「こんなにヒゲを生やしてテレビに出たことがなかったので、最初は自分の中で違和感があったんですけど、周りの方から似合っていると言ってもらえて、ホッとしました(笑)」土曜ドラマ『風の向こうへ駆け抜けろ』で、緑川厩舎の調教師・緑川光司役を演じている中村蒼。渋いヒゲ姿がとても似合って、大人の男の魅力が全開!!
「馬とも通じ合える」
厩舎や馬とのシーンなどは岩手県に滞在して撮影。
「水沢競馬場というところで、乗馬の練習をさせていただいて、そのまま撮影もしました。空気が澄んでいて静かで、ものすごくいいところ。こういうところに住めたらいいなと思いました。
空き時間は近くの温泉に行ったり、1日空いている日があったので、盛岡まで行って神社や温泉を回りました。振り返ると、よくお風呂に入っていたような記憶が(笑)」
光司は元スタージョッキーという設定。乗馬の練習はどうだったのだろう?
「ジョッキースタイルは常に腰を上げて、お尻をつかずに乗るので、それは大変でしたね。太ももとか筋肉痛になってしまって、最初は3日くらい使い物にならなかったほど(笑)。
でも、馬に乗るのはとても楽しいです。気持ちいいし、お馬さんには癒し効果があるというのを日々、実感しています。大きくて触りごたえもあるし、賢いのでこちらの言うことをわかってくれて、関係性を築くと通じ合えるんですよ。本当にかわいいです」
だが大変なこともあった。
「やっぱりあれだけ大きい生き物だし、常に緊張感は持ちながら接していました。馬それぞれに性格が違って、落ち着かない子もいますし。プロの方も“馬といるときは緊張感を切らしたことはない”とおっしゃってましたね」
来年の抱負は?
光司が営む緑川厩舎は、ダメな連中ばかりが集まる“藻屑の漂流先”と呼ばれている。光司自身も過去にケガをし、序盤は陰のある落ちぶれた姿で登場するが、そんな光司という人間について、中村は「尊敬するところも多くて魅力的」と語る。
「まず騎手や調教師としての才能がすごいですし。あと光司は、人を偏見の目で見ないんです。ゆえに、厩舎にはクセの強いメンバーが集まっているんですが、それは光司がちゃんとその人の資質を見ているからだと思います。
そしてみんなから頼られて慕われて、厩舎をまとめていく。僕はまったくそういうタイプではないので(笑)、演じていて自分とは違うなあと。僕自身は光司を慕っている側の人間だと思います」
女性騎手の芦原瑞穂(平手友梨奈)の成長を描いたこのドラマ。見どころを聞くと、
「瑞穂はもちろん、彼女のおかげで厩舎のメンバーも一緒に成長していくんですね。人間が成長していくことの素晴らしさや協力することの大切さがストレートに描かれているので、そういうところを見ていただけたらなと。
そして、こんなにお馬さんが登場して、走ったりお芝居をしてもらっている作品はなかなかないと思うので、映像的にも新鮮なシーンがたくさんあると思います」
最後に、'22年の抱負は?
「先のことをいろいろ考えたり、いっぱいガツガツやっていくというより、変わらずに仕事ができていけたらいいなと。それを長く続けるのがいちばん難しいことだと思うんですけど、着実にしっかり歩いていけたらいいなと思っています」
●時間があるときにやっていることといえば?
「よく歩いてます。仕事終わりにそのまま歩いて帰ったり。歩くことが好きなんです。で、“こんな狭いところにお店がある!”って調べたり。でも入りはしません、通り過ぎるだけ(笑)。小1時間は全然平気ですね。岩手でもホテルから温泉まで車で15分、歩いて50分くらいだったんですけど、歩きました。父もよく歩いているので、遺伝なのかも」