青山学院大学の2年ぶり6回目の総合優勝で沸いた『第98回東京箱根間往復大学駅伝競争』。その通称「箱根駅伝」で炎上したのが立憲民主党の蓮舫参議院議員だ。
往路が行われた1月2日、自身のツイッターを更新して《5区!!!がんばれ、母校》と出身校の青学を応援したまではよかったが、添えられた写真が物議を醸した。写っていたのは、同大・原晋監督が“若の神”と名付けた若林宏樹選手が山中を疾走する姿。
若林選手は5区を走ったことから、小田原からゴールの芦ノ湖までのコース間で撮られたものだろう。沿道で拍手を送る観客に混じっていたのだろうが、これが“問題あり”と捉えられてしまった。
「というのも箱根駅伝のHPには《応援に関するお願い》として、新型コロナウイルス感染防止対策の一環で《スタート・フィニッシュ地点および各中継所、コース沿道での応援、観戦はお控えください。テレビなどでの応援、観戦をお願いします》と、沿道での観戦自粛を訴えていたのです。
仮に蓮舫さんが母校を応援したいがために箱根に向かい、そして沿道に出て声を上げていたのならば……。この“お願い”を無視したことになりかねませんよ」(全国紙記者)
母校のことを考えていない
揚々とアップした同氏のツイッターだったが、当然ながら、
《コース沿道での応援、観戦はお控えください》
《こっちは見に行きたいの我慢してテレビで応援してるのに…》
《母校の後輩たちのこと、考えて行動してない》
などと、沿道観戦をとがめる辛辣なリプライが多数寄せられることに。それを受けてか、翌3日には母校の優勝を称えるとともに“箱根の宿に3年ぶりに母と逗留した”ことを明かし、《我が母校と娘の母校の応援が楽しいと言う母との時間でした》と言い訳にもならないような思い出を綴ったのだった。
これで国会議員による“自粛破り”の炎上は鎮火するはずもない。すると同日に『日刊スポーツ』の取材に応えては、
《沿道の写真をSNSにあげましたが、宿の前でソーシャルディスタンスを保ちながら拍手での応援でした。以降は部屋のテレビでの観戦を行っています》
とのコメントを寄せた蓮舫氏。沿道で応援したことは認めるも、感染対策をした上での一時的な観戦だとして、以降はテレビで見ていたことを強調。あくまでも箱根駅伝を目的に現地に赴いたわけではないということか。
では、同氏が母と宿泊した“箱根の宿”に、その“アリバイ”を確かめてみよう。歴史ある温泉宿、箱根塔ノ沢においても多くの偉人らが愛し逗留した老舗旅館「A」。多くの旅行・ホテルサイト、またGoogleにおいても4つ以上の星がつけられた“四つ星ホテル”だ。
そのため大手旅行代理店のHPを確認すると、現時点での宿泊料金は1泊2名で4万〜8万円台。2泊したのならば8万〜16万円以上、さらにお正月のハイシーズンとなればそれ以上になるかもしれない。さすがは“四つ星”の高級旅館だ。
そんな旅館Aに話を聞くと、「はい、それ(蓮舫氏が宿泊したのは)は間違いありません。蓮舫さんは、お母さまの代からいらしています」と、箱根の宿に泊まったことは間違いなさそう。
沿道でずっと応援はしていない
では、沿道に出て観戦したことについてはどうか。
「(旅館を出る時に)ご挨拶はしますから、少しだけ出られたと思います。こちら(A前の沿道)でずっと応援するという形はとっておられません。
昔は多くの方が(旅館近くの沿道に立って)観戦していましたが、今はテレビカメラも新しい道路に移りましたし、この近辺で観戦される方はめっきり少なくなりました。(応援に)いらっしゃるのは常連の方ばかりですし、なので(密になることは)ありませんね」(A担当者)
確かに蓮舫氏が釈明したように、“ソーシャルディスタンス”を保っての応援ではあったのだろう。とはいえ、「そういう問題ではありませんよ」と苦笑いするのは前出の全国紙記者。
「感染対策をしたかどうかが問題ではなく、国民は長らく自粛を求められてきたのに、その代表である国会議員の蓮舫さんが守らなかったことが問題ですよ。もちろん、何がなんでも自粛とは思いませんが、今回の駅伝に限っては主催側から求められていたこと。
高級旅館に泊まること自体は私財ならば何ら問題ありませんが、母校の応援だからと意気揚々とツイッターにアップしてしまったのは、国民感情とのズレを指摘されても仕方がありませんよ」
箱根駅伝を主催した関東学生陸上競技連盟の発表によると、沿道で選手らを応援した観客は約60万人で、昨年の大会から3倍以上に増えたという。その中の1人に蓮舫氏も入ってしまったようだ。