2021年に亡くなった(左上から時計回りに)細木数子さん、瀬戸内寂聴さん、古賀稔彦さん、小林亜星さん、田中邦衛さん、田村正和さん

 2021年も多くの著名人・有名人が惜しまれながらこの世を去ってしまった。週刊女性が撮り溜めた秘蔵写真で振り返る「追悼2021」。その輝きに夢中にさせてもらったこと、教わったこと、エンターテイメントの楽しさを伝えてくれたこと……決して忘れない。

昭和・平成・令和を駆け抜けた名優も

オリンピック柔道金メダル「平成の三四郎」

柔道金メダリスト・古賀稔彦さん

 3月24日、'92年バルセロナオリンピックの柔道金メダリスト・古賀稔彦さんが53歳の若さでがんのため亡くなった。関係者によると古賀さんは、'20年にがんの手術を受けて治療を続けていたという。

 現役引退後は、日本代表のコーチや大学の柔道部総監督として選手を指導。'04年のアテネ五輪では、教え子の谷本歩が金メダルを獲得した際、抱き合って喜ぶ姿が世界中に放送された。

「平成の三四郎」と呼ばれた古賀さんの3人の子どもたちも柔の道に入り、父の背中を追って戦っている。12月9日には、毎日スポーツ人賞の功労賞を受賞し、愛弟子であり五輪2連覇を果たした谷本歩が代わって受け取り「天国で古賀先生も笑顔で喜ばれていると思う」と微笑んだ。

【追悼】古賀稔彦さんが語っていた『古賀塾』教え子たちへの想いと“将来の夢”
https://www.jprime.jp/articles/-/20444

寡黙で不器用な「黒板五郎さん」

田中邦衛さん(1977)

 古賀さんが亡くなった同日、『北の国から』で黒板五郎役を演じた、俳優の田中邦衛さんが老衰のため88歳で亡くなった。田中さんといえば映画『若大将シリーズ』で加山雄三演じる若大将のライバル・青大将で人気を博す。その後の『北国から』で国民的な俳優となった。

 脚本を手掛けた倉本聰さんは「気持ちの中に大きな穴があきましたね。とにかく人間的にも友人的にも無二の人です」とコメント。

 息子・純役の吉岡秀隆は「いつか、この日が来ることを心のどこかで覚悟しておりました。今は邦衛さんの笑顔しか思い浮かびません。自分の覚悟の小ささとあなたの大きな優しさに涙しかありません」、娘・蛍役の中嶋朋子は「幼い頃から、今まで、何も変わることなく、人として、深く接してくださいました。田中邦衛さんという存在に出会い、見守っていただけたことは、かけがえのない宝ものです。役者として、人として、大切なものをたくさん教えていただきました。本当に本当に感謝でいっぱいです。大好きです。出会う人をみんな幸せにしてしまう少年のように無邪気な笑顔ばかりが胸に浮かびます。天国でも、たくさんの人を幸せにしてくださいね。ありがとうありがとうありがとう」と田中さんを偲んだ。

田中邦衛さん、自ら語っていた「引退宣言」と語り継がれる全身全霊の役作り
https://www.jprime.jp/articles/-/20540
田中邦衛は本当に「元気」なのか、近隣住民の証言でわかった妻との自宅闘病
https://www.jprime.jp/articles/-/11274

昭和・平成の名俳優「古畑任三郎」逝く

田村正和さんと妻の和枝さん(1970)

 田中さんの死からわずか10日後、またも日本の名優が旅立った。

 4月3日、心不全で77歳で死去したのは田村正和さん。時代劇のスター・阪東妻三郎さんの三男で兄・高廣さんと、弟・亮ともに俳優の道に進み「田村三兄弟」と呼ばれた。田村さんの訃報を受けて、弟の亮は「兄は幸せな人生を送ったと思います。仕事でもプライベートでも何事も自分のライフスタイルを崩さず全うしたと思います」とコメント。

