左から、永山瑛太 向井理 撮影/伊藤和幸

 正月時代劇『幕末相棒伝』でバディ役に挑戦する永山瑛太と向井理。『のだめカンタービレ』以来2度目という久々の共演の感想から、2021年の思い出まで語ってもらった。

お互い父親になって、再び共演

「誰もが知っている坂本龍馬を演じるということで、俳優としてはチャレンジですし、不安もあったんです。でも、台本を読ませていただき監督とも打ち合わせをする中で、自分なりの解釈で明るく楽しく元気に演じようと。日本を変えようとした人物を演じるという気概と何物にも屈しない心を持ち続けようと思いながら、撮影を乗り切りました」

 大政奉還目前の幕末。将軍・徳川慶喜暗殺を企てた真犯人捜しの密命を受けた坂本龍馬と土方歳三が、思想が違う敵同士ながらバディとなり、2日間で黒幕を見つけようと奔走する時代劇『幕末相棒伝』。龍馬を演じた永山は、ド派手な殺陣などアクションにも体当たりで熱演した。

2022年1月3日(月) 放送正月時代劇『幕末相棒伝』(NHK総合 夜9時〜10時29分)

「大変だったのが炎天下の中で、橋の上を走るシーン。砂利がたくさんあって足がものすごく痛かったんです。でも、OKが出ずに何度もやったんですが、最後まで倒れずにやる根性を監督に見せられたので、ぜひその映像を使ってほしいなと思います(笑)」(永山、以下同)

 龍馬の相方・土方を演じる向井理とはドラマ『のだめカンタービレ』以来の共演。'06年に初共演した際はこんな印象を受けたそう。

永山瑛太 撮影/伊藤和幸

顔は小さいほうと言われるんですが、僕より小さい人がいるんだって(笑)。それから向井くんの作品を見たりもしていましたし、10数年がたちお互いに父親になって、再び共演ができるのはご縁があるなと思いながら撮影していましたね」

 ちなみに永山にはこんな心を許せる可愛いバディがいた。

「人ではないんですけど、うちに文鳥がいるんですよ。名前ですか? 梅ちゃんです。特に理由はないのですが、僕の言うことを聞いてくれますし、指の上でピョンピョン跳ねてよく踊ってます。絶対に頭か肩にフンを落としますけど(笑)、可愛いです」

 俳優以外にも今年は監督やカメラマンにも挑戦。多忙な1年だったと話す。

「広瀬すずさんのカレンダーを撮影したり、役所広司さん主演で『ありがとう』という映画作品の監督・脚本を担当させていただいたりと、ありがたいことにやりたいことがいろいろと実現した1年でした。少し詰め込みすぎたかなという部分もあったので、来年はもう少しゆったりした気持ちで、肩の力を抜きながらやっていきたいと思います」

■もうすぐお正月
「母が新潟生まれで、いつもお雑煮とのっぺい汁を作ってくれるんです。それを食べるとお正月が来たなって思います。小さいころから食べていて、おせちよりも新潟のお雑煮のほうが好きなくらい。お正月しか作らないので、いつも楽しみにしています」

30代になり、新鮮な気持ちで話を聞けた

「台本を読んで、土方は荒っぽい感じだったので、言葉遣いと気性とか粗野な感じを出せればと思って演じていました。本来ならば思想的に真逆の2人だから、バディといっても坂本龍馬に敵愾心を抱いている部分があると思うんです。なので、演じるうえで土方と龍馬との負の関係性も意識して撮影に臨んでいました」(向井、以下同)

 今回、初めての土方歳三役に挑んだ向井理。「『のだめ』以来10数年ぶりで新鮮でした」とバディとなる坂本龍馬役の永山との共演を楽しんだと話す。

プライベートでは公園でばったり会ったこともありました。生まれた年も一緒ですし、学年は違うけど同級生みたいなもの。仕事とか家庭のこととか、現場で一緒にいる時間が長い分、いろいろなことを話しました。お互い30代となり新鮮な気持ちで話を聞けましたし、楽しかったです」

 本作の撮影以外にも、連ドラや映画、舞台などに相次いで出演。多忙な1年となった。

「昨年は僕自身も作品が何本か中止になったり、仕事ができない期間がいままででいちばん長かったんです。それが、撮影が少しずつできるようになり、昨年の分を取り返すかのようにじゃないですけど、忙しくさせていただきました。先月まで舞台をやらせていただいたんですけど、毎日芝居できることがすごいなって。昨年が普通じゃなかったんだって改めて実感した1年でした」

向井理 撮影/伊藤和幸

 一方、仕事の合間にはこんな息抜きを。

「お酒ですね。外で飲むタイプではないので、疲れて帰ってきて少し台本を読んで、最後に軽く飲んで寝るというのがいちばんの息抜きです。リモート飲みも今年初めてやりました。先月、舞台で大阪にいたとき(佐藤)二朗さんから急に連絡があったんです。それで始めたんですが、二朗さんがすでにべろべろで、よくこの状態で誘ってきたなと(笑)。最後は向こうの電波が悪かったみたいで、プツッと切れて終わりました」

 そんな向井には年末に集まる、気心の知れた“バディ”たちの存在が。

「中学のサッカー部時代の同級生たちと年に1回は集まるのが年末年始の恒例となっていて、できない年もありましたが、10何年続いています。みんなでごはんを食べたりして、学生時代のくだらない話とか、友達に家族ができたとか、同級生と会うと自分の原点に戻れる瞬間があるんです。いまは集まるのが難しいですが、ずっと続けられればいいなと年末になると思いますね」

■もうすぐクリスマス
「わりと早い段階で兄にサンタの存在をバラされていたので、あまり夢を見た感覚はないです(笑)。でも、地域のクリスマス会でみんなでプレゼント交換をしたりしたのは楽しかったです。あと街の雰囲気も少し浮かれる感覚は小さいころから好きでした。楽しい思い出のほうが多いので、自分の子どもたちにも味わせてあげたいなと思います」