2017年、新恋人について記者会見を開いたいしだ壱成

 いしだ壱成(47)が3度目の離婚をした。2018年に24歳下の女優・飯村貴子と「できちゃった」再々婚。しかし、食費にも事欠くような、まさに妻子を食わせられない状況に陥っていたという。雑誌では、

パワーストーンの販売やインターネットのライブ配信で収入を得ていた時期もあったのですが……

 と、告白。10年前にはパワースポットだという石川県の神社の近くに引っ越したが、あまり御利益はなかったようだ。なお、ライブ配信では代表作『未成年』(TBS系・1995年)のラストシーンを再現したりしている。脚本は野島伸司だ。

いしだ壱成は“野島ドラマ”みたいな人生

 何しろ、この作品、出演陣がすごい。例えば、家庭教師に妊娠させられる令嬢役でまだ女優だったころの浜崎あゆみが出ている。生まれる子どもの父親代わりになるのは、河相我聞だ。実生活では「隠し子」がいたことがのちに発覚。ちなみに「石田純一の隠し子」として世に出たのがいしだである。

 そんないしだは、実生活で最初の子どもを手放した。最初の妻が子連れで再婚したのは谷原章介。ややこしいことに、谷原はこのドラマではいしだの兄で、憎まれ役だ。

 また、香取慎吾や反町隆史も出演。香取はジャニーズを辞めて『新しい地図』を立ち上げたが、反町もそもそものデビューはジャニーズJr.のユニット『平家派』だったりする。ほかにも、このあと朝ドラヒロインになったものの騒動を連発するようになってしまった遠野なぎこや、酒気帯び運転で逮捕された北原雅樹(グレートチキンパワーズ)などが。

 とまあ、お騒がせぶりも含め、錚々たる面々がそろうなか、主役を演じたのがいしだだったわけだ。

 これはおそらく、偶然ではない。ドロドロの展開で売る野島ドラマには「濃い」人たちが似合う。「濃い」といえば、のちにクスリで逮捕されるいしだと酒井法子が『聖者の行進』で共演している。

 いしだは逮捕直前、交際していた女優と破局。また、一般女性との二股発覚で別の女優と別れてもいる。その女優は当時がんで闘病中、一般女性は自殺未遂も報じられた。そんな野島ドラマみたいな人生を送るような人だからこそ、彼はその世界にうまくハマったのではないか。

 ただ、それ以外の作品では今ひとつ冴えない。しかも、人生の脚本はもっと残酷だった。かつて“フェミ男”人気を二分した武田真治が筋肉俳優として再ブレイクしたのとは対照的だ。

「まさか家族に騙されるなんて……」

 いしだは昨年11月に小誌で、これまでの人生を激白。人気絶頂のころ、事務所の代表でもあった父からギャラを「搾取」されていたことも明かした。事業失敗の補てんに使われていたという。

父も最初から騙すつもりはなかったと思うのですが、うつ病で思考がネガティブになっていたこともあって“まさか家族に騙されるなんて……”と、どんどんマイナス思考になっていきました」

 と言いつつ、離婚を告白した雑誌では「ぼくと父は何か欠落している。やっぱり“同じ生き物”な気がします」という共感的な発言も。年末年始は父のもとで過ごすと話していたいしだ。「運がよければ芸能界に戻れるかも」と、希望も口にしていた。

 ここから見えてくるのは、彼の今後である。アルバイトまでしてくれていたという妻に去られた以上、メディアに出て、そのぐだぐだな人生を売っていくしかないのではないか。父も一緒なら、それなりに稼げるだろう。少なくとも、陽のパワーが感じられない石を売るよりは──。

PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。