 ドラマ『パパはニュースキャスター』('87年)、『ニューヨーク恋物語』('88年)など、主演ドラマは軒並み大ヒット。『古畑任三郎シリーズ』('94年〜'08年)は最高視聴率34.4%を記録。来年1月11日には『古畑任三郎 DVDコレクション』の発売が発表された。

田村正和さん「もしお元気だったら」三谷幸喜も待ち望んだ『古畑任三郎』の復活
https://www.jprime.jp/articles/-/20901
田村正和さん、結婚3年目に“100点の妻・和枝さん”にしていた「浮気話」
https://www.jprime.jp/articles/-/20951
田村正和さんが愛用した『古畑任三郎』“30万円セリーヌ自転車”は健在だった
https://www.jprime.jp/articles/-/20993

芸能界に“アイドル文化”を確立

最高視聴率は34.2%!『渡鬼』生みの親

橋田壽賀子さん熱海の自宅にて(2018)

 田村正和さん死去のニュースで悲しみに暮れる中、4月4日、橋田壽賀子さんが急性リンパ腫のため95歳でこの世を去った。亡くなる前日に闘病中の病院から退院したばかりで、静岡・熱海の自宅に戻っていたが翌日に帰らぬ人に。

 橋田さんといえば『おしん』('83年〜'84年)や『渡る世間は鬼ばかり』('90年〜2019年)の脚本家として活躍し、女優の泉ピン子とは家族同然の付き合いをしていたこともあり、泉は橋田さんの最期を看取ったという。「ママって呼んだら、目を開けて。安らかに眠るように亡くなりました」とコメントし、ピン子が最後の化粧を施した。

 10月に開かれた「東京ドラマアウォード2021」では橋田さんに特別賞が授与され、60年にわたりコンビを組んで『渡鬼』を制作してきた、石田ふく子プロデューサー(95)が代理でトロフィーを授与した。

【追悼】橋田壽賀子さん、生前に語っていた「私がお墓に入るとき」
https://www.jprime.jp/articles/-/20545
【追悼】橋田壽賀子さん、連載担当者に聞いた「最期の2年間」
https://www.jprime.jp/articles/-/20554
橋田壽賀子さん「幸楽は宅配とテイクアウトで…」『渡る世間は鬼ばかり』新作のテーマは“コロナ禍”だった
https://www.jprime.jp/articles/-/20591

「〜じゃあ〜りませんか」で一世風靡

 4月18日、吉本新喜劇座員のチャーリー浜さんが4月18日、誤嚥性肺炎、呼吸不全のため78歳で亡くなった。「〜じゃあ〜りませんか」のギャグで一世を風靡し、'91年『新語・流行語大賞』で年間大賞を受賞し、その後『ごめんくさい』などのフレーズも人気を呼んだ。

 チャーリー浜さん訃報を受けて、吉本新喜劇座長の小籔千豊は「先人の頑張りがあったから僕は吉本新喜劇でおらせていただいています。流行語大賞をとった新喜劇の人間はチャーリー浜さんだけです。全国の方々に吉本新喜劇を知っていただくきっかけをつくった最大の功労者のひとりであり、偉大な先輩です。」とコメントを発表。

昭和の頑固オヤジ『寺内貫太郎』

小林亜星さん(1976)

 作曲家・俳優として活躍した小林亜星さんが心不全で88歳で亡くなったのは5月30日だった。小林さんといえば『北の宿から』『この木なんの木』『ガッチャマンの歌』『魔法使いサリー』『ひみつのアッコちゃん』など、多くのヒット曲を手掛けただけでなく、'74年『寺内貫太郎一家』で昭和の大家族の頑固オヤジに大抜擢され人気を博す。

 最期は早朝の自宅で倒れ、そのまま同日に亡くなってしまったため多くの関係者、ファンが悲しみにくれ、数多くのCMソングを手掛けた縁もあり、日立製作所、日本生命、積水ハウス、明治、サントリーホールディングス、メガネドラッグなど多くの企業から追悼コメントが発表された。

