「卑下でも何でもなく、自分は月9のヒロインにはならない人間だろうと思っていたので。そこに私を呼んでくださる方がいて、夢みたいです。本当に、各所に感謝感謝です(笑)」
菅田が“可愛い” “魅力的”と大絶賛
初回13・6%(ビデオリサーチ、関東地区、世帯)と好スタートを切った月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』。殺人容疑をかけられた大学生・久能整(菅田将暉)は類いまれなる洞察力&分析力で嫌疑を晴らし、警察からも一目置かれるように……。伊藤が演じる新人刑事・風呂光聖子も、整にそんなまなざしを向けるひとりであり、本作のヒロインだ。
「立ち位置的にわかりやすいヒロインではないんですが、やっぱり小さいころから月9には特別な印象がありました。しかも主演が菅田将暉さん。そもそも、菅田さんとの出会いが月9の『大切なことはすべて君が教えてくれた』('11年)なので」
当時、伊藤は高校1年、菅田は高校3年だったという。
「11年ぶりの共演がまた月9というのも縁を感じて。運命、とまで言ったら語弊があるかもしれませんが(笑)。再会の瞬間? 私たちのテンションが激低なのかわからないですけど、“ちーす”って感じで、しっとり(笑)。
ただ、先輩の飲みの席に行ったらたまたま菅田さんがいた、みたいな偶然はよくあったので、生存確認はしていました(笑)」
そんな菅田は、取材会で伊藤のことを“可愛い” “魅力的”と大絶賛。
「私、菅田さんに“風呂光がとんでもなくきれいな人が来たら困るところだった”って言われたんですよ。それはちょっと聞き捨てならないな、と。ずっと引きずってるんですよ!! もちろん、いい意味で言ってくださっているんですけど。……でも、ジワジワうれしいな(笑)」
さらに、菅田は伊藤のことを“ファンだ”とも。
「そうなんですか!? ありがとうございます。うれしいな。今日のお酒はおいしいです!!」
魔法使いをやりたい!
男社会である警察組織の中でなめられまくりの風呂光。辞職を考えていた中、整との出会いによって刑事としての信念を取り戻し、成長を遂げていく。そんな風呂光と伊藤自身についてを尋ねると、
「責任感は似てないと思います。私はあまり責任感のあるタイプではないので(笑)。
でも放っておけないところは、もしかしたらちょっと似てるかも?あるシーンで高いところから落ちても風呂光は心配させまいと“受け身を取ったから大丈夫です!!”って言うんですよね。
すっごく可愛いなって思うし、そんなところが似てる!!(笑)」
子役からキャリアをスタートさせ、今ではメインを張る実力派に。『2021年ブレイク女優ランキング』(オリコン)では堂々の1位に。
兄はお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介で、兄妹の愉快なやりとりはたびたびネットニュースにも。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの伊藤に'22年の抱負を聞いてみると、
「今までは“コントをやってみたい” “歌を歌ってみたい”とか言ってましたが、ここに来てもう一段階、お芝居を突き詰めたいなと思っています。
この『ミステリと言う勿れ』は、結構今まで見たことないタイプの伊藤沙莉だと思うんです。役柄的にも、お芝居的にもいろんなことを抑えていて。私、無意識に変顔しちゃったりするんですが、そういうことはせずに(笑)。そんなふうに自分がトライしたことのないこと、やったことのないことをもっとやりたいなって思います」
今作は念願の刑事役だが、今後やってみたい役は?
「弁護士のような頭脳明晰な役をやりたいですね。整みたいにすごくセリフが多いと困っちゃうけど(笑)。何かひとつ、すごい才能を持った役とか。あ、魔法とか使いたい!! 魔法使いをやりたいって、ぜひ太文字にしておいてください(笑)」
取材中、記者やスタッフたちを爆笑させること複数回。愉快で自由でチャーミング。間違いなく、愛され女優だ。
原作者・田村由美からの言葉
原作コミックは、『BASARA』『7SEEDS』などでも知られる田村由美。累計発行部数1300万部を突破している。撮影現場で何回も会ったそうだが、伊藤が演じる風呂光について何か言葉はかけられた?
「自分で言うのはアレなんですが、“風呂光を漫画という絵の世界から、ちゃんと生きているひとりの人間にしてくれて本当にありがとう”と言ってくださって。原作モノをやるうえで、そこがいちばん気になるところ。実写化するなら、ちゃんと人間がやる意味が加わらないといけないと思っているので。そこを原作者の方にほめられたのは、すごくうれしかったです」