1億円を貯めたお金持ちが絶対やらない習慣を紹介(※写真はイメージです)

 政府が新型コロナウイルス対策の行動制限を緩和したことを受けて、会食制限を撤廃する地域が増え、全都道府県の7割以上が会食制限なしに。飲食店に活気が戻りつつあるが、1億円貯めるお金持ちはどんな外食スタイルを楽しんでいるのだろうか?

金融資産が1億円以上ある人はムダにお金を使わない?

高級レストラン(※写真はイメージです)

「金融資産が1億円ある人は、もともとお金を使うことが嫌いな人が多く、ムダにお金を使いたくないと思っている。だから、緊急事態宣言が解除されたからといって、外での飲食を頻繁に楽しむことはありません」

 とはファイナンシャルプランナーで『1億円貯める人のお金の習慣』の著者である藤川太さん。では、お金持ちは外食を一切しないかというと、そうでもなくて……。

「1億円貯まる人は、基本的に人と同じ行動をしません。そして、健康管理を徹底している人が多い。新規感染者数が減少傾向にあるとはいえ、感染予防のために週末よりは平日、ピーク時よりは早めの時間を選択し、密を避けて利用する傾向があります」(藤川さん、以下同)

 その物やサービスの本来の価値よりも安く手に入れることに注力する特徴もある。

「知り合いのあるお金持ちは、外食前に一休ドットコムを見て、お得な割引のあるお店を予約する習慣がある。“やった! 4000円でこんな食事が〟と喜んでいる方も。同じ食事をするなら安いほうがいいという思いが強く、徹底的にリサーチするんです。これは旅行についても同じことがいえます」

 試しに一休ドットコムで編集部周辺の銀座のレストランを調べたら、すぐ19%オフでコース料理が食べられる店が見つかった。やってみると簡単だが、このひと手間が面倒……ここにお金持ちとの境界があるのかもしれない。

 緊急事態宣言が解除されるやいなや話題になったのが18歳以下に支給される10万円相当の給付。世帯主の年収が960万円以上を除くという所得制限により、1億円貯めた人は除外されることが多いと考えられるが、お金持ちはこういった公的な給付金をどう使うのか?

「昨年の特別定額給付金のように全世帯に給付されたものについては、必要としたお金ではないので1億円貯めた人はすぐに使わない。貯金したり、運用にまわしたと考えられます。旅行や欲しかったものの買い物に使うことはまずない。

 中には子どものマネーリテラシーを高めることに使った人もいます。給付金をそのまま子どもに渡して自由に運用させ、投資を学ばせる。もともとなかったお金だから、失敗しても気にならない」

ポイントだけじゃない現金払いを選ばないワケ 

高級邸宅(※写真はイメージです)

 1億円貯める人は次の4つのタイプに分かれる。

①代々お金持ちのタイプ
②節約家タイプ
③投資家タイプ
④高収入タイプ

 給付金を投資にまわすのは③投資家タイプか④高収入タイプで、②節約家タイプは投資を敬遠する傾向がある。

節約家タイプの人は、運用で資産が減ることを嫌います。資産が減っても気にならない額を尋ねると10万円レベルであることも。それなら運用しないほうがいいという選択になります。

 もともと投資に興味がなく、積極的ではない傾向がある。資産は銀行口座に貯めておく人がほとんどです。投資しても少額の積み立てが多いでしょう」

 1億円という莫大な資産を貯めるには、普段の買い物での支払いに何を使っているのかも気になるところ。 

「QRやバーコードの決済が普及し、多くの店舗で利用できるようになった今、うまく利用すればポイントなどの特典も得られ、見逃せないサービスが多いです。

 1億円貯める人の支払い方法、これは年代によって大きく分かれますね。高齢の方は、以前と変わらず現金主義のケースが多いです。50代くらいの方だと、現金払いはほとんどせずキャッシュレスが進んでいると思います。お金持ちがキャッシュレスを選ぶ理由は2つあって、1つはポイントやマイルなどの特典があること、もう1つはスマホの家計簿アプリで家計管理するための利便性です

同じブランド財布でもデザイン選びが独特

キャッシュレス決済(※写真はイメージです)

 前述したようにお金を使うことを嫌だと思いながら、せっかく使うならば得をしたいと考えるのがお金持ちの共通点。一見、複雑に見えるポイントやマイルなどの特典を見逃さず、家族カードなどを利用し世帯全体で特典のメリットを享受する工夫も。

「家計簿アプリにはザイムやマネーフォワード、さまざまな種類がありますが、ほとんどのアプリがQRなどによるキャッシュレス決済で支払えば、買ったものと金額を自動的に記録できます。現金払いだとひとつひとつ買ったものと金額を記入する手間が増える場合もあるので、キャッシュレス決済のほうが断然便利です」

 共働き世帯が増え、家計管理は別々というケースも多いが、家計簿アプリを利用していればお互いの支出を簡単に把握することができる。

「以前に比べて、妻ではなく夫が家計管理を行う世帯が増えてきました。妻か夫か、家計管理が得意なほうが担当しているようです。男性(夫)はデータの管理が好きな方が多いようで、そういった意味でもキャッシュレス決済と家計簿アプリを組み合わせた家計管理は簡単で、有効なのかもしれません」

 新年に向けて財布を買い替える人も多い。お金持ちの財布選び事情は?

たいていのお金持ちはブランド品の財布を持っているものですが、選ぶデザインが違う。大きくロゴが入っているなどブランド品だとひと目でわかるデザインは選ばない。さりげないデザインでよく見るとブランドだとわかるようなタイプを選ばれていますね。一見して、“あ、ブランド品だ。お金持ちだ”とバレてしまうようなことを嫌うんです。代々お金持ちで地主の方が、高級腕時計を身に着けているのを見たことがありますが、やはりそれもさりげないデザインでしたね」

 古い財布は捨てて、3年周期で買い替えるのがよいという話もあるが、買い替え頻度はどのくらいか。

「上質な高級ブランドの財布を買って、3年どころかもっと長く使う人が多いです。10年以上使う人もいます。だから買うときに素材やデザインにこだわって長く使えるものかをじっくり吟味。1億円貯めるような人はとにかく物を大事にするんです」

 毎日のように使う財布。丁寧に手入れをして10年使う人も多いという。そんな日々の習慣こそが資産1億円の実現につながるのかもしれない。

教えてくれた人は……藤川太さん
■ファイナンシャルプランナー CFP認定者。
「家計の見直し相談センター」を設立後、2万世帯を超える家計診断を行う。『1億円貯める人のお金の習慣』(PHP研究所)、『カラー版 一番やさしい資産運用の教科書[資産運用勉強シリーズ]』(西東社)など著書多数