 '21年の『第63回 輝く!日本レコード大賞』では特別功労賞を授与された。

小林亜星さんを悩ませた、絶縁8年「不肖の60歳息子」と「4億円遺産」の憂い
https://www.jprime.jp/articles/-/21179

“ジャニーズの母”として芸能界に貢献

メリー喜多川氏

 多くのアイドルを誕生させたジャニーズ事務所の名誉会長・藤島メリー泰子さんが8月14日、肺炎のため都内の病院で93歳で亡くなった。弟のジャニー喜多川('19年死去)さんと二人三脚で日本の芸能界に男性アイドルという文化を確立させ、多くのアイドルタレントを輩出した。

 お別れ会を開催し、盛大に見送られたジャニーさんとは対照的に、メリーさんは近親者のみでひっそりと見送られたというが、息を引き取った同日には、所属タレントが次々と病院に駆けつけ故人にお別れの言葉をかけたという。

 事務所の“長男”である、東山紀之は「厳しいマネージャーであり、良き理解者であり、そして、優しい母親でもありました。私の人生でなくてはならない存在のメリーさんが天国に旅立ちました。(略)行く先々を明るく照らしてくれて本当にありがとう。天国のジャニーさんによろしくね」とコメントを発表した。

メリー喜多川さん“女帝”ではない「衣装おばさん」の顔と、滝沢秀明に託した“遺言”
https://www.jprime.jp/articles/-/21732
木村拓哉、インスタに添えた「2枚の匂わせ写真」が示すメリー喜多川さんとの親密度
https://www.jprime.jp/articles/-/21711

生き方を問う2人が相次いで……

日本を代表するアクション俳優

週刊女性が最後のメディア取材となった千葉真一さん(2021)

 メリーさん死去から5日後の8月19日、今度は日本を代表するアクションスターがこの世を去った。「千葉真一さん、新型コロナウイルスによる肺炎で死去」のニュースはコロナの恐ろしさを再認識させ、改めて感染防止の必要性を訴えた悲しい出来事だった。

 週刊女性は千葉さんが亡くなるわずか1か月前にインタビューをしており、そこでは長男の新田真剣佑に対し「俺を超えたな」と認め、次男の眞栄田郷敦とともに親子共演を望んでいた。

 真剣佑は海外での撮影中に父の訃報を知り、帰国しても遺骨に会えないまま納骨されたことが明らかに。

【千葉真一さん死去】先月語っていた息子・真剣佑と郷敦のこと、そして「新たな夢」
https://www.jprime.jp/articles/-/21720
千葉真一さん、80歳を超えてハマった“意外な趣味”と真剣佑と郷敦との最期の夢
https://www.jprime.jp/articles/-/21725
千葉真一さんが売り込んだ、真剣佑と郷敦を従えた「ハリウッド時代劇」の中身
https://www.jprime.jp/articles/-/21730

“生きる道しるべ”を示してくれた2大女性の相次ぐ訃報

細木数子さん
瀬戸内寂聴さん

 六星占術の創始者でタレントとしても多くのテレビに出演して人気者となった細木数子さん死去のニュースが駆け巡ったのは11月8日のこと。心不全のため都内の自宅で83歳で亡くなった。

 その翌日、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが同じく心不全のため99歳で死去したニュースが報じられると、「生き方を問う2人が相次いでなくなるなんて……」とネット上では多くのコメントが上がった。

 お二人とも高齢のため晩年はメディア露出を控えていたが、訃報に悲しみの声が広まったのは言うまでもない。

【追悼】細木数子さん「絶対に忘れてはいけない」後継者に語っていた慈愛と予言
https://www.jprime.jp/articles/-/22475
瀬戸内寂聴さん、5年間干された過去と「酒・肉・イケメン」を愛した波乱万丈人生
https://www.jprime.jp/articles/-/22479

