この年末年始も、各局の音楽特番や年越しライブなど、人気バンドやミュージシャンたちの表立った活動が盛んに見られたが、いきものがかりは違った。
「'21年6月に突如、ギターの山下穂尊さんが脱退し、芸能界を引退すると発表したのです。山下さんを含む3人でのラストライブを6月に終え、7月に放送されたTBS系の音楽特番『音楽の日』が3人体制最後の地上波出演でした」(音楽誌ライター、以下同)
一部では不仲説も噂されたが、脱退の理由には、40代を目前に人生を考え直したことや、音楽やグループに向ける気持ちのズレを挙げていた。
「ボーカルの吉岡聖恵さんとギターでリーダーの水野良樹さんの2人体制となったいきものがかりは、9月にYouTubeの人気チャンネル『THE FIRST TAKE』に登場しましたが、以降は吉岡さん、水野さんそれぞれでのソロ活動ばかりになっています。一方、脱退した山下さんは、ひそかに“グループ活動”を継続していますよ」
脱退したあとも“取締役”
いきものがかりからは脱退したはずだけど……。
「'20年5月から『梅の花咲く頃』というユニットを組んで、『イラストーリーディング』という山下さんの詩と、山下さんの友人でイラストレーターのKITOさんの描いたイラストを組み合わせた作品をインスタグラムに投稿しています。これを脱退後も続けており、いまも山下さんの活動を見ることができます」
ただ、いきものがかりと山下の関係も続いている様子。
「3人が'20年に当時の所属事務所から独立した後に設立した『MOAI』という会社の取締役に、今も山下さんは名前を連ねているんです。バンドを脱退した後も、役員報酬のお金は受けとれる状態ということでしょう」(レコード会社関係者)
会社登記を確認すると、たしかに取締役として山下の名前が記されていた。
今後もいきものがかりに関わる活動をしていくということなのか。それらを確かめるべく、12月中旬の昼下がり、山下の自宅を訪ねた。インターホンを押すと、山下本人が応対し、はじめは、
「お話しすることが難しいので、契約している事務所のほうに連絡していただいてもいいですか?」
としながらも、質問を続けると、丁寧な口調で答えた。
違和感を覚える“双方の言い分”
─今後もバンドや音楽活動はする?
「楽曲提供をやったりはしていこうと思っています。友人を手伝ったり……」
─水野さんと吉岡さんと連絡は?
「とってますよ!」
─いきものがかりにも楽曲提供するということ?
という質問をしたところで
「ちょっと電話がかかってきたので、すみません」
と言ってインターホンは切れた。
改めて、『MOAI』に山下が取締役のままである理由や、今後の活動について問い合わせたところ、
「事務的な残務処理のためです。取締役は年度末に退任予定です。山下の今後の活動につきましては、すでにアーティストとしての所属を離れているため、弊社がお答えする立場にはありませんが、本人からは自身のペースでさまざまな活動をしていくと聞いております」
との回答。“契約している事務所”と話す山下と、“所属を離れている”とする『MOAI』にちょっとした違和感を覚えるのだが……。