12月26日、再ブレイク中の歌手・華原朋美(47)が、東京・池袋のホテルの大宴会場でじつに2年ぶりとなるディナーショーを開催。
『I BELIEVE』『save your dream』『Hate tell a lie』など自身のヒット曲を始め、冬を意識した曲など全部で10曲を披露。1200人の観客を魅了した。
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大手事務所から独立後初となるこのディナーショー、売り出されたチケットは発売後数日で完売。たちまちプレミア化したという。
現在、バラエティー番組に引っ張りだこ状態で、今年“株が上がった人物”のひとりとも称されている華原の人気ぶりからして当然の結果といえるだろう。
生バンドを従え、ピンク色のゴージャスなドレス姿で登場した華原。往年のオペラ歌手をほうふつとさせる風格で、まず『アメイジング・グレイス』を披露。変わらぬ澄んだ声で、誰もが知る讃美歌を歌い上げた。
目指すは第2のデヴィ夫人
その後は『I BELIEVE』『save your dream』『Hate tell a lie』と、おなじみのヒット曲を続けた。
MCの時間になるとまず、テレビで再三語っているお金の話題に。
「皆さん、今日は高い高いお金を払って、来てくれてありがとうございます。皆さん、お金は本当に大事ですよ。私もお金をもっともっとためて、馬を買いたいんです。
お金はね、大切ですよ、本当に。これまでお金のことを全然知らなかったから信じられないような損をしてきたし、これから先だって何があるかわからないし。
デヴィ夫人って、お仕事断らないんですってね。だから私も、第2のデヴィ夫人を目指そうと思ってます!
テレビ局には私がオーディションを受けまくっていた10代のころにADだった人たちが今、ディレクターやプロデューサーになっていて、局で会うと私の(華原朋美になる)前の芸名で呼んでくるんですね。そういう人に頭を下げて、お仕事もらってます(笑)。あ、(マネージャーである)旦那もがんばって仕事を取ってきてくれるんですけどね」
自身の曲の合間には、当時のやり取りも披露。
「『I BELIEVE』は、実は私の曲ではなかったんです。そのときの私の“オーナーさん”が、『華原が歌ってもいいんじゃない』ってことで私の曲になりました。当時は、曲のタイトルを決めるのにもよく意見を求められていました。
『I BELIEVE』か『I'm BELIEVE』か、とか、『I proud』か『I'm proud』か、とか。どちらも私の意見を通してくれました。
『I'm proud』がリリースされた頃、『僕は正直、ここまで朋ちゃんが売れるとは思ってなかった』と言われたことがありました。『そうだったんだー』って、思いましたけど。そのころ、彼はこの曲を私の家族のためだけに歌ってくれたこともありましたね。そんなこともありました。いろんな思い出があって、私は『I'm proud』が最高の絶頂の曲なんです」
「私の人生を映画に」
転機となったバラエティ番組は『アウト×デラックス』(日本テレビ系)だという。
「マツコ(・デラックス)さんに『あなたは本当にすごい歌手なのよ』といわれて嬉しくって『そうです〜♪』って歌で返しちゃって。そして『あの“彼”は華原朋美なのよ!』と言われて、そうか! って。本当に気づきがありました。
男女って、いろいろありますよね。私はもう、どうでもいいかな、って思っているんで、また会って、お仕事できるといいなって思ってます。またデュエットとかできないかな、って思ってるんですけど、嫌がられちゃうのかなー、なんて(笑)」
この日は華原の両親や、彼女が日ごろから慕っている作家の岩井志麻子(57)などの顔もあり、華原が壇上に招き入れる場面も。
「岩井先生は『あなたは“負け”じゃない。完全に“勝ち”なのよ』って言ってくださって、本当に嬉しかったです。
両親を始め家族には、本当に心配をかけました。でも今は、私がテレビに出るのを楽しみにしてくれているので、私も母に『今度、何月何日の何時からのこの番組に出るから観てね』って連絡するのが楽しみです。
旦那もね、夜遅く帰ってきて朝早く出てしまうので、家族の時間がなかなか取れないんですね。それで何度か怒ったんですけど(笑)、まあそうやって仕事を取ってきてくれているわけですしね。おかげで年末も忙しいんですが。
とにかく、10年前は今の自分がこんなになっている、こんなに幸せになっているとは全然予想ができなかったでしょうね。支えてくれるファン、スタッフ、家族……。本当に感謝しかないです」
ラストの曲は、前述のように思い入れがある『I'm proud』。
歌い上げると、これからの抱負を語った。
「来年は、新曲をいくつか発表したいです。いま歌詞を書いているんですよ。曲作りのために少し仕事をセーブしようかと思っていたんですが、おかげさまでかなり先まで仕事が入っています。
あと、絶対やりたいのは、私の人生を映画にすることですね。主役は私が務めます(笑)。ジェットコースターのような山あり谷ありの連続でしたから。ラブシーンも、入れます! みんな観たくないかもしれないけど(笑)」
過去を否定しない強さこそ、まさに『I'm proud』――。
〈取材・文/木原みぎわ 撮影/高梨俊浩〉