神尾楓珠

 ドラマ『顔だけ先生』(フジテレビ系)に主演中。『ahamo』(NTTドコモ)やBOAT RACE振興会のCMなども印象的。“国宝級イケメン”として、人気はうなぎ上り!!  そんな神尾楓珠が『彼女が好きなものは』(公開中)で映画初主演を飾っている。

情熱的で美しいベッドシーン

 原作は浅原ナオトの『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』(角川文庫)。“カノホモ”と呼ばれる人気作だ。

「主演っていわれるとプレッシャーを感じるかなと思ったんですが、現場に入ってからはそれほど気にならなかったですね」

 ゲイであることを隠している高校生・純(神尾)とBL好きを秘密にしているクラスメート・紗枝(山田杏奈)。純は自らのセクシャリティーを明かさず紗枝と付き合い始める……。

ゲイの役だからといって、特別な意識はせずに。好きという感情は男女関係なく一緒だと思うので。ただ、とにかくずっと葛藤している役なので難しかったし、しんどかったですね……

 普段は役をプライベートに持ち込まないタイプだそう。

ちゃんと切り替えをしないと、体力も気持ちももたないので。

 でもこの作品の撮影期間は、ずっと純のことが頭の片隅にあって。今回ばかりは、1回でも役から離れてしまったらダメだと思ったので。久々に、切り替えがうまくいかなかったです(苦笑)

 年上の彼氏・佐々木(今井翼)とのベッドシーンはとても情熱的で、美しい。

「本当ですか? ありがとうございます(笑)。撮る前は、今井さんがどこまできてくれるかわからなかったんですけど、きた分を返そうと思っていました。実際には、今井さんがガッツリきてくださって。おかげですごくやりやすかったです」

親友役・前田旺志郎を褒めたくない!?

「見どころですか?  純と紗枝の恋愛関係がメインではあるんですが、加えて友情も見てほしいですね。親友の亮平(前田旺志郎)との関係性とか。すごくいいんですよね。……なんか旺志郎のことを褒めてるみたいになっちゃうからあんま言いたくないけど(笑)。本当にナメてるんですよね、あいつ(笑)。この間も“取材で楓珠くんの悪口ばっか言ってきたわ〜”とか言ってて(笑)。あははは」

 作品外でも、とっても仲がよろしいようで。

愛想笑い&媚びる人はあまり好きじゃない

 ゲイではあるけど異性と恋愛・結婚し、子どもをもうけて家庭を築きたい……。世間でいういわゆる“普通”になりたい願望と現実。純はそのはざまで悩み苦しむ。

神尾楓珠

僕の恋愛観ですか? うーん。自分の価値観や芯をちゃんと持っている人がいいですね。愛想笑いばかりしたり、周りに媚びたりする人はあんまり好きじゃないですね(笑)

“楓珠くんの言うとおりにする”なんてタイプはもってのほか。また、ショートヘアの女の子に惹かれるという。

 続いて結婚観について尋ねてみると、

結婚願望、全然ありますね。この仕事をしているから“まだしない”という考えもないですよ。“結婚したい”と思ったらすると思います。

 僕には1歳上の兄がいるんですが、もう結婚していて。いとこたちもまだ20代なんですけど、みんな結婚しているんですよ。結婚してないのは僕と1歳下のいとこだけ。だから順番的には僕なんです(笑)

 では、電撃婚で世の中をびっくりさせる日も近い?

「フフフフ(笑)。なんというか、みんな幸せそうで楽しそうなんですよね。愚痴とかも言わないし。あと単純に、僕の両親の関係性も好きなので。僕が小さいころには、いろんなところに連れていってくれ、行事にも2人で見にきてくれたりしていたので。なんか、そういうところに憧れはありますね」

ほかの事務所を受けようとは思わなかった

 俳優を志したのは、高校1年のとき。

「もともとサッカーをやっていて。結構強い高校に入ったんです。部員が180人くらいいて。“ここから2年間やっても時間の無駄だな”と思って(笑)。で、やめました。

 そしたら、それまでずっとサッカーが中心にあったのに、中心にあるものがなくなっちゃったから、何か新しいことを始めようと思って」

 試しに現在の事務所のオーディションを受けてみると、見事合格したという。

事務所を選んだきっかけは、伊藤英明さんがいたから。落ちていても、ほかの事務所を受けようとは思わなかったと思う。きっと別のことをしていたと思います」

 そのスタートは“どうしても俳優”ではなかったようだが、デビューして6年。俳優として生きる覚悟は固まった。

幅広い役ができる役者になりたいな、とずっと思っていて。そして自分自身が、どんどん幅広くなっていけたらいいなと思っています

『彼女が好きなものは』
TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
配給:バンダイナムコアーツ、アニモプロデュース

(C)2021「彼女が好きなものは」製作委員会

(撮影/矢島泰輔 ヘアメイク/菅井彩佳 スタイリング/小野塚雅之)