「羽生くんのティッシュカバー、プーさんカラーかな」
「何あれ、エビフライ? 可愛い」
「オムライスかと思った(笑)」
北京オリンピック・フィギュアスケート、男子SPが行われ、羽生結弦選手が登場した。
最初の4回転サルコーが1回転サルコーになるなど、不運に見舞われ8位と出遅れた結果となったが、「今までのショート(SP)の中でも全体的にいい演技だったなと思う」と、悔しそうな表情を見せながらも手応えを口にした。
そんな中、ファンが注目したのはリングサイドに持ち込まれたティッシュカバー。いつもは「羽生といえば」でおなじみのくまのプーさんだが、今回は黄色と赤の毛糸のようなもので編み込まれた“存在感ある”ティッシュカバーにSNSがザワついた。
プーさん封印でも「羽生選手の気遣い」
黄色に赤といえば“プーカラー”。中には冒頭のように「エビフライにしか見えない」という声も。
「一部では“習近平国家主席に似ている問題”で規制がかかってプーさんが持ち込めないのでは? なんて声もありましたが、そもそもオリンピック委員会が商標やキャラクターの扱いに厳しいんです。羽生選手はこれに配慮してプーさんを“封印”しているんだと思います」(スポーツ紙記者)
実際、4年前の平昌五輪のインタビューで羽生選手は「スポンサー的な問題があり、“黄色いクマ”を持ってくることができませんでした」と話している。
そもそも、羽生選手は複数の選手が同時に練習する際、自分のティッシュがどれなのかひと目でわかるよう、「特に深い意味もなく」プーさんのティッシュカバーを使っていたそう。それで勝ち続けてきたので、“ゲン担ぎ”として使い続けるようになったとか。
そんなプーさんの姿は、もちろん、これまでの五輪でも姿を確認することができなかった。
「前回(韓国・平昌五輪)も前々回(ロシア・ソチ五輪)にも持ち込んでいません。前回は、ショートケーキ型のティッシュカバーだったんですが、のちに、そのティッシュカバーはディズニー公式のもので、もともとプーさんとピグレットがついていたものだと判明。ファンの間でも話題になっていました」(前出・スポーツ紙記者)
今回は黄色×赤で、パッと見「あれ?プーさん?」と驚いた人も多いようだが、これにも、羽生選手の“こだわり”を感じるというのは、フィギュアスケートファン。
「やっぱり羽生選手といえばプーさんなので。今回のティッシュカバーも、そういう意味ではみんなの期待に応えてくれて、夢を壊さなかった。羽生選手らしい心遣いを感じましたね」
プーさんはコーチ!?
そんなプーさん、近年はファンの間で「プーコーチ」と呼ばれている。
「プーさんは羽生選手にとって、もはやコーチみたいな存在。大会では、“プーコーチ”に話しかける羽生選手の姿も見かけます。そんなプーコーチがいないのは、ファンにとってもちょっと心細いです。
しかも、今回は肝心なブライアン・オーサーコーチも不在ですから(今回、オーサーコーチは韓国選手団の一員として北京入り)。こんな五輪という大きな大会でコーチなしって、尋常な状態ではないと思いますよ。コーチ不在で五輪に挑む、それだけでも十分、すごいことだと思います」(前出のフィギュアスケートファン)
また、羽生選手を応援し続けてきた別のファンもこう話す。
「オーサーコーチもプーコーチも不在でしたからね。羽生選手にとって、プーさんってどこかで精神的な支えになってると思うんです。オーサーコーチがいないのはもう慣れてるはずだから、今回は“プーコーチ不足”だったのかなって勝手に思うようにしています」
SNSには、プーコーチの写真とともに羽生選手にエールを送るファンの姿も。
「SPは残念でしたが、スケヲタ(スケートオタク)の間ではこのステップ・過程がソチオリンピックのときの(浅田)真央ちゃんに似ているねって。真央ちゃんもあのとき、ショートでは失敗したけど、フリーでは完璧な演技を見せてくれたので、羽生選手もきっと大丈夫。
これまで羽生選手は五輪に出て“手ぶら”で帰ったことがないですから。羽生選手ならまた夢を見せてくれると思います」(前出のフィギュアスケートファン)
競技後のインタビューで「みなさんの思いを受け取りつつ、完成されたものにしたいなって思います」とフリーへの意気込みを語った羽生選手。悔しさを滲ませつつも、前向きな受け答えに、称賛が相次いでいる。演技だけでなく、みんなが求める“羽生像”をどこまでも崩さない羽生結弦選手。注目のフリーは、10日に行われる。