新型コロナウイルスの感染拡大の中、2021年も外出を伴う公務に大きな制限がかかってしまった天皇・皇后両陛下をはじめとする皇室の方々。そんな状況の中でもオンラインなどを駆使することで、コロナ禍以前に恒例となっていた公務や地方行事に出席されるなど、工夫しながら国民に寄り添われた1年となった。
公的なご活動の一方で、国民が大きな関心を寄せたのは、秋篠宮家の長女・眞子さんと小室圭さんのご結婚。'18年2月に婚約が延期されてから約3年9か月後の今年10月26日、晴れておふたりは夫婦となった。その翌月からアメリカ・NY州で新婚生活をスタートさせている。
ほかにも、天皇家の長女・愛子さまが12月1日に20歳のお誕生日を迎えられ、成年皇族に。今後は内親王として、公務や宮中祭祀に臨まれるなど、皇室にとって重要な存在になられていくだろう。12月23日には上皇さまが88歳の米寿をお迎えになったが、これは記録が残るうえで歴代天皇の中で最長寿に。年の後半はおめでたいニュースが続いた形となった。
来年のご活動や、健やかな日々を過ごされることに期待を抱きながら、今年の主だった皇室の方々のご動静を写真で振り返ってみるーー。
◆珠玉写真で振り返る「2021年の皇室」
●1月1日、新型コロナの感染拡大で新年一般参賀が行われなかったため、ビデオメッセージで国民に思いを伝えられた天皇・皇后両陛下。天皇陛下は「皆が互いに思いやりを持って助け合い、支え合いながら、進んで行くことを心から願っています」、雅子さまは「今年が皆さまにとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします」と、それぞれ思いを述べられた。
●新年に際して公開された天皇・皇后両陛下と愛子さまのお写真。机には'21年の干支である牛にちなんだ工芸品が並べられている。陛下は福島県会津地方の民芸品「赤べこ」について「疫病退散の縁起物である」と、その由来を話されていたという。
●新年に際して公開された秋篠宮ご一家のお写真。新型コロナの感染防止のため、ご一家が別々に撮影された。10月末に小室圭さんと結婚した眞子さんにとって、皇族として撮影する最後の新年写真に。
悠仁さまはお勉強の日々
●5月25日、皇居内の『紅葉山御養蚕所』で、皇后に代々受け継がれてきたご養蚕の作業を。令和へのお代替わりに伴い、上皇后・美智子さまから引き継がれた。この日は、蚕に餌となる桑の葉を与える「給桑」の作業をされた。担当者に葉の与え方を確認したり、成長のペースを尋ねたりしながら、蚕の上に丁寧に桑の葉を置いていかれた。
●5月30日、島根県で行われた『全国植樹祭』に赤坂御用地からオンライン形式で参加された天皇・皇后両陛下。スギやヤマザクラを植えられたおふたり。この植樹祭は、両陛下にとって毎年恒例の地方訪問で、重要な位置付けである『四大行幸啓』のひとつ。
●8月15日、『全国戦没者追悼式』で黙祷された天皇・皇后両陛下。陛下は今年も「深い反省」との表現で追悼の意を表し、感染拡大が続く新型コロナウイルスにも言及された。東京都に緊急事態宣言が発令されていたこともあり、参列者数は過去最小の計185名。参加者の最高齢は94歳、最年少は16歳だった。
●9月6日、悠仁さまが15歳のお誕生日を迎えられた際の宮内庁提供写真。中学3年生の悠仁さまがお父さまの秋篠宮さまと談笑されて。悠仁さまは6月、コロナで中止となった修学旅行の代わりに、3日連続で校外学習に取り組まれた。生花店で働く障害者の話を聞いたり、水上バスに乗って東京湾から五輪関連施設などを見学されたりした。夏休み中は、高校進学を控えていることもあり、勉強されている時間が多かったという。
皇族として「最後のお誕生日写真」
●9月11日、紀子さまが55歳の誕生日を迎えられた際に公表されたお写真。コロナ禍の医療現場に関する本を前に、秋篠宮さまと言葉を交わされて。お誕生日に出された文書では、眞子さんのご結婚に関して《共感できることもあれば、意見が違うこともありますが、お互いに必要だと思うことを伝え合い、長女の気持ちをできるだけ尊重したいと思っております》と回答された。
●10月12日、紀子さまと小室眞子さんと佳子さまがお住まいで『全日本ろうあ連盟』の創立70年を記念する映画を鑑賞された。この映画は、耳の不自由な主人公が喜びや葛藤の中で障壁を乗り越えていく姿を通して、社会の課題や手話の魅力を描いたもの。紀子さまは長年、手話に関わり、眞子さんや佳子さまにも引き継がれてきた。佳子さまは、今年5月から『全日本ろうあ連盟』に非常勤の嘱託職員として勤務されている。
