滝藤賢一

《ファッションは芝居と一緒。正解なんてない!!》

 昨年10月に発売され、話題となったスタイルブック『服と賢一 滝藤賢一の「私服」着こなし218』で自身の哲学を語った、俳優の滝藤賢一。彼はこの本の発売直前、ある重大な“決断”を下していた。

「'21年9月末をもって、それまで所属していた『エージェントオフィスタクト』を退社。10月1日付で、豊川悦司さんや和久井映見さん、柄本佑さんなど実力派の役者がそろう『アルファエージェンシー』に移籍しました」(スポーツ紙記者)

 '08年に映画『クライマーズ・ハイ』の新聞記者役で注目を浴びると、'13年のドラマ『半沢直樹』(TBS系)では主人公・半沢の同期役を演じ、一躍話題の人となった滝藤。彼の移籍は大きなニュースとなったが、裏には切実な事情があって─。

問い合わせ先の番号も剥がされて

『エージェントオフィスタクト』は、昨年末をもって閉業しました。かたちとしては解散ということになるようですが、事実上の“倒産”ですよ」(芸能プロ関係者)

 いったい、何が起きたというのか。

実は滝藤さんの移籍前、コロナ禍による業績の悪化を受けて、所属マネージャーが2名ほど退社していたんです。関係者の間では当時から経営状況が危ぶまれていましたが、やはり厳しかったようで、解散に至りました」(同・芸能プロ関係者)

 突然の閉業に、困惑している人も多いようだ。

滝藤さんの移籍後も残っていた俳優さんたちに対して、彼の移籍や業績の悪化について何の説明もされていなかったそうなんです。突然居場所を失うこととなった役者さんたちは、今でも移籍先を探していると聞きます」(同・芸能プロ関係者)

 同事務所のホームページを見てみると、現在は閲覧できないようになっている。詳しい事情を探るべく、1月下旬、もともとオフィスがあったビルを訪れてみると……。

そちらの会社でしたら12月に退去されて、今はテナントを募集中です。以前は女性のスタッフさんが2人常駐していましたが、退去後もしばらくは郵便物を確認しにきていましたね。少し前までは、入り口に問い合わせ用の携帯番号が記載された貼り紙がありましたが、それもいつの間にか剥がされていました」(ビルの管理人)

 記載されていたという番号を聞き電話をかけてみたが、コール音が鳴らないまま通話終了となってしまった。

 会社の登記情報も確認してみると、たしかに《令和3年12月31日 株主総会の決議により解散》との表記が。滝藤の移籍からわずか3か月後に閉業してしまった元所属事務所は、どのような経緯で解散に至ったのか。清算人を務めた弁護士に問い合わせたところ、以下の返答があった。

株式会社エージェントオフィスタクトは、'21年12月31日をもちまして解散いたしました。解散は、株主の意向により決断したものですが、業績不振などの経済的状況の悪化が理由となったものではありません

 昨秋に滝藤が下した決断は、ある意味“正解”だったのかもしれない─。