《最近は、まだ外が暗いうちに起きることが多いです。朝日が出てくる時間は凄く綺麗です! 現場のスタッフに助けられながら、より良い作品を作りたい、という思いで日々走り抜けています》
1月30日、インスタグラムに、自らの写真とともにコメントを投稿したのは山下智久。
「4月から放送が開始されるNHKドラマ『正直不動産』の撮影がすでにスタートしているんです。山下さんもそうとう気合が入っているようですよ。'19年のTBS系ドラマ『インハンド』以来となる地上波の主演ドラマですから」(テレビ誌ライター)
山下は'20年に未成年女性との飲酒・お持ち帰り疑惑が報じられ、活動を自粛。同年10月末にジャニーズ事務所を退所した。
「ジャニーズを辞めてすぐ、ハリウッド映画への出演が決まり渡米。'21年3月には高級ブランド『ブルガリ』のアンバサダーに就任しました。これを受け、男性ファッション誌『SENSE』の表紙を飾り、雑誌が完売に。4月からサングラスブランド『JINS&SUN』のCMに出演すると、彼の着用モデルが爆売れしました。“キムタク売れ”に並ぶ“山P売れ”が起こっているんです」(スポーツ紙記者)
撮影許可が下りずに
ファンには次の連ドラの放送が待ち遠しいはず。しかし、山下の知らないところで、ドラマ制作中にトラブルが起こっていたというのだ。
「NHKのグループ会社である『NHKエンタープライズ』がドラマの制作を行っているのですが、東京・武蔵野市での撮影許諾をめぐって市のフィルムコミッションともめたようで……」(ドラマ制作会社スタッフ)
話によると『エンタープライズ』が『武蔵野市フィルムコミッション』に撮影の許可を求めたのだが「この内容では厳しい」と突き返された。問題はこの後に、放送受信料の契約や徴収を行う『NHK首都圏局 西東京営業センター』が、介入してきたことで始まる。
「許可が下りないと聞き『営業センター』は『フィルムコミッション』ではなく、武蔵野市長に直接“中央線各駅や沿線の自治体は協力しているのだから、武蔵野市も協力してください”と連絡したそう。驚いた市長が『フィルムコミッション』に確認すると“今のままでは難しいと言ったはずなのに、どういうことだ!”と問題になってしまったんです」(同・制作会社スタッフ)
許可が取れないのなら、別の場所での撮影を検討してもよさそうだが、制作サイドにはどうしても譲れない理由があった。
NHKからの謝罪
「『正直不動産』は、巧みな話術で不動産取引を行ってきた主人公のやり手営業マンが、ある日いっさいのウソをつけなくなってしまうという話。主人公が勤務する不動産会社は、武蔵野市内のJR吉祥寺駅から徒歩5分のところにある設定なので、どうしても吉祥寺で撮影がしたかったんでしょう。“厳しい”と聞いて焦った『営業センター』が、市長からトップダウンで許可を出してもらおうとして、混乱を招いたのでは」(同・制作会社スタッフ)
武蔵野市とのトラブルについて『エンタープライズ』に取材を申し入れたところ、
「番組制作の過程についてはお答えしていませんが、お尋ねの中にあるトラブルが生じた事実はありません」
と書面で回答があっただけ。ならば、もう一方の当事者である武蔵野市にも話を聞くと、
「おっしゃるとおり12月下旬ごろ『エンタープライズ』さんから『フィルムコミッション』にロケ地の許諾依頼がありました。『営業センター』さんからは、市に“ご配慮お願いします”と、それぞれから連絡があったのは事実です。ただ、双方の内容を擦り合わせていくとNHKの2社間でうまく連携がとれていなかったのかなと、察する部分はありました」(産業振興課担当者)
確かにトラブルはあったようだ。NHKサイドから謝罪などはあったのだろうか。
「謝罪というか、やりとりをするなかで情報の伝達に齟齬があり、申し訳なかったとNHKさんから連絡があったと報告は受けています」(同・担当者)
では、ロケ地の許諾は?
「駅前などに有名な方が来て撮影を行うとなると、どうしても人だかりができてしまう。そのためコロナ禍での撮影は可能な限りご遠慮いただき、やるにしても人だかりができない配慮を最大限してもらうというルールのもと、フィルムコミッションが撮影の可否について調整しているのが現状です」(同・担当者)
1つ、気になるのは、なぜ『営業センター』が制作の問題に口出ししてきたのかということ。前出の制作会社スタッフは、こう推測する。
「NHKの番組制作費などの原資は受信料ですから、近年では受信料の徴収に力を入れているんです。'19年度末には徴収率が81・8%まで増えましたが、'20年度末は80・3%と減少……。だからこそ、山P効果を狙って、徴収率を上げようと考えていたのかもしれませんね」
毎年、各企業が行う“住みたい街”ランキングの上位にランクインする吉祥寺。ドラマでは山下の姿とともに、吉祥寺の街並みがどのくらい見られるのだろうか。