古塔つみ氏の『Weibo』アカウントには「♀」マークが

 音楽ユニット『YOASOBI』のキービジュアルを手掛け、『ポケモン』など多くの企業とコラボする人気イラストレーター・古塔つみ氏の炎上が鎮火しない。発端は“告発系”ユーチューバー・コレコレ氏の元に寄せられた情報だった。

 古塔氏の個展を鑑賞したという女性画家が、展示された作品の1つが有名写真家の作品と酷似していることに気づき、これが写真を反転させてトレースして描いたものではないか。つまりはトレースして盗用する“トレパク”疑惑を指摘。他の作品にも同様の疑惑が持ち上がり、中にはすでに販売されていたものもある、とのこと。

 これが瞬く間にネットで炎上騒ぎになるも、一貫してダンマリを決め込んでいた古塔氏。が、一部企業がコラボ商品の販売を一時停止し、さらに“特定班”によって数十点ものトレパク疑惑が掘り起こされ、古塔氏が手掛けたクライアントワークにも追及。すると2月3日、ようやく自身のツイッターに謝罪文を画像で投稿したのだ。ところがーー、

《引用・オマージュ・再構築として製作した一部の作品を、権利者の許諾を得ずに投稿・販売してしまったことは事実です》
《私はかねてより写真素材や実際のモデルさんの写真を参考資料に制作することが多く、この度、話題に挙げられている中には同様の手法で製作したものもございます》
《写真そのものをトレースしたことはございません。模写についても盗用の意図はございません》

 と、世間を騒がせたことへの謝罪するもトレパクに関しては全否定。

“古塔つみ”は男性なのか

 そして《クライアントワークは全てオリジナルです》と、『ポケモン』の他、展開中のコラボ商品はオリジナルであることを強調した古塔氏。この対応が火に油を注ぐ格好となり、そして古塔氏本人にも“トレース”疑惑が向けられたのだ。

「ツイッターでは時折女性言葉が使われて、インタビュー記事などで撮られた写真にはイラストで顔を隠した女性と思われる人物が登場。その似顔絵らしきイラストも、古塔氏のSNSアイコンに使われていたことから、“古塔つみは女性”と思っていた人がほとんどではないでしょうか。

 ところが、ここでも特定班がとある男性のSNSやYouTubeチャンネルから、共通点を割り出しては“彼女は40代半ばの男性ではないか”との見方が強まった。そのYouTubeチャンネルなどは、古塔氏が件の謝罪文を投稿したのとほぼ同時に全て削除されたのです」(Webニュースサイト・編集者)

『ヴィレッジヴァンガード』の対談企画に登場?した古塔つみ。明らかに女性に見えるが(公式HPより)

 “性別・年齢非公開”としていた古塔氏だけに、たとえ男性であっても嘘ではないのだろう。とはいえ、仮に男性だとしたのならば、なぜ“彼”は女性になる必要があったのか。「かねてよりSNSを駆使して一般女性からモデルを募っていた、と見られています」とはネットトラブルに詳しいITライター。

「そもそもプロフィールにあるのが“女性しか描けません”ですからね。過去のツイッター上でのやりとりが起こされているのですが、どうもイラストモデルの名目でフォロワーなどの女性ユーザーからDMにて写真を募っていたみたいですね。真偽は定かではありませんが、中には水着写真を送った女性もいた様子。

 そんな女性らに対して、“あなた素敵ねえ”“実験台にしちゃうわよ”“むっさ写真見てます”“全員囲いたい”などと返していたのです。古塔氏を女性と信じた上でのやりとりでしょうし、仮に相手が男性だとしたら写真を送っていたかどうか」

コレコレ氏による第2の告発

 2月3日の投稿ではツイッターをやめて、今後はインスタグラムのみ運用するとも明かした古塔氏。そのインスタも更新は止まったままで、騒動は時間の経過とともに収束するかと思われた、がーー、2月5日にコレコレ氏による“第2の矢”が放たれた。

 謝罪文では、クライアントに対して自らが《真摯に対応して参ります》として、《皆様からの問い合わせなどは、どうかお控えいただきますよう》と、ネットに向けてなのか、企業窓口への連絡をやめるよう訴えていた古塔氏に対して、

《これ以上問い合わせされると困るから。だから(確認や苦情などの)問い合わせを抑えて、(古塔氏は)裏では企業の方に謝罪連絡しているんだけど。とある企業さんから(コレコレ氏の元に)連絡きてて。実は、その(企業への謝罪文の)文面には“ネット上の憶測には惑わされないようお気を付けください”って記載してんの。だから、裏では“俺はトレースしてません”アピールをしっかりと企業にしてる。これは酷いでしょ》

 事の経緯に不信感を抱いたのか、クライアント企業の1つが、古塔氏から送られたという謝罪文の情報をコレコレ氏に提供。自身に向いた疑惑の数々を“ネット上の憶測”と断じて、あくまでも“クライアントワークはオリジナル”とトレパクを否定。引き続き契約を保持したい一心だったのか。

「古塔氏にとっては、これが“真摯な対応”なのでしょう。でも、コレコレ氏の暴露でネット掲示板でのスレはさらに伸びています。このネット騒ぎは海を飛び越えて、中国にも飛び火しそうな勢いですよ」(前出・ITライター)

ネットで特定された“元ネタ”清原香耶の写真との比較

中国で炎上すれば世界発信も

 実は2021年12月23日より、上海で中国初の個展となる『Cotoh Tsumi 古塔词弥Art Exhibition』を開催して約60点の作品を出展、グッズ販売も展開している古塔氏。現地のニュースサイトでも取り上げられ、《只画女生,只画精彩女生(女子しか描けません。すてきな人しか描けません)》と紹介されている。また中国版ツイッター『Weibo(微博)』にもアカウントを開設しており、重ねて中国語で個展をPRしていた。

 最後にWeiboが更新されたのは2月3日、騒動を謝罪した日で《春節の休暇には家族や友人と、上海のAI PLAZA西岸鳳巣で芸術を楽しんではいかが》といった内容を綴っていた古塔氏。しかし、間も無く中国でも案の定というか、ネット上で“疑惑の声”が上がり始めているようだ。中国エンタメ事情を扱う専門誌編集者に解説してもらうと、

「古塔さんのトレパク疑惑に関するニュースは現地でも報じられていませんね。でも、日本のネット掲示板から広がったのでしょうか、Weiboにも中国語で“どうりで個性もオリジナリティーも感じないわけだ。コピーされたものだった”との投稿が見受けられました。

 近年、芸術分野に注力していて、世界から注目されるアート街に変貌した上海だけに、そこに出展することは“日本代表”としても見なされるでしょう。日本のアニメ、漫画が人気だけにイラストにも注目が集まりますからね。このまま疑惑を明確に払拭せずに、炎上騒動が上海、中国でも広がればそれこそ、世界のアーティストや企業から説明が求められる時が来るかも」

 ちなみにWeiboのアカウントには、女性であることを表す“♀”マークをつけている古塔氏。自らが堂々と公の場に出て、かけられた疑惑を晴らす気は無いのだろうか。