安くて手軽に使えて、料理にも便利な「缶詰」。今回は、魚の缶詰を使ったアレンジレシピを紹介。美味しくて栄養価も高く、時短料理にも。ぜひ、お試しを!
脳にいい成分が缶詰ならお手軽に
「人の名前が思い出せない」「しようとしていたことを忘れる」……。加齢とともに、誰にでも起こる物忘れの症状。ひょっとして認知症の始まりでは、と不安を感じることも。そこで注目したい成分が必須脂肪酸といわれる「DHA」や「EPA」。
DHA、EPAという栄養素は、青魚の脂に多く含まれていて、記憶力や判断力などの認知機能を維持、向上する働きがあることが知られている。さらに、血液をサラサラにしたり、中性脂肪やコレステロールを減少したりする効果もあるという。
これらの栄養素は、人の体内では作り出すことができないため、食事で積極的に補うことが大切。
「そこでおすすめなのが、さばやツナ、鮭などの魚の缶詰です」とは、栄養士で料理研究家の落合貴子さん。
「缶詰は、獲れたての新鮮な状態で加工されているので栄養価が高く、薄味で保存料無添加なものが多いんです。加熱ずみなので下処理なども不要で、気軽に利用することができます。また、骨までやわらかく煮込まれていてカルシウムも豊富ですし、缶汁にもうまみと栄養が含まれているので、汁ごといただくとムダなくヘルシーですね」
缶詰は値段もお手ごろで長期保存もできる便利な食品。多めにストックしておけば、ムリなく普段の食生活に取り入れやすい。いいことだらけの魚の缶詰を使った絶品お手軽“健脳”レシピを落合さんが教えてくれた。さっそく試してみたい。
※電子レンジは600Wを使用
さば缶
カレーのターメリックも脳の神経細胞をしっかりサポート
レンチンさばカレー
【材料/2人分】
さば水煮缶 1缶(190g)
玉ねぎ 1/2個
トマト 1個
にんにく(すりおろす) 小さじ1
しょうが(すりおろす) 小さじ1
(A)
カレールー 40g
牛乳 大さじ2
みりん 大さじ1
【作り方】
1. 玉ねぎは繊維に対して直角に薄切りにする。トマトは5mm角に切る。
2. ボウルにさば缶を汁ごと入れ、(1)、にんにく、しょうが、水100mlも加えてひと混ぜし、ラップをして600wの電子レンジで5分加熱する。
3. 1度取り出して(A)を入れ、ルーが溶けるまで混ぜる。再度ラップをして電子レンジで3分加熱する。
4. 器に盛り、あれば香菜を添える。
ツナ缶
オメガ3が豊富なツナとねぎのアリシンのW効果で脳活性化
ツナのねぎ塩やっこ
【材料/2人分】
ツナ缶 1缶(80g)
豆腐 小2丁
長ねぎ 1/2本
レモン汁 小さじ1
塩 少々
ごま油 小さじ2
【作り方】
1. 長ねぎは斜め薄切りにする。
2. ボウルに(1)とツナ缶を汁ごと、レモン汁、塩を入れ混ぜ合わせ、5分ほどおく。
3. 器に豆腐を盛り、(2)をのせてごま油をまわしかける。
鮭缶
じゃがいもに含まれる糖質と鮭のオメガ3で脳イキイキ
鮭缶ポテトグラタン
【材料/2人分】
鮭缶 1缶(90g)
じゃがいも 2個
ほうれん草 2株
牛乳 適量
小麦粉 大さじ1と1/2
バター 10g
塩・こしょう 各少々
ピザ用チーズ 30g
【作り方】
1. 鮭缶はざるにあげて身と汁に分け、汁に牛乳を足して150mlにする。
2. じゃがいもはスライサーなどで薄切りにする。ほうれん草はサッと水で洗ってラップで包み電子レンジで2分加熱し、冷水にとって食べやすい長さに切る。
3. 耐熱容器に(1)の汁に小麦粉を少しずつ加えてよく混ぜ合わせ、ラップをしないで電子レンジで1~2分加熱し、バターを加える。
4. (3)のホワイトソースにじゃがいも、ほうれん草、鮭、塩・こしょうを加えてあえ、グラタン皿にのせてチーズを散らし、トースターで10~15分、焼き色がつくまで焼く。
教えてくれたのは
落合貴子さん
栄養士の免許を取得後、自然食品メーカーで栄養カウンセリングなどを経験し、フードコーディネーターとして独立。テレビや雑誌、書籍などへのレシピ提案、栄養指導、フードスタイリングなど幅広く活躍中。