世界各地で上演された名作ミュージカルが日本初上陸。男性同士の恋愛劇を演じる平間壮一&小関裕太は小学生の頃からの付き合い。ズボンを後ろ前にはいて踊っていた平間&カーテンで服を作っていた中学生の小関。そんな2人は……大人になっても、やっぱりヘン!?
小関&平間、2人の共通点
「男性が男性を好きになる理由って、男にしかわからない部分をわかってもらえるからという点もあると思うんです。裕太とは古くからの付き合いでよく知っているから、この2人でやる意味がそういう面からも出たらいいなあと」
と語るのは平間壮一(31)。ミュージカル『The View Upstairsー君が見た、あの日ー』で、現代から突然1973年にタイムスリップしてしまう主人公のウェスを演じる。
そして、突然現れたウェスにひかれていく若き男娼・パトリックを演じるのが小関裕太(26)。物語は、ニューオーリンズに実在した「アップステアーズ・ラウンジ」という同性愛者クラブで、1973年に実際に起きた放火事件が題材となっている。
小関「僕は、見た目はもちろんだけど、“きれいになりたい”という思いをつくっていきたいなと思って。メイクが好きな男友達に“どうやったらきれいになるの?”と聞いたりしました。そしたら“もう十分きれいだから大丈夫だよ~。でも教えるね~”と言ってくれて(笑)」
平間「昔から、裕太はいつもかわいいよ!」
小関が小学生のころからの付き合いという2人だけに、仲のよさもばっちりだ。
平間「裕太のこと、最初は宇宙人だと思っていた。すごく自分の世界を持っていたから。あと昔からまじめだよね。役のイメージの服をカーテンで作って稽古着にしていたでしょ」
小関「ああ! 中学生のときですね」
平間「主人公以外の役が決まっていなくて、やりたい役に合うような服を自分で縫ってきたんだよね」
小関「でも、その役は壮一さんがやることに決まって、悔しかったなあ!」
そんな2人の共通点を尋ねると、「人の目を気にせず、下駄をはいて生活しちゃうようなところ」と平間。
小関「壮一さんはズボンを後ろ前にしてはいていましたよね。おもしろいなと思って僕もちょっとやってみたけど、はき心地が悪くて断念。壮一さんはそれでバリバリに踊っていて、すごいなあと思いました」
平間「けっこう下げていたからね。自分を出したくてやっていたというのは、裕太のカーテン服と同じかも。ヘンなの、俺ら(笑)。でも、裕太は最近すごく大人になったよね」
小関「わあ、うれしい!!」
平間「大人感でいうと、追い越された気がするもん」
小関「それはないですよ!(笑)」
人の心を変えるのはすごく大変
LGBTQがテーマの今作。小関は、「“それぞれが持っている孤独”が、奥にあるテーマなんじゃないかと思うようになった」と語る。
小関「性別だけじゃなく、コンプレックスとか引け目に感じていること、人から言われて傷ついたこと。重い軽いはあるにしろ、全世界の誰もが孤独を持っていると思うんです。もちろん僕自身も。なので、誰かの孤独に寄り添えるような作品になったらいいなと思っています」
また、過去にLGBTQがテーマの別作品を経験している平間は、「人の心を変えるのはすごく大変というのはわかっているので、一回考えて覚悟を決めて、この役を受けた」と。
平間「僕も今、“自由になりたい”とか“縛られたくない”という気持ちがあって。“人間であればいいんじゃないか”みたいな、そんなところがちょっとでも伝わればいいなと思っています。
あと、LGBTQに限らず“人に悪いことをするのはよくないよね”“人のことを考えようね”という至極単純で大事なことを感じてもらえたら」
公演は冬本番の2月。2人とも「冬、好きです!」と口をそろえる。
小関「やっぱり冬は、鍋をしたくなりますよね」
平間「この間、鍋の素を使わずに自分でスープから作ったよ。中華スープの素やしょうゆで味付けして、野菜をバーっと入れて。おいしかった!」
小関「僕、まだそこまではできないや。素を使っちゃいます。最近、よく作っているのはあごだし系。そこに海鮮を入れるとすっごくおいしいんですよ!」
平間「ああ、わかる。白身魚、最強だな!」
鍋でも意気投合の名コンビ、寒さも吹き飛ばす2人の熱演を期待しよう!
●今年やりたいことは?
小関「僕は“役”と向き合う年にしたいなと。去年は写真や司会、音楽などに向き合うとか、そういうことを意識して過ごしたんですけど、最近、“もう一歩、役に近づいて演じたいな”という思いが増してきて。演じる“役”だけじゃなく、現場での役目や役割など、いろんな“役”と向き合いたいです」
平間「もっと絵を描きたいです! 最近はiPadなどに描くことが多くて、紙など実際にある物に描くことをやっていなかったので、今年の目標にしたいなと。タトゥーの絵柄、中でもトラディショナルスタイルという昔ながらの絵柄が好きで、よく参考にしています。何か形になれば、なおいいな」
●ミュージカル『The View Upstairs -君が見た、あの日-』
【東京公演】
■日程: 2月1日(火)~2月13日(日)
■会場:日本青年館ホール
【大阪公演】
■日程: 2月24日(木)~2月27日(日)
■会場:森ノ宮ピロティホール