昨年12月に成年を迎えた天皇家の長女・愛子さまが初の公務に出席されるなど、より一層国民からの期待がふくらんでいる。
「昨年12月25日、大正天皇の命日に行われた『大正天皇例祭の儀』に臨まれ、宮中祭祀デビューを果たされました。今年の元旦には早速、皇居内の宮殿で催された皇室の新年行事にあたる『新年祝賀の儀』で初めての公務にご参列。
新型コロナウイルス禍を受け、女性皇族の方々はティアラの着用を控えたドレス姿でした。次に注目されている愛子さまが参加される行事は、18日の『歌会始』。愛子さまがどのような歌を詠まれるのかに注目が集まっていますよ」
皇室担当記者がそう話すように、コロナ禍で皇室の方々が思うように外出を伴う公務が行えない中で、めでたく成年となられた愛子さまのご動静を多くの国民があたたかく見守っている状況だ。
自然とご友人が増えて
昨年12月の成年を迎えられた際に綴られた文書では、
《これからは成年皇族の一員として、一つ一つのお務めに真摯に向き合い、できる限り両陛下をお助けしていきたいと考えております。そして、日頃から思いやりと感謝の気持ちを忘れず、小さな喜びを大切にしながら自分を磨き、人の役に立つことのできる大人に成長できますよう、一歩一歩進んでまいりたいと思います》
と今後の抱負を述べられるなど、立派な成年皇族として成長されたことに周囲は感動すら覚えたことだろう。
ただ、愛子さまのこれまでの道のりには時折、困難もつきまとっていた。
「学習院初等科の2年生だったころ、同学年の男子生徒が乱暴な振る舞いをして“学校に行くのが怖い”という理由で、一時期は不登校ぎみになってしまわれたのです。
それから1年半ほどはお母さまである雅子さまが付き添われて少しずつ登校し、一部の授業だけに出席される日々でした。両陛下は当時、雅子さまの付き添いに批判の声が出るのは覚悟していたものの、愛子さまを守りたいという“親としてのお気持ち”を優先されたそうです」(宮内庁関係者)
学校を休みがちで愛子さまが苦しまれていたとき、愛子さまに一筋の光明が差し込んだ。当時、学習院のバスケットボール部のコーチを務めていた男性から「バスケをやってみませんか?」とのお誘いが愛子さまの学校生活を一変させたという。
「愛子さまは元々、ご両親譲りの運動神経をお持ちでいらっしゃいました。テニスやスキー、バドミントンやソフトボールなど、いろいろなスポーツに長けておられます。ご自身としてもスポーツがお好きだったこともあり、コーチからの誘いを受けてバスケットボール部に入部されたところ、どんどんのめり込まれました。
チームスポーツなので、自然に仲間とコミュニケーションをとる中で友達も増え、学校に通うことが楽しくなって、不登校問題は解消されたのです。最近まで住われていた赤坂御所のお庭でも、職員たちとバスケを楽しまれる姿をよく拝見していました」(侍従職関係者)
「全ての経験が私の財産に」
小・中・高と、学生生活はバスケットボールとともにあった愛子さま。
「初等科時代のバスケ仲間が中学と高校でバスケの試合に出ているときは、お忍びで会場に出向き、一生懸命応援されていました。
高校1年生のときには、3学年合同のクラス対抗トーナメントで、愛子さまのクラスは3年生相手にバスケの試合で大金星を挙げたのです。普段からバスケに慣れ親しんでいた愛子さまも積極的にシュートされるなど、活躍されたと聞きました」(同・前)
'17年の5月には、ご両親とともに車いすバスケットボールの大会を会場で観戦され、愛子さまは試合展開に夢中のご様子だったという。
「車いす同士が衝突したり、タイヤが摩擦を起こした際のゴムの焦げた臭いなど、現地でしか感じられない迫力のある試合に、雅子さまは驚かれていました。愛子さまも同じく、どちらのチームが勝つか分からない試合展開に興奮されたご様子で、夢中になって拍手を送られていました。
試合後、愛子さまは選手ひとりひとりに声をかけられ、“トレーニングはどうしているのですか?”“何がきっかけで車いすバスケットを始めたのですか?”などと熱心に質問されていたのが印象に残っています」(大会関係者)
愛子さまが小学5年生だった'12年、お誕生日に際して寄せられた文書の中で、雅子さまはこう綴られている。
《5年生になってからは、学校の勉強も随分と大変になってきましたが、愛子が、お友達にも恵まれ、管弦楽部やバスケットボール部といったクラブ活動を含む学校生活や、英語の勉強など様々なことに意欲的に取り組んでいることは大変嬉しく、そのように愛子が成長していく姿を心強く思いながら、母親としてできるだけの手助けをしたいと思って過ごしております》
バスケットボールを通してスポーツの素晴らしさを知り、かけがえのないご友人も得たことは、愛子さまの人生に大きな影響を与えたことだろう。
《様々な方と出会い、関わることを通じて、人と人とが互いに手を取り合い、交流の輪が広がっていく素晴らしさを学び、全ての経験が、今、私の財産となっています。今日に至るまで私の歩みに関わってくださった全ての方に深く感謝いたします》
成年における文書でも、そう記された愛子さま。これから両陛下を支えていかれる内親王に大きな期待を寄せたいーー。