鬼平犯科帳、人間国宝とのお別れ

中村吉右衛門さん(1969)

 11月28日、歌舞伎俳優で人間国宝の中村吉右衛門さんが、心不全のため77歳で亡くなった。吉右衛門さんは'21年3月に急性の心臓発作で倒れ、その後は治療に専念するため舞台の休演が続いていた。

 兄である松本白鸚は「別れは何時の刻も悲しいものです。今、とても悲しいです。たった一人の弟ですから。幼い頃、波野の家に養子となり、祖父の芸を一生かけて成し遂げました。病院での別れの顔は、安らかでとてもいい顔でした。播磨屋の祖父そっくりでした」とし、悲痛な胸のうちを語った。

中村吉右衛門、心臓発作の現状と「跡継ぎがいない」播磨屋の”空位危機”
https://www.jprime.jp/articles/-/22350
【秘話】中村吉右衛門さんの娘婿・尾上菊之助が叶えたかった「養子縁組」「復帰公演」
https://www.jprime.jp/articles/-/22643

35歳での急逝に悲しみの声、続々……

神田沙也加さん

 12月18日、札幌のホテルの高層階から転落し、多発外傷性ショックのためこの世を去った神田沙也加さん。夢であった舞台、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』出演のために滞在していた。

 父・神田正輝と母・松田聖子は沙也加さんの遺骨を位牌を胸に、“親子3人”で記者会見し、その姿に多くの人が涙を流した。沙也加さんの悲報は年の瀬が迫った12月末まで続き、今でもなお悲しみは続いている状態だ。

神田沙也加さんが生まれた日、立ち会った関係者が語る「本当に幸せな親子だった」
https://www.jprime.jp/articles/-/22803
神田正輝、沙也加さん急逝の計り知れない悲しみ 記者に明かしていた「親子を超えた関係性」
https://www.jprime.jp/articles/-/22792

◆いのちの電話
【相談窓口】
「日本いのちの電話」
ナビダイヤル 0570(783)556(午前10時~午後10時)
フリーダイヤル 0120(783)556
※毎月10日にフリーダイヤル(無料)の電話相談を受け付け
毎月10日:午前8時~翌日午前8時

2021年にお別れした主な著名人・有名人

1月23日  坂本スミ子さん(84・歌手・女優、脳梗塞)
4月11日  隆大介さん(64・俳優、頭蓋内出血)
4月25日  神田川俊朗さん(81・料理研究家、コロナ肺炎)
4月39日  立花隆さん(80・ジャーナリスト、急性冠症候群)
5月5日   富永一朗さん(96・漫画家、老衰)
5月6日   三浦健太郎さん(54・漫画家、急性大動脈解離)
5月23日  片岡秀太郎さん(79・歌舞伎役者、慢性閉塞性肺疾患)
6月18日  寺内タケシさん(82・ギタリスト、肺炎)
6月22日  李麗仙さん(79・女優、肺炎)
6月26日  和田圭さん(68・元フジテレビ解説委員、急性心不全)
6月30日  大島康徳さん(70・元プロ野球選手、大腸がん)
7月16日  酒井政利さん(85・音楽プロデューサー、心不全)
8月14日  ジェリー藤尾さん(81・歌手・俳優、急性肺炎)
8月17日  笑福亭仁鶴さん(84・落語家、骨髄異形性症候群)
9月17日  竹下亘さん(74・政治家、食道がん)
9月20日  風間ルミさん(55・女子プロレスラー、不明)
9月30日  すぎやまこういちさん(90・敗血症性ショック、作曲家)
10月14日  森山真弓さん(93・元政治家、老衰)
10月21日  杉本沙織さん(56・声優、食思不振症)
11月4日  川嶋辰彦さん(81・紀子さまの父親・学習院大名誉教授、中皮腫)

 みなさまのご冥福をお祈り致します。