「遺品を無断で持ち出したなんて、ありえません」
怒りを露にするのは、昨年8月に急逝した俳優の千葉真一(本名・前田禎穂)さんのマネージャー・A氏と、千葉さんが設立したジャパンアクションクラブ(以下JAC)の代表・西田真吾氏。
「千葉さんの死後、親族間のトラブルが幾度となく報じられてきましたが、講談社『FRIDAY』が2月11日号から3週にわたって驚きの記事を掲載。所属事務所の代表を名乗る鈴木哲也氏が、千葉さんのマネージャーをA氏、西田さんをB氏、千葉さんを金銭的に支援していた方をC氏として、3名が“黒幕”だと告発。千葉さんの実姉・昌子さんも、彼らが“弟の死をいいように利用した”と主張しました」(スポーツ紙記者)
千葉さんの周囲については、四十九日の法要が2回行われたことや、『お別れの会』と『偲ぶ会』が同日の開催という形で発表されたことなど、ことあるごとに“分裂状態”が取り上げられてきた。
これは、千葉さんと野際陽子さんとの間の長女・真瀬樹里とその支援者である鈴木氏側、そして千葉さんと一般女性Tさんとの間の長男・新田真剣佑&次男・眞栄田郷敦と、その支援者であるA氏・西田氏・C氏側という様相だが、記事によると、後者の3名が一家断絶の黒幕だという。
真相を探るべくA氏と西田氏に接触を図ったところ、冒頭にある怒りの反論を寄せた。
鈴木氏の主張は千葉さんの命日、8月19日まで遡る。真瀬は、西田氏から千葉さんの容体について《今日は大丈夫だと思う》というニュアンスの報告を受けたというのが、鈴木氏の言い分だが……。
「19日の昼、私は樹里さんに《具合がよろしく無い報告を受けました》とメッセージを送っています。その後通話し、医師から聞いたとおり“夜が山場だ”と伝えました。彼女からは《稽古には出ないとな感じなので、終わってすぐ向かいます》との返信が。しかし稽古の間、夕方ごろに千葉さんは息を引き取りました。鈴木氏が樹里さんにしっかりその事実を確認していれば“今日は大丈夫だと思う”と私が伝えたなんて話にはなっていないはず」(西田氏)
真瀬が病院に到着したのは夜のこと。昌子さんも駆けつけたが、ここでも記事とは異なる事実が。
千葉真一さんの通夜は行われていない
「樹里さんと昌子さんが着いてから、火葬の話に。ところが樹里さんは“稽古があるから行けない”と言い、昌子さんも“私は行けない”と……。親族が排除されたことはなく、火葬の件は間違いなく伝えていますし、欠席したのはおふたりのほう。複数の人間が聞いています」(西田氏)
『FRIDAY』によると、昌子さんは知人から「お通夜に行ったら前田家の人が誰もいなかったけど、なぜ?」と聞かれて愕然としたというが、これも奇妙な話で……。
「そもそも、通夜は行われていません。コロナの影響を鑑みて、告別式と通夜は開かなかった。昌子さんは連絡がなかったことを理由に、通夜と火葬に参列できなかったと語っていますが、通夜は存在しませんし、火葬の話は病院でしています」(A氏)
「お通夜に行った」という昌子さんの知人は、いったい何者なのか……。多くの疑問が浮かぶが、A氏と西田氏が強く否定するのが、冒頭の遺品の持ち出しについて。2人は、遺品を千葉さんの自宅から勝手に持ち出したとされている。
「ありえません。千葉さんは生前、何度も“断捨離”を行っていた。大量の衣装や小道具などを、私を含めたJACの関係者などに譲ってくださっていたんです。『お別れの会』で展示した物も、すべて生前に私や関係者が譲り受けていた物や、個人が所有していたグッズです」(西田氏)
記事には《千葉さんのお通夜》の際に西田氏が《車いっぱいに遺品を積んで持ち去った》との記述がある。
「繰り返しますがお通夜は行われていませんし、私は火葬にも参列していません。それに、千葉さんの周りの方ならみなさんご存じですが、私は車も持っていなければ運転もしません。いったいいつ、誰が何を持ち出したと言っているのか……」(西田氏)
“形見分け”に関しての記述も、事実とは異なる。
「千葉さんと生前親しかった方にお渡ししている物も、すべて生前に譲り受けていた品々です。遺品を勝手に持ち出したという事実は、いっさいございません」(西田氏)
真っ向からぶつかり合う両者の主張だが、鈴木氏や昌子さんの主張にいくつか不可解な点が生まれたことは事実。真相を確かめるべく、2月中旬、鈴木氏に話を聞いた。
「完全なる勘違い」
─8月19日、西田さんは樹里さんに《具合がよろしく無い報告を受けました》というメッセージを送っています。
「はい。そのメッセージを受けて、樹里さんから電話を折り返しています。駆けつけたいけど、仕事があるから事務所に相談する、と。“父はかなりまずい状態か”と質問したところ、西田さんは“よくないけど、今日どうこうなるとかではないと思うけど……”と答えたと、ぼくはそう聞いています」
鈴木氏は、火葬についても“親族でもないBが骨を拾っている”と主張していたが、『週刊新潮』(新潮社)2月17日号では西田氏が火葬に参列していないことが報じられている。そのことについて触れると……。
「それはぼくの勘違いですと、『新潮』にもう言ったと思うんですけど……。ぼくと西田さんは千葉さんの初七日に行ってるんですが、(火葬と)同じようなメンバーがいたので、間違えていただけです」(鈴木氏、以下同)
誤った事実を主張しておいて、単なる「勘違い」ではすまされない気もするが……。
「そこはぼくが間違っていたんで、100%謝罪します。完全なる勘違いで、本当に申し訳なかったです」
─病院で、樹里さんと昌子さんは火葬を欠席する意向を示していたとのことですが。
「ぼくはその場にいなかったから、何とも言えないですけど……。本人たちからは“骨が拾えないと聞いたから行かなかった”と聞いています」
ニュアンスが異なるのは「しょうがない」
─火葬と通夜から親族が排除されたことになっていますが、通夜はそもそも行われていないのでは?
「通夜っていうか、あれですよね、火葬の夜が通夜というスタンスですよね」
─昌子さんは通夜に行った知人がいると話しています。
「そこは昌子さんがどう受けとっているかわかんないですけど……。(誰がいたかは)ぼくも混乱しているので、はっきりとは」
存在しない「通夜」についてさらに問うと、こう答えた。
「昌子さんは頭に血が上ってる状況で話しているから、ぼくもそうですけど、そういう状態でそういう(ニュアンスの異なる)ことを言ってしまうのは、しょうがないと思いますけどね」
頭に血が上っていれば、誤った主張をしても許されるのだろうか……。A氏と西田氏は、事実と異なる鈴木氏の主張に対して、法的措置を検討しているという。
鈴木氏の告発により、さらに混沌とした事態に陥った千葉さんの周辺。稀代のアクションスターの身の回りが落ち着くのは、まだまだ先のことかもしれない……。