●10月19日、眞子さんが小室圭さんとの結婚を皇室の祖先などに報告されるため、宮中三殿を参拝された。これまで結婚に伴い皇室を離れる女性皇族は、装束姿で宮中三殿に上がって拝礼する『賢所皇霊殿神殿に謁するの儀』を行っていた。しかし、おふたりの結婚に対しては、国民の間でさまざまな受け止めがあることから、儀式としてではなく、私的な拝礼となった。
●10月23日、眞子さんが30歳を迎えられた際に公表されたお誕生日写真。赤坂御用地内で佳子さまと談笑されて。眞子さんにとって皇族として迎える最後のお誕生日となった。小室圭さんとの結婚に関して、国民の間でいろいろな意見があったが、仲のよい佳子さまはずっと眞子さんのことを応援し、支えてこられたそう。
多くの国民が見守った“世紀の結婚会見”
●10月26日、小室眞子さん30年間過ごしたお住まいを後にする際、妹の佳子さまと抱き合われた感動的な場面。眞子さんの手には、紀子さまや秋篠宮家に仕える職員たちが作成したという、皇族時代の「お印」だった『モッコウバラ』のブーケが。秋篠宮ご夫妻も、眞子さんが乗る車が見えなくなるまで、名残惜しいように最後までお手振りを。この日、眞子さんは小室圭さんと結婚した。
●10月26日、都内のホテルで結婚会見に臨んだ小室圭さんと小室眞子さん。圭さんは開口一番、「私は眞子さんを愛しております」と妻への思いを力強く語った。一方の眞子さんも「私にとって、圭さんはかけがえのない存在です。そして私達にとって結婚は、自分たちの心を大切に守りながら生きていくために、必要な選択でした」と、圭さんとの結婚がいかに自分にとって必要であったかを国民に伝えた。
●11月14日、NY行きの飛行機に乗り込む直前の小室眞子さんと圭さん夫妻。圭さんが着ているTシャツからは映画『スター・ウォーズ』に登場するキャラクターであるダース・ベーダーのイラストがひょっこり。ネットで話題を呼んだ。現地に着いた小室さん夫妻は、リラックスした表情で出迎えた関係者に挨拶を。現在は、NY州マンハッタン地区にある『ヘルズ・キッチン』という地域で新婚生活を送っている。
●11月30日、秋篠宮さまが56歳のお誕生日をお迎えになった際に公表されたお写真。赤坂御用地内を佳子さまと悠仁さまと散策されて。父親で『学習院大学』名誉教授だった川嶋辰彦さんが11月4日に他界し、服喪期間に入っている紀子さまは、この撮影にはご不在。お誕生日会見で殿下は「元気で暮らしてくれればいいなという気持ちでしょうかね」と、眞子さんの健康を願われた。
娘の成長をあたたかく見守られて
●12月1日、愛子さまがお誕生日になられた際に公表されたお写真。愛犬の『由莉』とご一緒に赤坂御用地内を散策された。由莉と愛子さまとの出会いは2009年の春。両陛下が動物病院で保護されていた生後2カ月のメスの子犬を引き取り、愛子さまが『由莉』と名付けられた。愛子さまにとって「妹とも親友とも呼べる存在」であり、眞子さんが結婚前にお別れの挨拶のためお住まいに訪れた際も、由莉は同席していた。
●12月5日、成年行事で『ローブ・デコルテ』と呼ばれる正装のドレス姿を披露された愛子さま。勲章である『宝冠大綬章』を天皇陛下から授けられた愛子さまは、黒田清子さんが所有するティアラを借用された。近年は皇室の公的な予算にあたる『宮廷費』で製作されることが多くなっている。しかし、今回はコロナ禍で困難を強いられている国民がいる中で、高価なティアラを新調することを避ける決断をされた天皇ご一家。
●12月9日、雅子さまが58歳をお迎えになられた際の宮内庁提供写真。20歳になられた愛子さまに関して言及された。お誕生日に際して公表された文書では「あの幼かった愛子がもう成年かと思いますと、信じられないような気持ちもいたします」と綴られ、「これからも様々な経験を積み重ねながら一歩一歩成長し、成年皇族としての務めを無事に果たすことができますよう願っております」とのお気持ちを述べられた。
●12月23日、上皇さまが88歳をお迎えになった際の宮内庁提供写真。記録で確認できる歴代天皇の中では最長寿となられた。体調には大きな問題はないものの、年齢相応に物忘れや記憶が不確かになることもあるそうで、美智子さまに事実を確かめて「そうだったね」と笑顔で納得されることも。現在は高輪皇族邸で、美智子さまとお互いを支え合いながら穏やかに日々を過ごされている。
撮影/『週刊女性』写真班、JMPA代表 写真/宮内庁提供