吹きなどで水を吹きかけて固まりを崩す、という方法もありますが水の加減が難しくチャレンジするにはハードルがなかなか……。そこで使えるのがマシュマロを入れるというやり方!マシュマロを砂糖の容器に入れることで、水分(湿気)が砂糖に移り、サラサラな状態に戻ります@さるおさん

〇〇のチカラでホームクリーニング 洗濯・衣類ケアの小ワザ

●乾燥機いらず!部屋干しのコツ

 部屋干しは部屋に湿気がたまるし、狭いところで干しがちなので乾き自体が遅い……。ところが新聞紙を1度くしゃくしゃに丸めてから広げたものを部屋干しの洗濯物の下に置くと、乾きが早くなります。新聞は湿気を吸ってくれるだけでなく、気になるニオイも吸い取ってくれるといううれしい効果も@夢見子さん

●お酢でニオイを防いで服を快適に

 きちんと洗っているはずなのに、なぜかニオイが取れない服。解決するにはポイントがあります。1つ目は、洗濯機に入れる洗濯物は8分目までにして「すすぎ」に水道水を使うこと。お風呂の残り湯を「すすぎ」に使うと汚れや菌が洗濯物についてしまうので要注意。2つ目は「すすぎ」の際にお酢を大さじ2杯ほどプラスする。この合わせワザで洋服のニオイが防げ、気持ちよ~く着られます@ミチ7さん

お酢

●ワイシャツの襟汚れにはクレンジングオイルを

 気をつけていても汚れが目立ちがちなワイシャツの襟。こまめな洗濯をしても、しっかりカバーするのはなかなか難しいもの。襟汚れは皮脂汚れによるものなので、クレンジングオイルを使用すれば襟用の洗剤を買わなくてもきちんと落とすことが可能!襟をぬるま湯につけ、汚れにクレンジングオイルを塗って脂を浮かせ、サッと流すだけ。あとは通常の洗濯と同じように洗います@池田さん

ワイシャツ

●毛玉はスポンジで楽々お手入れ
 
 服の毛玉。毛玉取り器を買うのは面倒だしお金もかかる。かといって手入れをしないで着ることもできないし……。そんなときは食器を洗うスポンジの出番。ガサガサしているほうを下にして、軽く擦るだけでおもしろいほどごっそり。同じ方向に向かって優しく擦るのがコツ@りほほほさん

●カレーのシミ取りには日光

 白い服の大敵「カレー」。気をつけていたはずなのに、いつのまにやら黄色いつゆが飛んでしまっていたという苦い経験、ありませんか。黄色く残るシミはターメリックの色素成分「クルクミン」によるもの。この成分とスパイスに含まれる油分が頑固なシミ汚れとなってしまいます。無理に拭き取ろうとせず、優しくもみ洗いをした後、衣類をハンガーにかけ日当たりのよい場所に干しましょう。クルクミンは紫外線に分解されやすいという特徴があるので、1日たつとシミが目立たなくなります@ろんどらさん

●ニットの穴あき、ストッキングでほつれもケアして長持ち

 冬に重宝するニットは、ふとした瞬間に引っかけてしまい穴があいたりほつれたりして着られなくなってしまうことも……。そんなときはストッキングを使って補修。使い古したストッキングを切って、糸を1本抜き出して針に通します。ニットの穴の端に2~3回針を通して糸が抜けないようにしたら、穴の縁をかがるように少しゆとりを持たせて縫い合わせましょう。縫い終わり部分を縫い始め部分のように何度か針を通して、糸が切れないようにすれば作業終了です@フユミさん

〇〇の再利用でアイテムづくり 冬の暮らしを楽しむ小ワザ

●マスキングテープでクリスマスオーナメント

 空のペットボトルを輪切りにして、マスキングテープで飾りつけ。これを3つ作り、組み合わせて球体にすればオーナメントのできあがり@おばあちゃん

●ペーパーの芯でクリスマスリース

 トイレットペーパーの芯もしくはラップの芯を用意。ペーパーの芯をつぶし、両端を尖らせた状態で2cmほどの輪切りに。葉っぱのような形になるので、好きな色に塗ります。5枚ほどをセットにし、花びらのように合わせてつなぎ合わせ、このお花をさらにつなぎ合わせればリースに!@おばあちゃん 

●小さくなった石けんを芳香剤に

 小さくなった固形石けんを複数集めて、オリジナル石けんもしくは芳香剤にアレンジ!石けんと水を火にかけ、溶けたら好きな形の容器に移して固まるのを待つだけ。アロマエッセンスを加えると好きな香りづけができます。火を使うのが不安な場合は、小さくなった石けんをビニール袋に入れ大さじ3~5杯のお湯を加えてこねるとオリジナル石けんに@名無しさん

●短くなったクレヨンで、キュートなマーブルクレヨン

 使って短くなったクレヨンや、うっかり折れてしまったクレヨン。細かく折り、クッキーの型や好きな形に成型したアルミホイルの型に詰めます。これをオーブントースターで溶かすだけ。自然と色が混じり、冷まして固まったときには、オリジナルのマーブルクレヨンに。シリコン型を使うと型からはずしやすいので便利@じゃじゃ子さん

●余ってしまった小麦粉で子どもにも安心な粘土

 残った小麦粉。常温で保存しているとダニが発生しやすく、冷蔵庫に保存していると結露によってカビが生えてしまうことも。そんなときは粘土を作って子どもと一緒に遊ぶのも手。小麦粉に少量のサラダ油と塩、水を入れてこねるだけで子ども用の粘土が完成です。食用色素を入れれば、安全かつカラフル@みゃあちゃんさん

〈取材・文/オフィス三銃士(松本一希) イラスト・取材協力/日本テクノ株式会社https://econews.jp/idea2/ イラスト/倉持寛子〉