奥野被告は天野さんの飲食店を訪れるたびに、自身のサインを店内の壁に残していた

「身元引受人になって、出所後はうちの店で働いてもらおうと思っていたんだけど、今年の6月に手を引いたよ。だって、トラブルを起こしているのにまったく反省していない。しかも、“今後もマスクをするつもりはない”とか言うから、頭にきちゃってね」

 東京・新宿で『定食酒場食堂』を経営する天野雅博さんは、怒りを露わにした。

 昨年9月、釧路発関西空港行きのピーチ・アビエーション航空機内で、乗務員からのマスク着用の要請に応じずトラブルになり、運航を妨害したとして威力業務妨害と航空法違反の疑いで逮捕された奥野淳也被告(35)。

 今年4月にも、千葉の飲食店に“ノーマスク”で入店したため、客とトラブルに。駆けつけた警察官の顔を殴打したとして、公務執行妨害の容疑で再び逮捕された。

今もマスク拒否の信念は曲げない

「警察沙汰にこそなっていないが、長野のホテルや、東京の美術館などでも被告の“ノーマスク”がトラブルを引き起こしています。5月に千葉地裁で開かれた公判でも、やはりしていなかった。ある意味、信念を貫き通す“マスク拒否男”なんです」(スポーツ紙記者)

 前出の天野さんも、一時は奥野被告を“可愛げのある男”と評していた。

「一度、僕が千葉の飲食店を訪ねて話し合おうとしたんだよね……。ここを示談で済まさないと、航空機の件は執行猶予がつかないと思ったから。だけど、タイミングが悪くて僕が行ったときはお店が休みだった」

 だが、被告は弁護士と話し合って、こんな行動に出る。

「弁護士が飲食店に“本人が30万円までしか払いませんと言っています”って伝えたみたい。だから、店主が怒って示談に応じなかったんだって」(同・天野さん)

実はマスクしている!?

 被告の態度に疑問を感じた天野さんは今年6月、身元引受人をやめたという。

 今、奥野被告は何をしているのか。自宅を訪ねたが、不在が3日間続いた。そこで、大阪の実家へ行くも、こちらも不在……。

町内で1、2を争う名家に育った奥野被告。実家も近所の家と比べて明らかに大きい

 被告の親族によると、

「これから裁判をひかえている身だけど、しかるべきところに届け出れば1泊ぐらいの旅行はさせてもらえるみたい。だから、意外にあちこち出かけとるようです。

 父親は被告に“SNSの発信はやめろ”“マスコミには出るな”と言うとるみたいやけど、相変わらず持論を展開しとる」

 12月6日、日刊ゲンダイDIGITALで奥野被告のインタビュー記事が配信された。それによると、記者と待ち合わせたレンタル会議室にノーマスクのまま現れた奥野被告。さらにはこんな発言も。

「なぜ社会はマスクを強制するのですか? 新型コロナは被害が過大に強調されていて、現実とかけ離れているように思います」

 前出の天野さんは、呆れ顔でこう話す。

「彼が主張している“マスクをしないのは法律違反ではない”“日本は同調圧力が強い社会”というのは理解できる。だけど、トラブルになったら結局親を頼っている。東大卒の高学歴かもしれないけど、すねかじりの身で、親に迷惑かけてさ」

 だが、被告の自宅近くでは、こんな目撃情報もあって……。

「いや、マスクはつけていましたよ。この辺りは高齢者が多いところだから、気を遣っているんじゃないですか。普段はつけていても、取材現場ではノーマスク。目立ちたがり屋なんですかね(笑)」(近所の住民)

 来年には、航空会社との件で裁判が大阪地裁で始まる奥野被告。やはりノーマスクで出廷して注目を集めるつもりだろうか。